【 2021 年度 授業概要】
科   目 機械設計演習T ( Practice of Machine Design I )
担当教員 宮本 猛 教授, 小林 洋二 教授 【実務経験者担当科目】
対象学年等 機械工学科・4年R組・通年・必修・2単位【演習】 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-M4(100%)
授業の概要
と方針
設計に必要なPDCAやブレインストーミングなどを課題に取り組むことで習得させる.搬送用ロボットを実現するため,機構部の設計とサーボモータ,アクチュエータなどの結合によりシステムを設計する能力を養成する.2D/3DCADを用いて作図する能力を習得させる.本講義では,実務経験教員が実務経験を踏まえて学習する項目について説明を行う.



1 【A4-M4】 産業用ロボットの運動形態を理解できる.
2 【A4-M4】 機構部品の設計図を3面図で描くことができる.
3 【A4-M4】 搬送用ロボットは各種既製品を組み合わせることが必要である.各種カタログより必要なユニットで仕様条件にあったものを選択し,さらにこれらを結合する部品等を設計するができる.
4 【A4-M4】 搬送用ロボットの各駆動部の動力計算ができる.
5 【A4-M4】 システムのイメージを立体図で描くことができる.
6 【A4-M4】 部品図間の結合方法を明確にするため,部分組立図を描くことができる.
7 【A4-M4】 安全面を配慮した設計をすることができる.
8 【A4-M4】 設計システムの概要,システム中のモータ,リニアアクチュエータ等の既製品の選択根拠の力学計算を報告書に記述することができる.
9 【A4-M4】 2D/3DCADの操作で部品図を描くことができる.
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1 設計した装置の概略を報告書とプレゼンテーションで評価する.
2 部品構成,実線,破線,寸法線のコントラストができているか,部品の3面表現と寸法記述に矛盾なく描けているか図面で評価する.
3 システムの構想を実現するためにモータ,リニアガイド,エヤーシリンダ等のカタログから必要なものを選択して,結合することができたか図面で評価する.
4 動力計算,既製品の負荷トルク,強度等の計算の根拠が記述されているか報告書とプレゼンテーションで評価する.
5 機械の構造の構想図(イメージ)をどの程度作図できたか図面で評価する.
6 加工と組立を配慮したコメント,部分組立図の記述と作図ができるかを図面で評価する.
7 安全面を配慮した構造になっているか,自由度および部品点数が最適であるか報告書とプレゼンテーションで評価する.
8 力学計算と選択根拠を記述できたかを報告書とプレゼンテーションで評価する.
9 図面の構成と作図操作の正確さによって図面で評価する.
10  




成績は,提出物80% プレゼンテーション20% として評価する.提出物80%の内訳は,図面30%,報告書50%である.前期と後期の成績の平均点を最終成績とし,100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 配布資料
参考書 「電子機械応用」:メカトロニクス研究会編(コロナ社)
関連科目 設計製図(1〜3年),材料力学,機械工作法
履修上の
注意事項
材料力学,機械工作法の基礎を理解していること.

【授業計画( 機械設計演習T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 概念・詳細設計,PDCA
設計に必要な概念・詳細設計,PDCAについて理解する.模擬課題を与え,ブレーンストーミング,kJ法を体験する.
2 課題設定,概念設計
課題を設定し,概念設計に取り掛かる.グループに分け,情報収集,企画,スケッチを行う.
3 概念設計
グループディスカッションにより情報収集,企画,スケッチを行う.アイデアの量を求めて概念設計を行う.
4 概念設計
アイデアを収束させ,一つに絞る.グループ内で役割を決め,さらに情報収集を行う.
5 詳細設計
アイデアを検討し,具体的な3D図面として製作を開始する.新規性,独創性,実用性,事業性,そして活用性といった内容について調査・検討する.
6 詳細設計
アイデアを検討し,具体的な3D図面として製作を開始する.新規性,独創性,実用性,事業性,そして活用性といった内容について調査・検討する.
7 詳細設計
アイデアを検討し,具体的な3D図面として製作を開始する.新規性,独創性,実用性,事業性,そして活用性といった内容について調査・検討する.試作品の製作も検討する.
8 詳細設計,再設計
詳細設計を進めるとともに,試作品を製作し再設計を行う.
9 詳細設計,再設計
詳細設計を進めるとともに,試作品を製作し再設計を行う.
10 プレゼンテーション資料の作成
設計品について,新規性,独創性,実用性,事業性,そして活用性を重点的に説明するプレゼンテーション資料を作成する.
11 プレゼンテーション資料の作成
設計品について,新規性,独創性,実用性,事業性,そして活用性を重点的に説明するプレゼンテーション資料を作成する.
12 CAD演習(1)
管継手の図面を2DCADにより描く.
13 CAD演習(2)
管継手の図面を2DCADにより描く.
14 CAD演習(3)
3DCADの使用方法を習得し,基本的な立体図を作成する.
15 プレゼンテーション
1グループ持ち時間12分で,それぞれが設計したコンセプトを述べ,新規性,独創性,実用性,事業性,そして活用性を重点的に説明する.
16 産業用ロボットの概要と運動機構,課題設定,搬送品設定,設計の進め方
代表的産業用ロボットの形態別運動機構の特徴を理解させる.各学生へ課題を説明する.搬送品を設定させる.機械設計の進め方,PDCAを説明する.
17 既製品の選定と自作部品の強度計算
モータやシリンダ-等の各種カタログを紹介する.それら既製品の選定計算に必要な運動力学問題.慣性モーメント,角加速度について講義する.自作部品設計に必要なモーメント,応力について講義する.
18 構想期間−概念設計
搬送用ロボットに必要な幅広い情報収集,多種多様な設計企画をする.アイデアスケッチを作成する.ロボットの運動機構を表す記号を用いて3自由度を表現する.アイデアスケッチの絞り込みを行い,搬送用ロボットの機能およびそれら機能に対する解候補を考え,解候補星取表を作成する.
19 構想期間−詳細設計
概念設計からの絞込みを行い,搬送用ロボットにおける設計計算,基本仕様の決定,カタログからの使用機器の選定を行う.機種絞込みのポイント指導,その計算法を個別指導する.
20 構想期間−詳細設計
自作部品について寸法,形状を強度計算により設計する.既製品や自作部品の結合方法を考える.総合的な詳細設計を行い,全体イメージ図を完成させる.概念設計および詳細設計を整理し,計算方法に間違いがないかを確認させる.
21 部品図の作成
各部品について第三角法により作図を開始する.カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
22 部品図の作成
各部品について第三角法により作図を開始する.カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
23 部品図の作成
各部品について第三角法により作図を開始する.カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
24 部品図の作成
カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
25 部分組立図の作成
各部品の結合が理解できるような部分組立図を作成する.加えて部分組立図に加工精度,溶接等のコメントを記述し,加工を意識した作図をさせる.
26 部分組立図の作成
各部品の結合が理解できるような部分組立図を作成する.加えて部分組立図に加工精度,溶接等のコメントを記述し,加工を意識した作図をさせる.
27 立体図の作成
立体図として,等角図またはキャビネット図などの方式でシステム全体図を作図する.各自由度をもつ機構を明確にして,搬送品がどのように搬送されるか明記する.さらにシステム全体の概略寸法を記述させる.
28 立体図の作成
立体図として,等角図またはキャビネット図などの方式でシステム全体図を作図する.各自由度をもつ機構を明確にして,搬送品がどのように搬送されるか明記する.さらにシステム全体の概略寸法を記述させる.
29 設計最終確認,設計報告書,プレゼンテーション資料の作成
各部機構の設計仕様(強度計算,移動速度,移動距離,重量計算など)について,問題がないか再検討する.設計した搬送用ロボットを説明する設計報告書およびプレゼンテーション資料を作成する.
30 プレゼンテーション
1人持ち時間3分で,それぞれが設計した搬送用ロボットのコンセプトを述べ,イメージ図やモーションピクチャーにより紹介する.加えて選定計算や強度計算について簡単に報告する.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の事前・事後の自己学習が必要である. 中間試験および定期試験は実施しない.