【 2021 年度 授業概要】
科   目 電子工学実験実習 ( Laboratory Work in Electronic Engineering )
担当教員 笠井 正三郎 教授, 小矢 美晴 教授, 藤本 健司 教授, 尾山 匡浩 准教授, 佐伯 崇 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・3年・通年・必修・4単位【実験実習】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-D1(40%), B1(20%), C4(20%), D1(20%)
授業の概要
と方針
電子工学に関する基礎事項および現象を座学と関連させて実験実習し,座学の理解を深めるとともに,創造性教育の基礎となる製作実習にも力を入れる.また,報告書の書き方,期限内での報告書の提出を身につける.1クラスを4班に分け,班単位で実験実習を行う.4班並列に異なる実験実習を行うため,各班で実施する実験実習テーマの週は異なるが,1年間で行う実験実習のテーマは同じである.



1 【C4】 グループで協調して実験実習に挑み,期限内に実験報告書を提出できる.
2 【B1】 実験結果を適切に表す図・表が書ける.
3 【D1】 機器の取り扱いに注意し,安全に実験に取り組むことができる.
4 【A4-D1】 8ビットCPUの簡単なアセンブリ言語プログラムが書け,ハンドアセンブルできる.
5 【A4-D1】 トランジスタを使用した代表的な増幅回路の特性について理解できる.
6 【A4-D1】 シーケンス制御を通じて,電子回路の基礎および各部品について理解できる.
7 【A4-D1】 カウンタ回路の製作を通じて,電子回路の基礎および各部品について理解できる.
8 【A4-D1】 PICを用いた簡単な装置を作製できる.
9 【A4-D1】 オペアンプを用いた基本回路の特性を測定でき,その意味を理解できる.
10 【A4-D1】 プログラムを用いたロボットの制御方法について理解できる.












1 各テーマ毎の実験への取り組み・達成度・報告書の提出状況で評価する.
2 各テーマごとの報告書の内容で評価する.
3 安全に実験が行われているか,各テーマへの実験の取組みで評価する.
4 「マイクロコンピュータの基礎実験」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.
5 「トランジスタ増幅回路の実験」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.
6 「シーケンス制御」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.
7 「カウンタ回路の製作」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.
8 「PIC(ワンチップ・マイコン)の実験」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.
9 「演算増幅器(オペアンプ)の実験」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.
10 「LEGOの実験」への取組み・達成度および報告書の内容で評価する.




成績は,実験実習への取り組みと達成度50点および報告書(レポート)の内容と提出状況50点で総合的に評価する.1通でも未提出レポートがあるとき,原則として年間総合評価は不可となる.詳細は第1週目のガイダンスで説明する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「電子工学科・第3学年実験実習シラバス(計画書)」:プリント
「電子工学科・第3学年実験実習指導書」:プリント
「電子工学科・安全の手引き」:プリント
参考書 「知的な科学・技術文章の書き方」:中島利勝・塚本真也共著(コロナ社)
関連科目 電子工学実験実習(1年・2年),その他実験テーマの関連科目
履修上の
注意事項
実験実習計画書に記載の実験前の準備を行って実験に臨むこと.

【授業計画( 電子工学実験実習 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンスおよび実験テーマの概要説明
電子工学実験実習シラバス(実験実習計画書)を配付し,全般的な説明(評価方法,レポートの作成・提出・提出先,欠席の扱い,班構成,実施日など)を行った後,各テーマ毎に内容の説明を行う.また,「電子工学科・安全の手引き」をもとに安全教育を行う.
2 マイクロコンピュータの基礎実験(1) 転送命令を使ったプログラミング
8080A CPUについて学習した後,実験で使用するキットであるZK-80の操作を理解する.次に転送命令について学習し,これらを用いた簡単なプログラムを作成する.(演習問題1)
3 マイクロコンピュータの基礎実験(2) 加減算・比較分岐命令を使ったプログラミング
加減算・比較分岐命令について学習し,これらを用いた簡単なプログラムを作成する.(練習問題2,3)
4 マイクロコンピュータの基礎実験(3) サブルーチン
サブルーチン,その他の命令について学習し,これらを用いた簡単なプログラムを作成する.(練習問題4,総合問題)
5 トランジスタ増幅回路の実験(1) エミッタ接地増幅回路の実験(シミュレータ)
簡単なエミッタ接地増幅回路を実際に設計し,シミュレータを用いて直線性,周波数特性を測定することでシミュレータの使用方法,及び,エミッタ接地増幅回路を理解する.
6 トランジスタ増幅回路の実験(2) 負帰還増幅回路の測定(シミュレータ)
小信号増幅器として,直列結合2段増幅器をシミュレータで作成し,直進性,周波数特性,帰還率,そして,増幅率を測定し,負帰還の重要性と小信号増幅回路を理解する.
7 トランジスタ増幅回路の実験(3)負帰還増幅回路の測定
2週目にシミュレータで作成した負帰還増幅回路を実際に回路として実装し,シミュレータと同様の計測実験を行うことで,シミュレータと実機の違いを理解する.
8 リレーによるシーケンス制御
様々な分野で必要とされているシーケンス制御の基本を理解・習得するため,スイッチ・リレー・タイマ・カウンタなどの部品を適切に組み合わせてシーケンス制御を実現する.また,自ら設計したシーケンス制御の構成や動作を展開接続図やタイムチャートを利用して説明できるようになる.
9 PLCによるシーケンス制御
PLCと呼ばれるシーケンス制御用のコントローラを用いたシーケンス制御回路の設計手法を学び,PLCによるシーケンス制御の実現方法を実際に簡単なシステムを構築することにより理解する.
10 PLCを用いたシーケンス制御の応用
前2週目で理解した内容をふまえて,リレーとPLCを両方用いた複合的なシーケンス制御システムを構築することにより,シーケンス制御の実現方法についてさらに理解を深める.
11 カウンタ回路の製作(1) 配線パターンの製作
カウンタ回路のプリント基板作成に必要な配線パターンを,PCを用いて作成する方法を習得する.
12 カウンタ回路の製作(2) プリント基板の製作
プリント基板の作成方法を習得する.
13 カウンタ回路の製作(3) カウンタ回路の組立て
プリント基板に部品をはんだ付けし,カウンタ回路を完成させる.カウンタ回路の動作を確認すると同時に,その動作原理を習得する.
14 実験とレポートの講評および実験報告書(レポート)の指導
実験とレポートの講評をHR教室で行なった後,各班毎実験室に移動し,提出されたレポートについて,各実験担当者が個別に指導する.
15 工場見学,ビデオ鑑賞
適宜,工場見学,ビデオ鑑賞を実施する.
16 実験テーマの概要説明
後期の最初の授業時間に,各実験テーマについて,各担当者がHR教室で実験テーマの概要を説明する.
17 演算増幅器(オペアンプ)の実験(1) 帰還増幅回路(反転増幅回路,非反転増幅回路)
オペアンプの基本回路である反転増幅回路,非反転増幅回路の入出力特性を測定し,オペアンプの基本的な働きを理解する.
18 演算増幅器(オペアンプ) の実験(2) 応用回路
オペアンプを用いた応用回路の入出力特性を測定し,その働きを理解する.
19 演算増幅器(オペアンプ) の実験(3) 周波数特性とスルーレート
オペアンプの周波数特性,スルーレートを測定し,周波数,振幅による入出力特性の変化を理解する.
20 PIC(ワンチップ・マイコン)の実験(1)プログラム開発
PIC(ワンチップ・マイコン)のプログラム開発および実装方法について実習を行い,マイコン組み込み機器の開発方法並びにワンチップ・マイコンの機能について学習する.
21 PIC(ワンチップ・マイコン)の実験(2)回路の製作
ワンチップ・マイコン(PIC16F84)を用いたテスト回路をブレッドボード上に製作し,ワンチップ・マイコンの実装技術および機能を学習する.与えられたsampleプログラムを変更し,テスト回路の動作が変化することを確かめる.
22 PIC(ワンチップ・マイコン)の実験(3)簡易信号発生器の製作
PIC16F84にラダー抵抗を用いたDA変換器を接続して簡易信号発生器を製作することにより,ワンチップ・マイコンの機能およびDA変換器について学習する.
23 創造実験(1)「プログラミングによる創造製作(1)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
24 創造実験(2)「プログラミングによる創造製作(2)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
25 創造実験(3)「プログラミングによる創造製作(3)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
26 創造実験(4)「プログラミングによる創造製作(4)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
27 創造実験(5)「プログラミングによる創造製作(5)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
28 創造実験(6)「課題トライアル」
1〜5週で設計・製作したロボット(LEGO)を動かし,与えられた課題に対するトライアルを行う.
29 実験とレポートの講評および実験報告書(レポート)の指導
実験とレポートの講評をHR教室で行なった後,各班毎実験室に移動し,提出されたレポートについて,各実験担当者が個別に指導する.
30 工場見学,ビデオ学習
適宜,工場見学,ビデオ学習を実施する.


中間試験および定期試験は実施しない.授業計画に記載の実験テーマは4班の中の1班に対しての計画であり,他の班は前期と後期毎に3週単位で異なったテーマを実施し,前期と後期毎に全員同じ実験実習を行う.