【 2020 年度 授業概要】
科   目 電子計測 ( Electronic Measurements )
担当教員 徳田 将敏 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・5年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-D3(100%)
授業の概要
と方針
コンピュータの情報処理技術の向上により,センサで得られた情報を利用した各種装置の自動化技術やコンピュータ制御技術がますます重要となっている.本授業では,計測制御の基礎的事項である測定値のデータ処理方法,A/D・D/A変換,ディジタル計測器,オシロスコープ,各種センサなどについて学習する.



1 【A4-D3】 測定方法,測定値の処理を理解し,説明できる.
2 【A4-D3】 直流,交流におけるアナログ,ディジタル各種測定器の原理を理解し,説明できる.
3 【A4-D3】 A/D・D/A変換を理解し,各種アナログ,ディジタル電気・電子機器の構成,動作,特徴を説明できる.
4 【A4-D3】 電気量以外の物理量等の測定において,電気・電子機器の分類,構成,動作,特徴を理解し,説明できる.
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1 各種測定方法について説明できるか,得られた測定値に対して統計処理,最小二乗法などの処理を有効数字を考慮して行うことができるか,前期課題レポートで評価する.
2 アナログ,ディジタルの各種電気・電子機器の分類,構成,動作,特徴について説明できるかをレポート及び前期定期試験で評価する.
3 A/D変換の誤差の原理について理解し,各種ディジタル計器の直流,交流における電流,電圧,電力等の電気量の測定について説明できるかをレポート及び後期中間試験で評価する.
4 電気量以外の物理量等の測定において,電気・電子計測の持つ特徴,構成等を説明できるか,レポート及び後期定期試験で評価する.
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成績は,試験60% レポート40% として評価する.試験成績は3回の試験(前期定期試験と後期中間,定期試験)の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.なお,6月末まで遠隔授業であり前期中間試験が行えなかったため,試験成績の配分が少なくなっている.
テキスト 「電気・電子計測」:阿部武雄/村山実(森北出版)
適宜,プリントなどの資料を配布する.
参考書 「電子計測と制御」:田所嘉昭(森北出版)
「計測工学」:前田良昭,木村一郎,押田至啓(コロナ社)
関連科目 D3「計測工学」, D5「電子回路II」
履修上の
注意事項
3学年の「計測工学」を理解しておくこと.授業には原則電卓を持参しておくことが望ましい.

【授業計画( 電子計測 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電子計測の基礎(1)
工学応用における電子計測の位置付けと重要性,電子計測技術の応用例を交えての電子計測の概要,および授業の進め方,評価方法について説明する.また,測定方法の分類について学習する.
2 電子計測の基礎(2)
測定方法の分類,測定誤差,有効数字,単位について学習する.測定誤差については,分類と処置方法,誤差の伝播について学ぶ.
3 電子計測の基礎(3)
測定値の処理方法(平均・標準偏差,最小二乗法,回帰直線)について学習する.
4 電子計測の基礎 (4)
誤差の伝播等について,授業内容の復習と問題演習を行う.
5 電子計測の基礎 (5)
SI単位系,組立単位および標準について学習する.
6 電気・電子計器の基礎 (1)
指示計器の分類と構成,各種指示計器について学習する.
7 電気・電子計器の基礎 (2)
指示計器の測定範囲の拡大について学習する.また,指示計器の出力について,実効値等の復習と問題演習を行う.
8 電気・電子計器の基礎 (3)
多重レンジ電流計,電圧計および容量分圧器,容量形変圧器の問題演習を行う.
9 オンライン授業時の課題の解説等
オンライン授業時の課題の解答および解説を行う.また,理解度によっては確認テストを実施する場合もある.
10 直流・低周波の測定 (1)
指示計器による電流・電圧測定,電位差計について学習する.
11 直流・低周波の測定 (2)
微小電流・電圧の測定,大電流・高電圧の測定について学習する.
12 直流・低周波の測定 (3)
電力の測定,電力量の測定,力率の測定について学習する.
13 抵抗,インピーダンスの測定 (1)
中位,低,高,特殊抵抗の測定方法について学習する.
14 抵抗,インピーダンスの測定 (2)
交流ブリッジ,LCRメータを用いたインピーダンス,L,Cの測定方法について学習する.
15 定期試験結果のフィードバックと解答解説
定期試験のフィードバックを行い,問題の解説を行う.
16 磁界・時間の測定 
磁束・磁界・周波数・時間の測定について学習する.
17 ディジタル計器 (1)
A-D変換,D-A変換の基礎(構成,誤差)について学習する.
18 ディジタル計器 (2)
A-D変換の基礎(標本化誤差,量子化誤差,サンプリング定理)について学習する.
19 ディジタル計器 (3)
各種ディジタル計器(ディジタル電圧計,ディジタルLCRメータ等)の測定について学習する.
20 波形の観測と記録 (1)
アナログオシロスコープの特徴や動作原理について学習する.
21 波形の観測と記録 (2)
ディジタルオシロスコープの特徴や動作原理について学習する.
22 波形の観測と記録 (3)
スペクトラムアナライザ,データロガの特徴や動作原理について学習する.
23 中間試験
第16〜22回までの授業内容について試験する.
24 中間試験結果のフィードバックと解答解説
中間試験のフィードバックを行い,問題の解説を行う.
25 応用計測 (1)
雑音測定(内部雑音,外部雑音,雑音指数)について学習する.
26 応用計測 (2)
電気量以外の測定の物理量,化学量の測定において,電気・電子計測の持つ特徴,構成等について学習する.
27 応用計測 (3)
変位,寸法,長さの計測について学習する.
28 応用計測 (4)
力,圧力の計測および温度−電気変換,光−電気変換について学習する.
29 ディジタル計測制御システム
遠隔測定時のアナログ信号とディジタル信号の比較を行い,計測制御システムの基本構成およびシステム化に際しての注意点について学習する.
30 定期試験結果のフィードバックと解答解説,授業の総括
定期試験のフィードバックを行い,問題の解説を行う.また,1年間の内容の総括を行う,


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期定期試験,後期中間試験および後期定期試験を実施する.