【 2022 年度 授業概要】
科   目 電気磁気学U ( Electromagnetics II )
担当教員 橋本 好幸 教授
対象学年等 電子工学科・4年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-D1(100%)
授業の概要
と方針
電磁気学は,物質中の電子の運動によって生じるさまざまな現象を記述する学問であり,洗練された体系をもっている.この講義では,3年で学んだ静電界にまつわる諸法則に引き続き,電子の運動としての電流と,それに伴って生じる磁界,電界と磁界の対応,そしてそれらを統合するマクスウェル方程式までを理解できるよう,教科書に沿って進めていく.



1 【A4-D1】 電気系の基礎法則が理解できる.また,電流と静電界の関係が説明できる.
2 【A4-D1】 ビオサバールの法則,アンペア周回積分の法則を理解し,計算に適応できる.
3 【A4-D1】 静磁界と静電界のベクトル・スカラーポテンシャル表記についてイメージを持って理解し,またベクトルについての計算が出来る.
4 【A4-D1】 磁性体の性質を理解し,磁性体中での電磁界現象が説明できる.
5 【A4-D1】 インダクタンスの意味を理解し,各種導体系におけるインダクタンスが計算できる.
6 【A4-D1】 電磁誘導の法則を用いた各種計算ができる.
7 【A4-D1】 マクスウェルの方程式が説明でき,各種計算に適応できる.
8 【A4-D1】 電磁波とは何かが説明できる.
9  
10  












1 電気系の基礎法則を理解しているか,電流と静電界の関係が説明できるかを前期中間試験およびレポートで評価する.
2 ビオサバールの法則,アンペア周回積分の法則を理解し,計算に適応できるかを前期中間試験およびレポートで評価する.
3 ベクトルで電界・磁界を解釈できているか,またベクトル表記が正しく行えているかを前期定期試験およびレポートで評価する.
4 磁性体中の磁界の変化,磁性体の種類,磁束密度と磁界の違いが理解できているか,また電磁誘導の物理的理解ができているかを後期中間試験およびレポートで評価する.
5 インダクタンスの意味を理解し,各種導体系におけるインダクタンスが計算できるかを後期中間試験およびレポートで評価する.
6 電磁誘導の法則を用いた各種計算ができるかを後期中間試験およびレポートで評価する.
7 マクスウェルの方程式が説明でき,各種計算に適用できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
8 電磁波とは何かが説明できるかを後期定期試験およびレポートで評価する.
9  
10  




成績は,試験90% レポート10% として評価する.なお,試験成績は,中間試験(前期,後期)と定期試験(前期,後期)の合計4回の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.また,各試験が60点未満で再試験を実施する場合は,70点以上で合格とし,当該試験の点数は60点とする.
テキスト 「電気学会大学講座 電気磁気学」: 山田直平,桂井 誠(電気学会)
参考書 「電気学会大学講座 電気磁気学問題演習詳解」:桂井 誠,山田 直平 (電気学会)
関連科目 電気磁気学I,応用数学,数学I,数学II,物理
履修上の
注意事項
3年生で学習した電気磁気学Iの静電界の内容について十分に復習し理解しておくこと.

【授業計画( 電気磁気学U )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電流と電気回路の諸定理
電流の定義および電気回路の諸定理について学習し,それらの定理を諸問題に適応できるようになる.
2 導体中での電流分布
導体中での電流,電流の場と静電界の関係について学習し,各種問題に適応できるようになる.
3 演習1
第1〜2週の間に学んだ事の理解度の確認として演習を行う.
4 磁気現象とビオサバールの法則
まず,磁気現象の概要について解説する.続いて,ビオサバールの法則について学習し,各種問題に適応できるようになる.また,ベクトル積の計算および問題への適応ができるよになる.
5 ビオサバールの法則を用いた磁束密度の計算(1)
ビオサバールの法則を用いて,直線状導線の作る磁束密度が計算できるようになる.
6 ビオサバールの法則を用いた磁束密度の計算(2)
ビオサバールの法則を用いて,円形コイルの作る磁束密度が計算できるようになる.
7 演習2
第4〜6週の間に学んだ事の理解度の確認として演習を行う.
8 中間試験
電気回路の諸定理,ビオサーバールの法則を用いて各種計算ができるようにしておくこと.
9 アンペア周回積分の法則(中間試験答案の返却と解説を含む)
アンペア周回積分の法則について理解し,説明できるようになる.なお,授業最初に中間試験の答案返却と解説を行う.
10 磁束分布の計算
無限長形状,有限長形状における磁束分布の計算ができるようになる.
11 演習3
第9〜11週目で学習した内容に関する演習問題を配布する.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う.
12 電流分布による磁界
電流により生じる磁界が計算できるようになる.ベクトルの回転の意味を理解し,各種問題に適応できる.
13 ベクトルポテンシャル
ベクトルポテンシャルの定義を学習し,それを用いて磁界に関する諸問題が計算ができるようになる.
14 電流に働く力
フレミングの法則を理解し,各種導体の電流が流れたときに生じる力が計算できる.
15 演習4
第12〜14週目で学習した内容に関する演習問題を配布する.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う.
16 磁性体の概要
磁性体の性質,減磁力,磁界のエネルギーについて学習し,それらの説明ができるようになる.また,ヒステリシス損など強磁性体の性質についても理解する.
17 磁性体のある場合の磁界
磁性体がある場合の磁界について計算できるようになる.
18 磁気回路と電気回路
磁気回路と電気回路の相異について理解し,磁気回路の計算ができるようになる.
19 演習5
第16〜18週の間に学んだことの理解度の確認として演習を行う.
20 インダクタンスおよびインダクタンス間の関係
インダクタンスの定義を理解し,それが何か説明できるようになる.また,インダクタンス間の関係について理解し,相互誘導が生じる回路の計算ができる.
21 インダクタンスの計算
インダクタンスの直列接続,平行導線間,円形コイル間の相互インダクタンス,断面積のある導体のインダクタンスが計算できるようになる.
22 演習6
第20〜21週の間に学んだことの理解度の確認として演習を行う.
23 中間試験
磁性体の諸性質が説明できること.インダクタンスの計算ができること.
24 電磁誘導現象(中間試験の返却と解説を含む)
電磁誘導現象の基礎について学習を行う.電磁誘導現象とは何かについて説明できる.なお,授業最初に中間試験の答案返却と解説を行う.
25 誘導起電力
導体の運動と磁束の時間的変化の両方がある場合の起電力について学習し,起電力が計算できるようになる.
26 演習7
第24〜25週の間に学んだことの理解度の確認として演習を行う.
27 導体内の電流分布
導体に電流が流れ,磁界が発生した場合の関係について学習し,そこで起こる現象が説明できる.
28 変位電流とマクスウェルの方程式
マクスウェルの方程式を式で表せ,それらの式の意味が説明できるようになる.
29 電磁波
電磁波とは何かが説明できるようになる.また,電磁波を波動方程式で表すことができるようになる.
30 演習8
第27〜29週の間に学んだ事の理解度の確認として演習を行う.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. 本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の事前・事後の自己学習が必要である.