【 2019 年度 授業概要】
科   目 分子生物学T ( Molecular Biology I )
担当教員 下村 憲司朗 准教授
対象学年等 応用化学専攻・1年・前期・選択・2単位
学習・教育
目標
A4-AC5(100%)
授業の概要
と方針
分子生物学は生物活動のメカニズムを分子レベルで理解しようとする学問であり,この分子生物学の進歩により,遺伝子組換え等の遺伝子工学が発達してきた.本講義においては,セントラルドグマを中心に分子生物学の基礎について解説する.



1 【A4-AC5】 核酸とタンパク質の基本的性質を理解できる.
2 【A4-AC5】 遺伝子工学技術を理解できる.
3 【A4-AC5】 DNAの複製の仕組みが理解できる.
4 【A4-AC5】 原核生物と真核生物の転写,転写調節の仕組みについて分子レベルで理解できる.
5 【A4-AC5】 原核生物と真核生物の翻訳の仕組みについて分子レベルで理解できる.
6 【A4-AC5】 翻訳後調節の仕組みについて分子レベルで理解できる.
7 【A4-AC5】 DNAの損傷,修復と組換えの機構について分子レベルで理解できる.
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1 核酸とタンパク質の構造や役割を記述できるかを中間試験とレポートで評価する.
2 DNAクローニング技術や各種ハイブリダイゼーション技術について説明できるかを中間試験とレポートで評価する.
3 DNAの複製メカニズムについて説明できるかを中間試験で評価する.
4 原核生物と真核生物の転写機構について説明できるかを中間試験で評価する.また,転写調節機構とRNAプロセッシング機構について説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
5 原核生物と真核生物におけるタンパク質の翻訳の仕組みについて説明できるかを定期試験で評価する.
6 タンパク質のプロセッシングや細胞内輸送の仕組みについて説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
7 DNA損傷の要因と損傷の種類,損傷の修復機構について説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.結果によって,再試験を実施する場合がある.
テキスト 「ベーシックマスター分子生物学」:東中川 徹,大山 隆,清水 光弘 共著 (オーム社)
参考書 「Essential 細胞生物学」:中村 桂子,松原 謙一 訳 (南江堂)
「ヴォート 基礎生化学」:田宮 信雄ら 訳 (東京化学同人) 
「分子生物学の基礎」:川喜田 正夫 (東京化学同人)
「新・分子生物学」:石川 統 (IBS出版)
関連科目 C2生物,C4生物化学I,C4生物工学,C5生物化学II
履修上の
注意事項
生化学反応,遺伝子情報の流れについて詳細に理解するため,本科C2生物,C4生物化学I,C5生物化学IIを復習し,基本概念を身につけておくことが必要である.また,遺伝子工学的手法を理解するために,C4生物工学についても復習しておくことが求められる.

【授業計画( 分子生物学T )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
分子生物学を学ぶにあたり,その背景について理解する.
2 核酸とタンパク質
核酸およびタンパク質の物理的,化学的性質や構造について理解する.
3 ゲノム
原核生物および真核生物のゲノム構造について理解する.
4 遺伝子工学技術(1)
DNAクローニングに用いられる宿主やベクター,酵素について理解する.
5 遺伝子工学技術(2)
各種ハイブリダイゼーション技術の原理について理解する.
6 DNAの複製
ゲノムの複製機構を理解する.
7 転写(1)
転写の基本的な仕組みと転写調節機構について理解する.
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う.
9 中間試験の解答・解説
中間試験問題の解説を行う.
10 転写(2)
オペロン単位での転写調節機構について理解する.
11 RNAプロセッシング
真核生物の一次転写産物に対して行われるプロセッシングのメカニズムについて理解する.
12 翻訳
翻訳の基本的な機構について理解する.
13 翻訳後修飾
新生タンパク質の修飾や輸送機構について理解する.
14 DNAの損傷,修復と組換え(1)
DNA損傷の要因と損傷の種類について理解する.加えて,各種損傷の修復機構についても理解する.
15 DNAの損傷,修復と組換え(2)
DNA損傷修復時に起こる組換えや減数分裂期組換え,部位特異的組換えの機構について理解する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.