2020 年度電気電子工学シラバス

【 2020 年度授業概要】
科　　　目			電気電子工学 ( Electrical and Electronics Engineering )
担当教員			[前期] 瀬戸浦健仁講師, [後期] 石崎繁利教授
対象学年等			機械工学科・3年B組・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A2(30%), A4-M3(50%), D1(20%)
授業の概要と方針			前期の電気工学では，交流回路の基礎について解説する．後期の電子工学では，基礎的な電子に関する物理現象から各種電子デバイスの動作原理や特徴について解説する．授業前半は真空中における電子の運動と原子内における電子の運動について理解させる．半導体材料について学習したあと，ダイオード，バイポーラトランジスタ，電界効果トランジスタ，レーザ，液晶，光電変換固体素子についてその構造や動作原理などを理解させる．
到達目標		1	【A4-M3】交流回路の性質と計算方法を理解できる．
		2	【A2】真空および原子内での電子の運動を理解できる．
		3	【A4-M3】真性半導体，n形半導体，p形半導体を理解できる．
		4	【D1】エレクトロニクス技術の進歩と人間生活・地球環境の関係を理解できる．
		5	【A2】 pn接合ダイオードの構造と動作原理を理解できる．
		6	【A4-M3】バイポーラトランジスタおよび電界効果トランジスタの構造と動作原理を理解できる．
		7	【A4-M3】レーザの発振原理を理解できる．
		8	【A4-M3】ねじれネマティック型液晶の動作原理を理解できる．
		9	【A2】太陽電池の構造と動作原理を理解できる．
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評価方法と基準	到達目標毎	1	交流回路の性質と計算方法が理解できているかを，前期定期試験およびレポートによって評価する．
		2	真空および原子内での電子の運動が理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		3	真性半導体，n形半導体，p形半導体を理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		4	電子回路の進歩と人間生活・地球環境の関係についてレポートを提出させ，理解度を試験で評価する．
		5	pn接合ダイオードの構造と動作原理を理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		6	バイポーラトランジスタおよび電界効果トランジスタの構造と動作原理が理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		7	レーザの発振原理が理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		8	ねじれネマティック型液晶の動作原理が理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		9	太陽電池の構造と動作原理が理解できているか中間試験または定期試験で評価する．
		10
	総合評価		前期の成績は，試験80%，レポート20%として評価する．後期の成績は，試験80%，レポート20%として評価する．前期の電気工学の成績と後期の電子工学の成績を平均して，総合成績とする．総合成績は，100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			書き込み式の授業プリント「電子工学基礎」：中澤達夫（コロナ社）
参考書			「電気理論II」：松元　崇（学献社）「電子工学概論」：相川孝作（コロナ社）「レーザ入門」：清水忠雄監訳（森北出版）「液晶とディスプレイ応用の基礎」：吉野勝美（コロナ社）「太陽エネルギー工学」：浜川圭弘（培風館）
関連科目			数学1，数学2，物理，応用物理
履修上の注意事項

【授業計画（電気電子工学）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	交流回路とは
1	交流回路とは何か，および交流回路の実効値・平均値を説明する．
2	交流回路の性質（1）
2	コイルの誘導リアクタンスを説明する．
3	交流回路の性質（2）
3	交流回路におけるコンデンサの変位電流について説明する（その1）．
4	交流回路の性質（3）
4	交流回路におけるコンデンサの変位電流について説明する（その2）．
5	交流回路の素子（1）
5	交流回路における，抵抗・コイル・コンデンサの作用を説明する．
6	交流回路の素子（2）
6	誘導リアクタンス，容器リアクタンス，インピーダンスを説明する．
7	交流回路の電力
7	交流電力について説明する．
8	ここまでのまとめ
8	第1回から第7回の内容について，まとめを行う．
9	交流回路の複素表示（1）
9	交流回路を複素数で記述する方法を説明する（その1）．
10	交流回路の複素表示（2）
10	交流回路を複素数で記述する方法を説明する（その2）．
11	具体的な交流回路（1）
11	RL直列回路，RC直列回路を説明する．
12	具体的な交流回路（2）
12	RL並列回路，RC並列回路を説明する．
13	具体的な交流回路（3）
13	RLC直列回路を説明する．
14	具体的な交流回路（4）
14	RLC並列回路を説明する．
15	前期定期試験の解説
15	前期定期試験の解答および補足説明を行う．前期の内容について総まとめを行う．
16	真空中の電子（1）
16	電子の運動およびミリカンの実験について解説する．
17	真空中の電子（2）
17	物質内からの電子の放出について冷陰極放出，熱電子放出，光電子放出（光電効果）を解説する．また，電極間の電位差による電子の速度や電子質量の補正についても解説する．
18	原子内の電子
18	水素原子のスペクトルおよび量子条件と振動数条件を用いてボーアの理論を解説する．
19	半導体材料について
19	真性半導体と不純物半導体について解説する．
20	ダイオード（1）pn接合，電圧電流特性と整流回路
20	pn接合ダイオードの構造と動作原理，さらに電圧電流特性と整流回路について解説する．
21	ダイオード（2）各種ダイオード（定電圧ダイオード，可変容量ダイオード，LED）
21	pn接合ダイオード以外の定電圧ダイオード，可変容量ダイオード，LEDなどについて解説する．
22	後期中間試験
22	第16回から第21回の内容について，中間試験を行う．
23	後期中間試験回答，バイポーラトランジスタ（1）
23	後期中間試験結果について説明し，採点ミスがないかを確認する．その後，バイポーラトランジスタの構造と動作原理，さらに接地方法について解説する．
24	バイポーラトランジスタ（2）
24	バイポーラトランジスタの静特性および信号増幅について説明したあと，スイッチング特性について解説する．
25	電界効果トランジスタ（1）JFETの構造と動作原理
25	バイポーラトランジスタと電界効果トランジスタの違いについて説明したあと，接合形電界効果トランジスタの構造および動作原理について解説する．
26	電界効果トランジスタ（2）MOSFETの構造と動作原理
26	MOS形電界効果トランジスタの構造と動作原理および特性について解説する．
27	レーザ（1）レーザ発振条件，反転分布，光共振器，コヒーレント光
27	レーザの発振条件，反転分布，光共振器，コヒーレント光について解説する．
28	液晶について
28	液晶の種類および異方性，フレデリクス転移について説明したあと，ねじれネマティック型液晶表示の構造と動作原理を解説する．
29	太陽電池の構造，電圧電流特性について
29	太陽電池の構造と原理について説明したあと，電圧電流特性について詳しく解説する．
30	後期定期試験回答，まとめ
30	後期定期試験結果について説明し，採点ミスがないかを確認する．その後，主に中間試験後，授業で説明した内容について復習を行う．
備考	前期定期試験，後期中間試験および後期定期試験を実施する．状況に応じて再試験を実施する場合がある．