【 2020 年度 授業概要】
科   目 電気機器T ( Electrical Machinery I )
担当教員 加藤 真嗣 准教授
対象学年等 電気工学科・4年・前期・必修・1単位 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-E4(100%)
授業の概要
と方針
電気機器では,電磁気現象を利用して,電気エネルギーと機械エネルギーの変換を行なっている.そのために,電気磁気学の知識が必要不可欠であり,まず始めに電気磁気学を復習する.そして磁気回路の性質について説明する.これらの習得した知識を基にして,電気機器のうちの静止器であり電圧を昇降させることができる変圧器について説明し,動作原理や特性などを理解する.



1 【A4-E4】 電気機器の動作原理を説明するために必要な電気,磁気および回転機械系の計算問題を解ける.
2 【A4-E4】 変圧器の動作原理を理解し説明できる.また,等価回路による特性計算やベクトル図が作図できる.
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1 フレミングの左手および右手の法則,ファラデーの電磁誘導の法則などを理解できているか,レポート・小テストおよび前期中間試験で60%以上正解を合格として評価する.
2 変圧器の動作原理,等価回路による特性計算,負荷を接続した場合のベクトル図が作図できるか,レポート・小テストおよび前期定期試験で60%以上正解を合格として評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.なお,試験成績は課題(前期中間試験の代替)と前期定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト OHM大学テキスト「電気機器学」:白井康之[編著](オーム社)
参考書 「電気機器学」:難波江彰ほか著(電気学会)
「実用電気機器学」:森安正司著(森北出版)
「電気機械工学」:天野寛徳,常広譲著(電気学会)
「エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス [第2版]」:エレクトリックマシーン&パワーエレクトロニクス編集委員会著(森北出版)
関連科目 電気磁気学I(3年),電気回路I(2年),電気回路II(3年)
履修上の
注意事項
電気機器は電気磁気学のうちの磁気分野と電気回路に特に関連が深いので,よく理解しておくこと.電気機器IIおよびIIIでは電気機器Iの知識が必要となるため,4年で学んだことを理解し修得しておくこと.

【授業計画( 電気機器T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電気機器の歴史および分類とエネルギー変換(1.1〜1.3)
電気機器の歴史,回転機と静止器の分類,電気系エネルギーと機械系エネルギーの変換について説明する.
2 電磁気に関する法則(1.4〜1.7)
フレミングの法則,ファラデーの法則,およびアンペアの周回積分について説明する.
3 電磁力の作用点と電界エネルギー・磁界エネルギー(1.8〜1.9)
電磁力の作用点と電界エネルギー・磁界エネルギーについて説明する.
4 磁気回路と磁性材料(2.1〜2.2)
磁気回路に関する法則と磁性材料の特性について説明する.
5 磁気回路におけるエネルギーと電磁力(2.3〜2.5)
磁気回路におけるエネルギー,電磁力の発生原理,および電磁エネルギー変換について説明する.
6 変圧器の構造と理想変圧器(3.1〜3.3)
変圧器の構造と理想変圧器による変圧器の原理について説明する.
7 実際の変圧器とその等価回路・フェーザ図(3.4〜3.6)
巻線抵抗や漏れ磁束を考慮した変圧器とその等価回路・フェーザ図について説明する.
8 中間試験
中間試験を実施する.
9 中間試験の解答・解説および変圧器の特性式とその定数決定法(3.7〜3.9)
中間試験の解答・解説および変圧器の特性に関する式とその定数決定法について説明する.
10 変圧器の特性(4.1)
変圧器の電圧変動率や効率について説明する.
11 変圧器の結線(4.2)
三相変圧器,三巻線変圧器,および単巻変圧器について説明する.
12 変圧器の並行運転(4.3〜4.6)
複数台の変圧器を用いて運転する並行運転について説明する.
13 回転電気機器(5.1〜5.2)
回転電気機器の構造や回転機のインダクタンスについて説明する.
14 回転磁界と同期速度(5.3〜5.5)
対称三相交流による回転磁界と同期速度について説明する.
15 定期試験の解答・解説および固定子巻線による起磁力分布(5.6)
定期試験の解答・解説,および集中巻,分布巻,全節巻,および短節巻について説明する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 15 時間の自己学習が必要である. 前期定期試験を実施する.なお,試験単体の平均点が例年と比べて著しく低い場合は,60点満点の再試験を実施する場合がある.