【 2020 年度 授業概要】
科   目 電子工学実験実習 ( Laboratory Work in Electronic Engineering )
担当教員 橋本 好幸 教授, 荻原 昭文 教授, 戸崎 哲也 教授, 西 敬生 教授, 木場 隼介 講師
対象学年等 電子工学科・2年・通年・必修・4単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-D1(40%), B1(20%), C4(20%), D1(20%)
授業の概要
と方針
電子工学に関する基礎事項および現象を実験実習により確認するとともに,PCおよび計測器の基本的な使い方を習得する.また,報告書の書き方,期限内での報告書の提出を身につける.1クラスを4班に分け,班単位で実験実習を行う.4班並列に異なる実験実習を行う(ただし,前期の創造実験のみ2班同時に実施する.)ため,各班で実施する実験実習テーマの週は異なるが,1年間で行う実験実習のテーマは同じである.



1 【C4】 グループで協調して実験実習に挑み,期限内に実験報告書を提出できる.
2 【B1】 様式の整った図・表が書ける.
3 【D1】 機器の取り扱いに注意し,安全に実験に取り組むことができる.
4 【A4-D1】 与えられた課題に対して,作品を設計・製作し,動作させることができる.
5 【A4-D1】 乾電池の特性,抵抗の特性,抵抗の測定方法について理解し説明できる.
6 【A4-D1】 各種センサの簡単な原理と応用例を説明できる.
7 【A4-D1】 交流回路のR,L,Cの直列回路・並列回路の特性を測定でき,その特性を説明できる.
8 【A4-D1】 C-R回路の入出力特性を理解し,それらの特性を説明できる.
9 【A4-D1】 基礎的な組合せ論理回路,順序回路が構成でき,それらの動作を説明できる.
10 【A4-D1】 Arduinoを用いて簡単な電気回路を作成できる.












1 各テーマへの取り組みと報告書(レポート)の提出状況で評価する.
2 各テーマの報告書(レポート)の内容で評価する.
3 各テーマへの実験の取り組みで評価する.
4 「創造実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
5 「直流回路の実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
6 「各種センサの特性測定」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
7 「交流回路の実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
8 「C-R回路の入出力特性の実験」への達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
9 「論理回路の実験」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.
10 「Arduino互換ボードの製作とマイコンプログラミング入門」の達成度および報告書(レポート)の内容で評価する.




成績は,実験実習への取り組みと達成度で50%,報告書(レポート)の内容と提出状況で50%として評価する.1通でも未提出レポートがあるとき,原則として年間総合評価は不可となる.詳細は第1週目のガイダンスで説明する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「電子工学科・第2学年実験実習シラバス(計画書)」:プリント
「電子工学科・第2学年実験実習指導書」:プリント
「電子工学科・安全の手引き」:プリント
参考書 「知的な科学・技術文章の書き方」:中島利勝・塚本真也 共著(コロナ社)
関連科目 電子工学実験実習(本科1年),電子工学実験実習(本科3年),その他実験テーマの関連教科
履修上の
注意事項
実験実習計画書に記載の実験前の準備を行って実験に臨むこと.

【授業計画( 電子工学実験実習 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ガイダンス
詳細な電子工学実験実習シラバス(実験実習計画書)を配布し,評価方法,レポートの作成・提出方法・提出遅れの扱い,遅刻・欠席の扱い,班構成,実施日などの説明をする.
2 安全教育,実験テーマの概要説明
当学年の安全に関する全般的な注意事項を説明する.その後,各テーマの概要とテーマに関係する安全に対する注意事項の説明を行う.
3 創造実験(1)「レゴマインドストームの基礎(1)」
レゴマインドストームの取扱方法および基本動作について学習する.
4 創造実験(2)「レゴマインドストームの基礎(2)」
レゴマインドストームのセンサーの使用方法およびその応用について学習する.
5 創造実験(3)「レゴマインドストームを用いた創造製作(1)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
6 創造実験(4)「レゴマインドストームを用いた創造製作(2)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
7 創造実験(5)「レゴマインドストームを用いた創造製作(3)」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に沿った作品を,設計・製作する.
8 創造実験(6)「課題トライアル」
レゴマインドストームを用いて,与えられた課題に対するトライアルを行う.
9 レポート指導,ビデオ鑑賞,工場見学等
適宜,レポート指導,ビデオ鑑賞,工場見学等を実施する.なお,工場見学は,学力補充日等を利用して行う場合がある.
10 直流回路の実験(1) 「直流ブリッジ」
ホイートストンブリッジを用いて,中位抵抗の値を測定することによりその測定法を習得する.また,ダブルブリッジを用いて低抵抗を測定し,その測定及び動作原理を理解する.
11 直流回路の実験(2) 「乾電池の特性」
乾電池の種類を変えて内部抵抗および放電特性を測定し,乾電池の特徴や取扱について理解する.
12 直流回路の実験(3) 「抵抗と発熱」
抵抗に電流を流すとジュール熱が発生する現象を確認する.また,消費する電力と発生する熱量の関係について理解する.
13 各種センサの特性特性(1)「磁気センサの特性測定」
磁気センサの特性を測定し,センサの基本的な働きと磁気メモリの原理の基礎を知る.
14 各種センサの特性特性(2)「光センサの特性」
光センサの特性を測定し,その基本的な働きと応用例を知る.
15 各種センサの特性特性(3)「加速度センサの特性測定」
加速度センサの特性を測定し,その基本的な働きや応用例を知る.
16 実験テーマの概要説明
HR教室において,実験担当者が各テーマの概要とテーマに関係する安全に対する注意事項の説明を行う.
17 交流回路の実験(1) 「交流の振幅と位相」
オシロスコープの使い方を再認識する.また,2つの素子の電圧を同時に計測し,その波形を観察することで,位相の差を確認する.
18 交流回路の実験(2) 「R,L,C回路素子の特性とL-C並列回路」
R,L,C回路素子とL-C並列回路の周波数特性を測定し,R,L,Cの働きについて理解する.
19 交流回路の実験(3) 「R-L-C直列回路」
R-L-C直列回路の周波数特性を測定し,直列回路におけるR,L,Cの働きおよび共振特性を理解する.
20 C-R回路の周波数特性(1) 〜LPF〜
RC直列回路で低域通過フィルタを構成し,これに正弦波電圧を加え,周波数の変化に対する出力信号の振幅と波形の時間ずれを測定することにより,低域通過フィルタになっていることを確認する.また,振幅比と位相差はリサージュ図形により測定することができることも知る.
21 C-R回路の周波数特性(2) 〜HPF〜
CR直列回路で高域通過フィルタを構成し,これに正弦波電圧を加え,周波数の変化に対する出力信号の振幅と波形の時間ずれを測定することにより,高域通過フィルタになっていることを確認する.さらに,素子の値を変えることによりカットオフ周波数が変わることを実験的に確認する.
22 信号のスペクトル表示とフィルタの応用
20,21週目の実験では電気信号を時間的に変化する量として見てきた(時間領域での表現).22週目は,オシロスコープのFFT機能を用いて周波数領域としての表現について知るとともに,フィルタの役割について実験を通して理解する.
23 レポート指導,ビデオ鑑賞,工場見学等
適宜,レポート指導,ビデオ鑑賞,工場見学等を実施する.なお,工場見学は,学力補充日等を利用して行う場合がある.
24 論理回路の実験 (1) 「基本ゲートの入出力電圧特性」
基本ゲートの入出力電圧特性を測定し,素子の動作について学習する.
25 論理回路の実験 (2) 「組合せ論理回路」
基本ゲートからなる組合せ論理回路について実験し,ブール代数との関係について理解を深める.
26 論理回路の実験 (3) 「順序論理回路」
JK-FFについて実験を行い,順序回路の学習を行う.
27 Arduino互換ボードの製作とマイコンプログラミング入門(1)「ボードの製作」
基板に電子パーツをはんだ付けし,Arduino互換機を作製する.
28 Arduino互換ボードの製作とマイコンプログラミング入門(2)「プログラミングの基礎と動作確認」
作製したArduino互換機を用いてプログラミングの基礎を学ぶと共に,その動作確認を行う.
29 Arduino互換ボードの製作とマイコンプログラミング入門(3)「マイコン応用」
センサ入力・7セグメントLED出力を利用したマイコンの応用的なプログラミングを通じ,マイコンを用いてハードウェアの制御を行えることを理解する.
30 実験とレポートの講評および実験報告書(レポート)の指導
実験とレポートの講評をHR教室で行った後,各班毎に実験室に移動し,提出されたレポートについて,各実験担当者が個別に指導する.


中間試験および定期試験は実施しない.授業計画に記載の実験テーマは4班の中の1班に対しての計画であり,他の班は,前期は3週単位で異なった実験を2テーマと,6週間連続で行う創造実験を実施する.また,後期は,各班で3週単位で異なったテーマを実施する.よって,前期と後期毎に全員同じ実験実習を行うことになる.