【 2022 年度 授業概要】
科   目 電気機器T ( Electrical Machinery I )
担当教員 加藤 真嗣 准教授
対象学年等 電気工学科・4年・前期・必修・1単位【講義】 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-E4(100%)
授業の概要
と方針
電気機器では,電磁気現象を利用して,電気エネルギーと機械エネルギーの変換を行なっている.そのために,電気磁気学の知識が必要不可欠であり,まず始めに電気磁気学を復習する.そして磁気回路の性質について説明する.これらの習得した知識を基にして,電気機器のうちの静止器であり電圧を昇降させることができる変圧器について説明し,動作原理や特性などを理解する.



1 【A4-E4】 電気機器の動作原理を説明するために必要な電気,磁気および回転機械系の計算問題を解ける.
2 【A4-E4】 変圧器の動作原理を理解し説明できる.また,等価回路による特性計算やベクトル図が作図できる.
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1 フレミングの左手および右手の法則,ファラデーの電磁誘導の法則などを理解できているか,前期中間試験およびレポートで60%以上正解を合格として評価する.
2 変圧器の動作原理,等価回路による特性計算,負荷を接続した場合のベクトル図が作図できるか,前期定期試験およびレポートで60%以上正解を合格として評価する.
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成績は,試験75% レポート25% として評価する.なお,試験成績は前期中間試験と前期定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.レポートとは,演習問題の課題,授業中に渡された課題および板書を書き写したノートの提出を指す.
テキスト OHM大学テキスト「電気機器学」:白井康之[編著](オーム社)
参考書 「電気機器学」:難波江彰ほか著(電気学会)
「実用電気機器学」:森安正司著(森北出版)
「電気機械工学」:天野寛徳,常広譲著(電気学会)
「エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス [第2版]」:エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会著(森北出版)
関連科目 電気磁気学I(3年),電気回路I(2年),電気回路II(3年)
履修上の
注意事項
電気機器は電気磁気学のうちの磁気分野と電気回路に特に関連が深いので,よく理解しておくこと.電気機器IIおよびIIIでは電気機器Iの知識が必要となるため,4年で学んだことを理解し修得しておくこと.

【授業計画( 電気機器T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 [1.1]電気機器の歴史,[1.2]電気機器の分類,および[1.3]機械系・電気系のエネルギー
電気機器の歴史,回転機と静止器の分類,および機械系のエネルギーと電気系のエネルギーの関係について説明する.
2 [1.4]電磁力と誘導起電力,[1.5]ローレンツ力,および[1.6]ファラデーの電磁誘導の法則
電磁気に関する各種法則について説明する.
3 [1.7]アンペアの周回積分の法則,[1.8]電磁力の作用点,および[1.9]静電機械と電磁機械
アンペアの周回積分,電磁力の作用点,および静電機械と電磁機械の違いについて説明する.
4 第1章の演習問題の解説
演習問題について解説する.したがい,事前に演習問題を解いておくこと.
5 [2.1]磁気回路および[2.2]磁性材料の特性
磁気回路に関する法則と磁性材料の特性について説明する.
6 [2.3]磁気回路におけるエネルギーおよび[2.4]磁気エネルギーと電磁力
磁気回路におけるエネルギー,および電磁力の発生原理について説明する.
7 [2.5]電磁エネルギー変換,および第2章の演習問題の解説
電磁エネルギー変換について説明し,演習問題について解説する.したがい,事前に演習問題を解いておくこと.
8 中間試験
中間試験を実施する.
9 中間試験の解説,[3.1]変圧器の必要性および[3.2]変圧器の構造
中間試験の解説および変圧器の必要性と構造について説明する.
10 [3.3]理想変圧器および[3.4]漏れインピーダンス
理想的な変圧器の原理,および実際の変圧器で生じる漏れ磁束について説明する.
11 [3.5]励磁電流と励磁回路,[3.6]等価回路とフェーザ図,および[3.7]特性式
磁束を作るための励磁電流とその回路,変圧器の等価回路とそれに基づいたフェーザ図,および特性式について説明する.
12 [3.8]リアクトルの線形表現,[3.9]等価回路定数の決定,および第3章の演習問題の解説
リアクトルを線形表現する方法,等価回路定数を決定するための試験方法について説明し,演習問題について解説する.したがい,事前に演習問題を解いておくこと.
13 [4.1]変圧器の特性および[4.2]変圧器結線
変圧器の電圧変動率や効率,および三相変圧器,三巻線変圧器,単巻変圧器について説明する.
14 [4.3]並行運転,[4.4]電圧調整,[4.5]計器用変成器および[4.6]突入電流
並行運転法,タップ切換え変圧器,および変成器について説明する.
15 第4章の演習問題の解説
演習問題について解説する.したがい,事前に演習問題を解いておくこと.


前期中間試験および前期定期試験を実施する. 本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 15 時間の事前・事後の自己学習が必要である.なお,試験単体の平均点が例年と比べて著しく低い場合は,60点満点の再試験を実施する場合がある.