【 2021 年度 授業概要】
科   目 電子工学実験実習 ( Laboratory Work in Electronic Engineering )
担当教員 戸崎 哲也 教授, 尾山 匡浩 准教授
対象学年等 電子工学科・1年・通年・必修・2単位【実験実習】 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A3(10%), A4-D1(30%), B1(20%), C4(20%), D1(20%)
授業の概要
と方針
前期:電子工学実験に関するリテラシー教育に主眼を置く.電子工学で必要となる基本的な測定機器についてその取り扱い方を中心に講義を行い,実際に使用して理解を深める.後期:電子工学の基礎となる実験と情報基礎の延長となるテーマについて実験実習を行う.実験報告書の書き方についてもその意義を説明し,図,表などの書き方を身につける.さらには,提出期限を守ることの大切さを理解する.



1 【A4-D1】 テスタ,マルチメータ,ファンクションジェネレータおよびオシロスコープの使い方が理解できる.
2 【A4-D1】 テスタ回路の原理を理解し,分圧器,分流器の設計ができる.
3 【D1】 機器の取り扱いに注意し,安全に実験に取り組むことができる.
4 【B1】 様式が整った実験報告書(レポート)が作成できる.
5 【C4】 グループで協調して実験実習に挑み,期限内に実験報告書(レポート)を提出できる.
6 【A4-D1】 オシロスコープの使い方を理解する.
7 【A3】 ワープロソフト・表計算ソフト・グラフ描画ソフト・文書整形ソフトの使い方がわかる.
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1 電子工学実験で多く使用する重要な機器の取り扱い方を理解できているか前期中間試験で評価する.
2 各自が制作したテスタを用いて測定実験を行い,その課題で評価する.
3 安全を意識した機器の取り扱いができるかを前期中間試験,実験実習の取り組みと達成度で評価する.
4 実験実習のレポートで評価する.
5 実験実習の取り組みと達成度,および実験実習のレポート提出状態により評価する.
6 実験実習の取り組みと達成度,およびレポートの内容により評価する.
7 実験実習の取り組みと達成度,およびレポートの内容により評価する.
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成績は,試験10% レポート35% 取り組みおよび達成度45% 測定実験課題10% として評価する.試験は前期中間試験,測定実験課題は測定実験を通しての夏休みの課題で評価する.レポートは実験に関する報告書,取り組みおよび達成度は実験の遂行状況,課題の完成度等で評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「絵ときでわかる電気電子計測」:熊谷文宏著 (オーム社)
「知的な科学・技術文章の書き方」:中島利勝,塚本真也共著 (コロナ社)
「情報基礎」:神戸高専編
参考書 「神戸高専安全マニュアル」:神戸高専編
「電子工学入門」:大豆生田利章著(電気書院)(電子工学序論の教科書)
「sanwa KIT-8D 組立・取扱説明書」:三和電気計器株式会社
「改訂新版 テスタとディジタル・マルチメータの使い方」:金沢敏保・藤原章雄共著(CQ出版社)
「知っておきたい 計測器の基本」:坂巻佳壽美・大内繁男共著(オーム社)
関連科目 電子工学序論,情報基礎
履修上の
注意事項
実験実習では,いろいろな測定器,工具を使用するので,必要に応じて「神戸高専安全マニュアル」を見ること. 実験実習では,電子工学序論で習ったことを実際に実験で確認したり,情報基礎で習ったこととも関連しているので,両科目との関連性も意識すること.理解度に応じて長期休暇中の学力強化期間を利用して補習を行うこともある.

【授業計画( 電子工学実験実習 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス
担当者の紹介を行い,この教科の役割について説明する.また,機器の取り扱い,実際の作業などで気をつけないといけないことについて,「神戸高専安全マニュアル」を用いて説明する.また,前期は実験実習に関するリテラシー教育に主眼を置くため,その動機付けを行う.
2 抵抗測定に関する講義
マルチメータで抵抗を測定するために必要な知識を講義する.使用するテスタ,マルチメータ,抵抗のカラーコード,ブレッドボードに関する説明を行い,次週に実施する実験に備える.さらにはオームの法則を再認識し,簡単な演習を行う.
3 ディジタルマルチメータによる抵抗測定
直流電圧をデジタルマルチメータで測定する.加えて様々な種類の抵抗も測定する.
4 波形観測に関する講義
非常に重要な波形観測機器であるオシロスコープや様々な波形を生成できるファンクションジェネレータに関する講義を行い,次週に実施する実験に備える.また,ダイオードについても触れる.
5 波形観測実験1
ファンクションジェネレータで生成した様々な波形をオシロスコープで観測し,その波形をスケッチする.
6 波形観測実験2
ダイオードを用いた半波整流回路をブレッドボード上で実現し,オシロスコープにより電圧の入出力波形を観測する.
7 有効数字,誤差,電卓の使用方法に関する講義
抵抗の許容差(±5%,±1%)に関すること,測定結果の有意な表現方法である有効数字に関する講義を行い,簡単な演習を行う.また電卓の使用法に関しても触れる.
8 テスタ製作に関する準備
製作に関しての安全教育やはんだ付け講習を行い,中間試験後に行うテスタ製作の準備を行う.
9 中間試験
デジタルマルチメータ,オシロスコープ等の実験機器,抵抗に関すること,有効数字等に関する理解度を中間試験で問う.
10 中間試験の解答とテスタ製作に関する説明
中間試験の解答および解説を行う.また,製作するテスタに関してその原理の説明と測定の仕方,製作に関する注意を行う.
11 テスタ回路製作1
テスタ組み立てキットの製作手順に沿って製作を進める.
12 テスタ回路製作2
テスタ組み立てキットを完成させ,テスタが正しく製作されたか確認を行う.
13 測定実験1
製作したテスタ回路を用いて何種類かの抵抗を測定する.また,測定値にばらつきがあることを理解する.同じ測定をディジタルマルチメータを用いて行い,機器の特性を知る.
14 測定実験2
ブレッドボード上で簡単な回路を作成し,製作したテスタを用いて電流,電圧を測定する.
15 前期実験の総括と夏休み課題の説明
前期実験の総括を行う.また,13週および14週で行った測定実験のデータに基づく統計計算,図・グラフの作成について説明を行い,夏休みの課題を提示する.
16 後期実験実習の説明,実験レポートの書き方について
後期実験実習の予定を説明する.後期は本格的にテーマに沿った実験実習を行って報告書をまとめることを開始する.そのため,実験報告書の役割,書き方について講義する.
17 課題実験
実験レポートを書くために,交流回路を題材とした課題実験を行い,指定された形式で実験報告書にまとめる.実験時間では報告書を書く時間がないので,自宅で報告書を作成し,指定期日までに提出する.
18 実験レポートの評価
提出された実験レポートを評価し,修正点・改善点等を指摘する.今後実験レポートをまとめる際の動機づけを行う.
19 ワープロ
文書作成を通してワープロソフトの基本操作を身につける.
20 表計算
表計算の基本操作を身につけて表やグラフを作成する.また,実際に測定データを入力して計算を行ったりグラフ表示する方法を身につける.
21 グラフ描画ソフト
関数やデータから各種波形を表示させる方法について学習する.
22 工場見学
近隣にある電子工学科に関係する企業の工場見学を行い,見聞を広める.
23 交流回路の測定1
交流回路の測定に関する実験を行う.抵抗とコンデンサを直列または並列に接続した回路をブレッドボード上で実現し,電圧の入出力特性をオシロスコープで計測する.また計測結果からインピーダンスを計算を行う.
24 交流回路の測定2
交流回路の測定に関する実験を行う.抵抗とインダクタを直列または並列に接続した回路をブレッドボード上で実現し,電圧の入出力特性をオシロスコープで計測する.また,計測結果からインピーダンスの計算を行う.
25 テスタの動作確認と誤差の測定3
交流回路の測定に関する実験を行う.抵抗,コンデンサ,インダクタを直列または並列に接続した回路をブレッドボード上で実現し,電圧の入出力特性をオシロスコープで計測する.また,計測結果からインピーダンスの計算を行う.
26 情報関連実習1
情報に関連する実習を行う(テーマ1).
27 情報関連実習2
情報に関連する実習を行う(テーマ2).
28 情報関連実習3
情報に関連する実習を行う(テーマ3).
29 実験実習レポートの講評
実験担当者からそれぞれ実験レポートに関する講評を行う.
30 実験実習のまとめ
後期実験実習のまとめを行う.


前期中間試験を実施する.19〜25週目の実験は,20名ずつ2班に分けて,それぞれ情報関係と電気関係の実験を交代で実施する.