【 2020 年度 授業概要】
科   目 環境水工学U ( Environmental Hydraulic Engineering II )
担当教員 柿木 哲哉 教授
対象学年等 都市工学科・4年・前期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
A4-S2(50%), A4-S4(50%)
JABEE
基準1(1)
(d),(g)
授業の概要
と方針
本講義で取り扱う海岸は,水産物の調達の場,交通や交易の場,生活空間の場として利用され,開発されてきた.その一方で,暴浪,高潮,津波といった災害,および種々の環境問題に人々は悩まされ続けている.本講義はこうした諸問題を理解し,問題解決できる素地を養うため,沿岸・海岸で生じる海の波や流れの発生機構やその制御法,ならびに沿岸域の水環境問題について学習する.



1 【A4-S2】 海岸工学の基本的な事項について説明できる.
2 【A4-S2】 微小振幅波理論と規則波の性質と変形について説明や計算ができる.
3 【A4-S4】 長周期の波の水位変動,海の波の統計的性質,沿岸海浜過程について説明や計算ができる.
4 【A4-S4】 海岸構造物に作用する波,海岸侵食とその対策について説明や計算ができる.
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1 海岸工学の基本的な事項について説明できるか課題と中間試験で評価する.
2 微小振幅波理論と規則波の性質と変形について説明や計算ができるか課題と中間試験で評価する.
3 長周期の波の水位変動,海の波の統計的性質,沿岸海浜過程について説明や計算ができるか課題と定期試験で評価する.
4 海岸構造物に作用する波,海岸侵食とその対策について説明や計算ができるか課題と定期試験で評価する.
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成績は,試験70% 課題30% として評価する.試験成績は中間試験を30%,定期試験を70%とする.総合評価は100点満点で60点以上を合格とする.提出期限が守られなかった課題は評価しない.
テキスト 「海岸工学」:服部昌太郎(コロナ社)
参考書 「海岸工学」:平山ら(コロナ社)
関連科目 水理学,応用数学IおよびII,環境水工学I
履修上の
注意事項
第4学年に相応しい態度で授業に臨むこと.これが守られない場合,他の学生への悪影響を防ぐため,退出を命じることがある.いい加減な内容や字の汚い課題など,不十分な課題は低評価とする.授業の進度や試験範囲は理解度に応じて調整することがある.

【授業計画( 環境水工学U )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論1
日本の海岸,海岸工学の歴史,海岸工学が対象とする事柄,海岸と海岸地形など,海岸工学の基本を学習する.
2 序論2
海浜,海の波,沿岸域での波と流れによる諸現象など,海岸工学の基本を学習する.
3 微小振幅波理論と規則波の一般的性質1
波の諸元と代表指標,波の分類,微小振幅波理論を学習する.
4 微小振幅波理論と規則波の一般的性質2
波長と波速,進行波の水面形,水粒子の運動速度と軌跡,水中圧力を学習する.
5 微小振幅波理論と規則波の一般的性質3
波のエネルギーとその伝達率,重複波の諸性質を学習する.
6 浅水域での規則波の変形1
浅水変形,波の屈折,波の回折を学習する.
7 浅水域での規則波の変形2
波の反射と透過,砕波,波の減衰を学習する.
8 中間試験の解説,長周期の波と水位変動1
中間試験の解答・解説を行う.潮汐,高潮を学習する.
9 長周期の波と水位変動2
津波,副振動,湾水振動を学習する.
10 海の波の統計的性質と波浪推算
波別解析法による不規則波の表示,エネルギースペクトル法による不規則波の表示,方向スペクトル,風波の発生と発達,風波の推算法,うねりの推定,不規則波の変形を学習する.
11 沿岸海浜過程
海浜形状,海浜底質,波による底質移動,漂砂量の算定,海浜流と発生のメカニズムを学習する.
12 波と構造物
波力,重複波の波力式,砕波圧の算定式,砕波後の波による波力,連続形の波圧式,捨石構造物の波力,小口径部材に作用する波力,波の打ち上げ,越波,構造物での波の反射と伝達を学習する.
13 中間試験
中間試験を実施する.
14 海岸浸食とその対策
海浜変形の原因,侵食対策の計画と工法,海岸堤防と護岸,突堤,離岸堤,養浜工を学習する.
15 前期定期試験の解答・解説
前期定期試験の解答・解説を行い,これまでの学習の到達度を振り返る.


前期中間試験および前期定期試験を実施する.