科 目 | 政治・経済 ( Political Science and Economics ) | |||
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担当教員 | 高橋 秀実 特任教授 | |||
対象学年等 | 都市工学科・3年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
C3(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
歴史的転換期としての現代世界及び日本の政治・経済を理解するため,政治・経済・国際関係の諸事象を多角的な視点から分析し,その構造や潮流を把握して,広い視野から判断しうる見識と考察力を養成する.前期は国際政治を中心に政治分野を,後期は経済分野を扱う.国際政治や経済の時事問題を随時導入する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 第二次世界大戦・冷戦・核問題などを通じて戦争と平和の問題を理解する.南北問題・人口問題・民族問題など現代世界の諸課題を理解する.国際連合の組織・機能,国際機関や国際条約を理解する. | 2 | 【C3】 リベラルデモクラシーの原理,日本国憲法の成立過程,国民主権・基本的人権・平和主義の3原理,政治制度を理解する. | 3 | 【C3】 資本主義経済の特徴,市場メカニズム,金融・財政,労働問題など現代経済のしくみを理解する. | 4 | 【C3】 資本主義成立期から敗戦・戦後復興・高度経済成長・石油危機・貿易不均衡・バブル経済崩壊,失われた30年を経て現在に至るまでの,日本経済の歩みを理解する. | 5 | 【C3】 グローバリゼーションと地域経済統合が進展する世界経済を理解する. | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 国際政治の理解度を,試験・レポート・提出物により評価する. | |
2 | リベラルデモクラシー・日本国憲法の理解度を,試験・レポート・提出物により評価する. | |||
3 | 現代経済のしくみの理解度を,試験・レポート・提出物により評価する. | |||
4 | 日本経済の理解度を,試験・レポート・提出物により評価する. | |||
5 | 世界経済の理解度を,試験・レポート・提出物により評価する. | |||
6 | ||||
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総 合 評 価 |
成績は,試験75% 課題レポート・提出物25% で総合評価する.試験成績は全回の平均点とする.100点満点の60点以上を合格とする | |||
テキスト | 「政治・経済資料 2021」:東京法令出版編(東京法令出版) プリント |
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参考書 | 「ゼミナール 日本経済入門」三橋規宏他編(日本経済新聞社) 「令和2年度 経済財政白書」内閣府編(国立印刷局) |
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関連科目 | 経済学(5年選択) | |||
履修上の 注意事項 |
なし |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 政治序論:現代世界の課題 |
20世紀,戦後の時代を多面的に検証し,転換期としての冷戦後,21世紀の世界の諸課題を考察するという前期政治編の方針を概観する. | |
2 | 国際社会と主権国家 |
近代国家のあり方・要素を分析し,国際社会を動かす政治・経済的利害関係,民族・宗教など文化的要因などを考察する. | |
3 | 20世紀の政治潮流, |
第二次世界大戦と東西冷戦を,ファシズム・コミュニズム・リベラルデモクラシーなど政治思想・国家体制の側面から分析し考察する. | |
4 | 戦後の東西冷戦 |
戦後の東西冷戦の政治過程を考察する. | |
5 | 国際連合の組織と機能 |
国際連合の成立過程,総会・安全保障理事会を中心とした国連の組織,PKOなど平和維持機能を理解する. | |
6 | 日本国憲法とリベラルデモクラシーの原理と制度 |
市民革命・人権宣言により確立したリベラルデモクラシーの原理と制度を理解し,権力分立,議院内閣制など日本国憲法の諸制度を理解する.日本国憲法成立に至る政治過程を分析し,大日本帝国憲法と比較考察する. | |
7 | 日本国憲法の平和主義と戦後日本の歩み |
日本国憲法前文・第9条の条文を通じて日本の平和主義を考察する.憲法の理想と現実の戦後日本の歩みとの相克を考察する. | |
8 | 日本国憲法と基本的人権 |
基本的人権を自由権と社会権の視点から考察する. | |
9 | 冷戦終結 |
冷戦終結に至る政治過程を考察する. | |
10 | 冷戦後の世界 |
冷戦後の様々な国際潮流を考察する. | |
11 | 世界平和と核問題 |
広島・長崎原爆,戦後米ソ核対立,核抑止の国際条約締結の歩み,大量破壊兵器の危機的現実を考察する. | |
12 | 南北問題,人口問題 |
先進工業国と発展途上国の経済格差の現状や原因,国際社会の対応,近年の変化を分析する.世界人口の推移と問題点を南北問題と関連させて考察する. | |
13 | 冷戦後の民族対立,内戦,難民問題 |
冷戦後の1990年代以降の生じている民族対立,内戦,難民問題を考察する. | |
14 | EU統合の現状と課題 |
EU統合の歩み,域内経済格差,移民問題,英国離脱の行方,などを分析し考察する. | |
15 | 総括:21世紀の国際社会と日本 |
政治編の総括として,21世紀の国際社会の潮流と諸課題,及び日本のあり方を考察し総括する. | |
16 | 経済序論:商品経済・貨幣経済・生産と消費 |
商品としての財・サービスの生産,企業と消費者・労働者,貨幣の機能など,資本主義経済の特徴を基礎から分析し考察する. | |
17 | 市場メカニズム |
自由競争市場で商品の需給関係が価格変動で自動調整されるという,産業革命期のアダムスミスが解明した市場メカニズムの原理を考察する. | |
18 | 自由競争から独占資本主義へ |
産業革命期の自由競争期から独占資本主義への転換,独占(寡占)の形態を分析する. | |
19 | 世界恐慌とケインズ・修正資本主義 |
1930年代の世界恐慌・デフレスパイラル,欧州先進国のブロック経済化,米国のニューディール政策とその基盤たるケインズ理論,修正資本主義を理解する. | |
20 | 形成期の日本資本主義 |
富国強兵・殖産興業の下に国家主導で形成された成立期の日本資本主義の特徴を,後進的農村,劣悪な労働条件,植民地進出,など多面的に分析し考察する. | |
21 | 戦後の経済復興と高度経済成長 |
敗戦後の経済民主化改革と経済復興,1950・60年代の著しい工業発展・高度経済成長を可能にした諸要因を多面的に分析し考察する. | |
22 | オイルショックと貿易不均衡 |
1970年代オイルショックによる高度成長の終結,日本企業の技術革新,輸出拡大,80年代日米貿易不均衡・貿易摩擦を分析する. | |
23 | 後期中間試験 |
後期中間試験を実施する. | |
24 | 中間試験の解説,技術革新と産業構造 |
後期中間試験を解説する.技術革新と産業構造の連関を考察する. | |
25 | バブル経済とバブル崩壊デフレ |
1985年プラザ合意以降の株価・地価高騰,バブル経済,90年代株価・地価暴落によるバブル崩壊と金融システム不安,「失われた30年」に至った過程及び原因を考察する. | |
26 | 国際経済と貿易 |
IMF・GATT体制の中で加工貿易によって発展を遂げた日本経済を理解する.生産拠点の海外移転,世界市場の一体化(グローバリゼーション)の潮流を考察する. | |
27 | 労働・雇用問題 |
憲法と労働基準法に規定された労働の権利を理解する.日本の雇用制度の特徴,1990年代以降の変化の潮流を考察する. | |
28 | 財政の機能としくみ・税制,財政政策 |
所得税と消費税を中心として直接税と間接税の税制を考察する.財政の機能とそのしくみ,予算(歳入・歳出),財政破綻に瀕している現状を考察する.財政政策を考察する. | |
29 | 金融の機能としくみ・金融政策 |
金融の機能とシステム,日本銀行による金融政策を理解する.バブル崩壊後の金融の潮流を考察する. | |
30 | 総括:世界経済・日本経済の現状と課題 |
世界経済の現状と課題及び日本経済の現状と課題を考察し全授業の総括とする. | |
備 考 |
前期定期試験,後期中間試験および後期定期試験を実施する.前後期にレポート課題を課す.政治経済時事テーマを随時導入する関係上,予定テーマの内容と順序は随時変更可能性あり. |