【 2021 年度 授業概要】
科   目 放電現象 ( Phenomena of Electric Discharge )
担当教員 赤松 浩 教授
対象学年等 電気工学科・4年・後期・選択・2単位【講義】 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A4-E1(100%)
授業の概要
と方針
気体中における荷電粒子の運動を解説し,気体,液体,固体および複合絶縁体における絶縁破壊現象の基礎を講義する.



1 【A4-E1】 気体の状態方程式を説明できる.
2 【A4-E1】 気体中における荷電粒子の運動を説明できる.
3 【A4-E1】 気体の電離における原子分子過程を説明できる.
4 【A4-E1】 気体の絶縁破壊におけるタウンゼント放電を説明できる.
5 【A4-E1】 気体放電の種類について説明できる.
6 【A4-E1】 液体の絶縁破壊現象を説明できる.
7 【A4-E1】 固体の絶縁破壊現象を説明できる.
8 【A4-E1】 複合系の絶縁破壊を説明できる.
9 【A4-E1】 気体の放電現象を産業応用した例としてどのようなものがあるかを説明できる.
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1 気体の状態方程式を利用し,圧力,温度,密度,速度などを計算できるかを後期中間試験で評価する.
2 気体中における荷電粒子(正イオン,電子)の運動として,平均自由行程や衝突頻度などを計算できるかを後期中間試験で評価する.
3 気体中における励起,電離,再結合,付着,移動度を説明できるかを後期中間試験で評価する.
4 気体の絶縁破壊を説明するα作用およびγ作用を数式を用いて説明できるかを後期中間試験で評価する.
5 気体放電の種類として,ストリーマ,グロー,アーク放電等について説明できるかを後期定期試験で評価する.
6 液体の絶縁破壊現象における気泡および不純物の影響とその対策について説明できるかを後期定期試験で評価する.
7 固体の絶縁破壊現象における破壊過程について説明できるかを後期定期試験で評価する.
8 複数の誘電体が存在する複合誘電体における絶縁破壊として,沿面放電および劣化現象が説明できるかを後期定期試験で評価する.
9 気体の放電現象を産業応用した例としてどのようなものがあるかを説明できるかをレポートで評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.総合評価を100点満点として,60点以上を合格とする.
テキスト 「電気・電子工学基礎シリーズ5 高電圧工学」:安藤晃,犬竹正明(朝倉書店)
参考書 「放電プラズマ工学」:行村健(オーム社)
「放電プラズマ工学」:八坂保能(森北出版)
「気体エレクトロニクス」:金田輝男(コロナ社)
「気体放電論」:原雅則,酒井洋輔(朝倉書店)
「EE Text 高電圧パルスパワー工学」:秋山秀典(オーム社)
関連科目 E3:電気磁気学I,E3:電子工学
履修上の
注意事項
試験時は教科書,ノート,プリントの持ち込みは禁止である.なお,欠席および遅刻の場合は,該当する授業に関する教科書の内容を手書きしたものを1週間以内に提出すること.

【授業計画( 放電現象 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 気体の性質と荷電粒子の基礎課程1
気体の性質を把握し,気体の状態方程式,圧力,熱運動,および熱速度を表す式が説明できるようになる.
2 気体の性質と荷電粒子の基礎課程2
気体中の粒子の運動として,衝突,移動,および拡散現象を表す式が説明できるようになる.
3 気体の性質と荷電粒子の基礎課程3
気体粒子の励起および電離現象が説明できるようになる.また,電離過程として衝突,光,および熱電離を説明できるようになる.
4 気体の性質と荷電粒子の基礎課程4
気体粒子の再結合および電子付着現象が説明できるようになる.
5 気体の放電現象と絶縁破壊1
気体放電の基礎として,電子放出,非自続放電を説明できるようになる.
6 気体の放電現象と絶縁破壊2
気体放電の基礎として,タウンゼントの実験について説明できるようになる.
7 気体の放電現象と絶縁破壊3
気体放電の基礎として,火花条件とパッシェンの法則について説明できるようになる.
8 中間試験
授業計画1〜7までの範囲の試験を行う
9 試験返却,気体の放電現象と絶縁破壊4
中間試験の解答・解説を行う.ストリーマ理論およびコロナ放電の進展について説明できるようになる.
10 気体の放電現象と絶縁破壊5
気体放電の種類について説明できるようになる.
11 気体中の放電現象と絶縁破壊
気体中での絶縁として,高真空での火花電圧,気中絶縁等について説明する.
12 液体中の放電現象と絶縁破壊
試験の解答を行う.液体中での導電と絶縁について説明できるようになる.
13 固体中の放電現象と絶縁破壊
固体中での導電と絶縁について説明できるようになる.
14 沿面放電とその対策
沿面放電の発生機構およびその対策を説明できるようになる.
15 パルス放電と雷現象
雷インパルスと開閉インパルスについて説明でき,インパルス電圧による過渡現象について説明できるようになる.雷雲の発生機構および雷放電現象について説明できるようになる.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の事前・事後の自己学習が必要である. 後期中間試験および後期定期試験を実施する.授業の進行によっては試験範囲が前後することがある.