【 2021 年度 授業概要】
科   目 電気数学 ( Electrical Mathematics )
担当教員 徳田 将敏 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・3年・通年・必修・2単位【講義】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A1(100%)
授業の概要
と方針
理工学系の基礎として線形代数の概要とラプラス変換の基礎を学ぶ.4年で習う応用数学他専門科目のベースともなるため,演習をできる限り豊富に取り入れる.



1 【A1】 行列を用いた連立一次方程式の解法について理解できる.
2 【A1】 ベクトルの1次独立と行列のランクの関係を理解できる.
3 【A1】 行列式の基本的な概念と行列式に関する諸計算について理解できる.
4 【A1】 ベクトル空間と線形写像の基本的な概念と諸計算について理解できる.
5 【A1】 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念と諸計算について理解できる.
6 【A1】 基本的なラプラス変換を定義式から求めることができる.
7 【A1】 ラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる.
8 【A1】 ラプラス変換を用いて常微分方程式を解くことができる.
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1 行列を用いた連立一次方程式の解法について理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
2 ベクトルの1次独立と行列のランクの関係を理解できているか,前期中間試験および課題レポートで評価する.
3 行列式の基本的な概念と行列式に関する諸計算について理解できているか,前期中間試験および課題レポートで評価する.
4 ベクトル空間と線形写像の基本的な概念と諸計算について理解できているか,前期定期試験およびレポートで評価する.
5 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念と諸計算について理解できているか,後期中間試験およびレポートで評価する.
6 基本的なラプラス変換を定義式から求めることができているか,後期中間・定期試験およびレポートで評価する.
7 ラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができているか,後期中間・定期試験およびレポートで評価する.
8 ラプラス変換を用いて常微分方程式を解くことができているか,後期定期試験およびレポートで評価する.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.試験成績は前期中間試験と定期試験および後期中間試験と定期試験の4回の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「リメディアル線形代数」:桑村雅隆著(裳華房)  
「応用数学」:上野健爾(監修),高専の数学教材研究会(編) 高専テキストシリーズ (森北出版)
「応用数学問題集」:上野健爾(監修),高専の数学教材研究会(編) 高専テキストシリーズ (森北出版)
参考書 「新編 高専の数学2 問題集(第2版)」:田代嘉宏編(森北出版)
「入門線形代数」: 三宅 敏恒 著 (培風館)
「新編 高専の数学2(第2版)」: 田代嘉宏 編(森北出版)
「新編 高専の数学3(第2版)」: 田代嘉宏 編(森北出版)
関連科目 D2「数学II」,D4「応用数学I」,D4「電気回路III」,D4「制御工学I」,D5「制御工学II」
履修上の
注意事項
内容が多岐にわたっており,進捗ペースも速いと思われるので,予習・復習を行い,そのつど授業内容を理解するように努めること.

【授業計画( 電気数学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ベクトル・行列・1次変換の復習と固有値や固有ベクトル
ベクトルや行列や1次変換について復習を行い,2次正方行列における固有値や固有ベクトルの性質を説明し,演習する.
2 ベクトルの1次独立性
線形代数の理論の出発点となるベクトルの1次独立性について説明し,演習する.
3 連立1次方程式と掃き出し法
連立1次方程式の掃き出し法による解法を説明し,演習する.
4 行列の基本変形とランク
行列の基本変形の方法を説明する.またランク(階数)の定義と求め方を説明し,演習する.
5 連立1次方程式の解の構造
行列のランクと連立1次方程式の解の種類の関係について説明し,演習する.
6 行列式の定義と性質
行列式の定義と性質について説明し,演習する.
7 行列式の計算
行列式の計算方法を説明し,演習する.簡単な応用についても説明する.
8 中間試験
第1回から7回までの内容について試験する.
9 中間試験の解説等
中間試験の解答および解説を行う.また,余因子展開の説明をする.
10 行列式の余因子展開とクラメルの公式
余因子行列と連立方程式のクラメルの公式による求め方を説明し,演習する.
11 行列式の余因子展開とクラメルの公式を用いた演習
余因子行列と連立方程式のクラメルの公式による演習を行う.
12 ベクトル空間の基底と次元
一般的なベクトル空間におけるベクトルの1次独立性を説明し,ベクトル空間の基底と次元について説明し,演習する.
13 線形写像
ベクトル空間における線形写像の概念を説明し,行列による表示の方法を説明し,演習する.
14 内積と計量ベクトル空間
基底は1次独立であれば自由に選べるが,各基底が直交していると便利である.ベクトルの内積を用いることで,任意の基底から正規直交基底を生成する手法を学ぶ.
15 演習
連立方程式,基底変換などについて具体的な問題を解き,理解を深める.
16 固有値と固有ベクトル
n次正方行列に対する固有値,固有ベクトルの求め方を説明し,演習する.
17 対称行列の対角化とその応用
固有値,固有ベクトルを利用して,行列を対角化する方法を説明し,演習する.また,対称行列での固有値と固有ベクトルの性質を説明し,応用として2次曲線の標準化について説明し,演習する.
18 ラプラス変換の定義
ラプラス変換について定義式と簡単な変換例を示し,演習する.
19 基本的な関数のラプラス変換
基本的な関数についてのラプラス変換の例を示し,演習する.
20 ラプラス変換の基本的性質
ラプラス変換の基本的性質(線形性,相似性,移動法則)について説明し,演習する.ラプラス変換における微分積分法則について説明し,演習する.
21 部分分数分解法
部分分数に分解することによって,逆ラプラス変換を求める手順を説明し,演習する.
22 演習
いろいろな関数についてのラプラス変換の例を示し,演習する.
23 中間試験
16〜22回までの内容について試験する.
24 中間試験の解答・解説等
中間試験の答案を返却し解答および解説を行う.「逆ラプラス変換」の概念を説明する.
25 逆ラプラス変換の定義
逆ラプラス変換の考え方とその基本的な性質について説明し,演習する.
26 たたみこみのラプラス変換
たたみこみの定義と,そのラプラス変換の考え方と結果について説明する.
27 逆ラプラス変換,部分分数展開,たたみこみの演習
逆ラプラス変換,部分分数展開,たたみこみ等の演習を行う.
28 常微分方程式への応用
ラプラス変換を用いると,定数係数線形の常微分方程式が容易に解けることを示し,演習する.
29 ラプラス変換の工学への応用
電気回路や物理現象などの解析にラプラス変換を用いた解法を示し,演習する.
30 演習
基本的な工学問題についてのラプラス変換の例を示し,演習する.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.