科 目 | 電気磁気学T ( Electromagnetics I ) | |||
---|---|---|---|---|
担当教員 | 橋本 好幸 教授 | |||
対象学年等 | 電子工学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・教育 目標 |
A4-D1(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
電気磁気学は,電気や磁気に関する各種法則を学習し,様々な電気的・磁気的な現象を体系的に把握する学問である.本講義では,真空中,導体,誘電体における静電界について,ベクトル解析を用いて関係式の導出を行い,それらに関する種々の法則について理解する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-D1】 SI単位系について理解し,正しい単位表示や諸計算ができるようになる. | 2 | 【A4-D1】 クーロンの法則を用いて電荷間の力を計算することができる. | 3 | 【A4-D1】 電位の定義を理解し,導体系における電位を計算することができる. | 4 | 【A4-D1】 ガウスの法則を理解し,導体系における電界を計算することができる. | 5 | 【A4-D1】 導体系における静電容量を計算できる. | 6 | 【A4-D1】 誘電体の特徴や性質について説明できる. | 7 | 【A4-D1】 誘電体中の電界が計算できる. | 8 | 【A4-D1】 誘電体を含んだ系の静電容量が計算できる. | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 単位を正しく使えるかを中間試験,定期試験およびレポートにより評価する. | |
2 | クーロンの法則で電荷間の力を計算できるかを前期中間試験およびレポートにより評価する. | |||
3 | 電位が算出できるかを前期中間試験およびレポートにより評価する. | |||
4 | ガウスの法則を用いて電界が算出できるかを前期定期試験およびレポートにより評価する. | |||
5 | 静電容量を算出できるかを後期中間試験およびレポートにより評価する. | |||
6 | 誘電体の特徴や性質について説明できるかを後期中間試験およびレポートにより評価する. | |||
7 | 誘電体中の電界が算出できるかを後期定期試験およびレポートにより評価する. | |||
8 | 誘電体を含んだ系の静電容量が算出できるかを後期定期試験およびレポートにより評価する. | |||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験85% レポート15% として評価する. なお,試験成績は,中間試験(前期,後期)と定期試験(前期,後期)の合計4回の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.また,各試験において再試験を実施する場合は,70点以上で合格とし,当該試験の点数を60点とする. | |||
テキスト | 「電気学会大学講座 電磁気学」: 山田直平,桂井 誠(電気学会) | |||
参考書 | 「電気学会大学講座 電磁気学問題演習詳解」: 山田直平,桂井 誠(電気学会) 「エレクトロニクスのための電気磁気学例題演習」:松森徳衛(コロナ社) |
|||
関連科目 | 数学I,数学II,物理,電子工学序論,電気磁気学II,応用物理 | |||
履修上の 注意事項 |
授業ではベクトル解析を中心に進めていく.履修前に,微分・積分およびベクトルについて十分に理解しておくこと.また,物理において電気や磁気に関する基礎的な定理について理解しておくことが望ましい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
---|---|
1 | 緒論および電荷とクーロンの法則 |
まず,本講義で用いる単位やベクトルの表記法,この講義で学習する内容について説明する.その後,電荷,物質の電気的性質,クーロンの法則について解説する.クーロンの法則を用いて,電荷間のクーロン力が計算できるようになること. | |
2 | 真空中にある点電荷による電界 |
電界とは何かを学習し,真空中に点電荷が存在する場合の電界が計算できるようになる. | |
3 | 電気力線と電荷を動かすに要する仕事 |
電界によって生じる電気力線および電荷を動かすに要する仕事について解説する.電気力線とは何かが説明できるようになること. | |
4 | 演習(1) |
第1〜3週目で学習した内容に関するテキストの演習問題を行う.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う. | |
5 | 仕事量と電位 |
仕事量と電位の関係を理解し,電位とは何を示すかが説明できるようになる. また,スカラー積とは何かを理解するとともに,それを用いて計算ができるようになる. | |
6 | 電位と電位勾配 |
電位,電位差,電位勾配について理解する.また,電位勾配のベクトル的取り扱いについて学習し,電界を計算できるようになる. | |
7 | 演習(2) |
第5〜6週目で学習した内容に関するテキストの演習問題を行う.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う. | |
8 | 中間試験 |
電荷間に働く力,点電荷による電界,電気力線,電位に関する問題を出題する. | |
9 | ガウスの定理とベクトルの発散(試験返却および解説を含む) |
ベクトルの発散について解説するのでその物理的意味が説明できるようになる.また,ガウスの定理の微分系について解説するので,微分系のガウスの定理が説明できるようになること. | |
10 | ガウスの定理とラプラスおよびポアソンの方程式 |
ガウスの定理の積分系について解説する.積分系ガウスの定理が説明できるようになること.ラプラスとポアソンの方程式について理解し,簡単なラプラシアンが計算できるようになる. | |
11 | 静電界の計算(1) |
帯電した球によって生じる電位と電界が計算できるようになる. | |
12 | 静電界の計算(2) |
帯電した無限円筒,無限平面によって生じる電位と電界が計算できるようになる. | |
13 | 電気双極子,電気二重層 |
電気双極子および電気二重層について理解する. | |
14 | 演習(3) |
第9〜13週目で学習した内容に関するテキストの演習問題を行う.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う. | |
15 | 試験返却と問題解説および発展的内容 |
前期定期試験の返却と試験問題の簡単な解説を行う.さらに,第16週目以降に学習する内容について概略を説明する. | |
16 | 電位係数 |
電位係数について理解し,電位係数を求められるようにする. | |
17 | 容量係数 |
容量係数について理解し,容量係数を求められるようにする. | |
18 | 導体系の有するエネルギーと導体に働く力 |
導体系に蓄えられるエネルギーが計算できるようになる.同様に,導体系に働く力が計算できるようになる. | |
19 | 静電容量の計算(1) |
静電容量について理解し,導体球,円筒の静電容量が求められるようになる. | |
20 | 静電容量の計算(2) |
平行平板,平行導線などの静電容量が求められるようになる. | |
21 | 静電コンデンサ |
コンデンサの種類,簡単な構造について理解し,コンデンサの合成容量が計算できるようになる. | |
22 | 演習(4) |
第16〜21週目で学習した内容に関するテキストの演習問題を行う.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う. | |
23 | 中間試験 |
各種静電容量が計算できるようにしておくこと. | |
24 | 誘電体とその分極(試験返却および解説を含む) |
誘電体の性質と,分極が生じる原理について理解する. | |
25 | 誘電体中の電界および電束 |
誘電体中の電界が計算できるようになる.また,電束について理解する.さらに,誘電体が含まれる場合の静電容量や電位が計算できるようになる. | |
26 | 誘電体の境界面における電界と電束の関係 |
誘電体の境界面での電界と電束の境界条件について理解する. | |
27 | 誘電体中に蓄えられるエネルギー |
誘電体中に蓄えられるエネルギーが求められる.また,誘電体を満たした平行平板コンデンサの電極間に働く力が計算できる. | |
28 | 電気影像法と二次元電界 |
導体平面と点電荷について電気影像法を用いて電界を計算し,電気影像法について理解する.また,二次元電界を数値解析で求める方法について簡単に解説する. | |
29 | 演習(5) |
第24〜28週目で学習した内容に関するテキストの演習問題を行う.演習問題を解きながら,各人の習得の確認を行う. | |
30 | 試験返却と問題解説および科目総まとめ |
後期定期試験の返却と試験問題の解説を行う.さらに,次年度の電気磁気学IIで学習する内容について概略を説明する. | |
備 考 |
前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. |