【 2019 年度 授業概要】
科   目 技術史 ( History of Technology )
担当教員 森 亮資 非常勤講師
対象学年等 全専攻・2年・前期・選択・2単位
学習・
教育目標
C2(60%), D2(40%)
JABEE
基準1(1)
(a),(d)2-a,(d)2-b,(d)2-c,(e),(g),(i)
授業の概要
と方針
文明発祥から現代までの人類史という視点から技術の歴史を把握するとともに,科学との関わりの中で技術を社会史的発展の中で捉えられるような素養を身に付ける.それと共に,発想ツールとの関連を確認する.また,自身の研究テーマの歴史的認識を深める.くわえて,本講義の根本が歴史学であるということを意識し,1講義1テーマで講義を進める.



1 【C2】 科学・技術が,歴史の中でどのように進展してきたのかを認識する.
2 【C2】 古代から現代までの個々の科学・技術が,その時代の社会と如何なる関係を持ち,且つ現代にも通じる課題を持っているかを認識する.
3 【D2】 全講義を通じて,各時代の社会と科学・技術の関係を理解するとともに,現代文明における科学・技術的問題点を見つけ出し,その解決法について考察する.
4 【C2】 技術革新が社会を変革させてゆくという意識を持ち,各人の研究テーマの歴史的認識を深める.
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1 科学・技術が,歴史の中でどのように進展してきたのかの認識を月1回の課題のレポート解答提出で確認する.
2 古代から現代までの個々の科学・技術が,その時代の社会と如何なる関係を持ち,且つ現代にも通じる課題を持っているかの認識を月1回の課題のレポートの解答提出で確認する.
3 各時代の社会と科学・技術の関係を理解するとともに,現代文明における科学・技術的問題点を見つけ出し,その解決法について考察できるかを定期試験で確認する.
4 各人の理解到達度を,月1回のレポートで評価する.
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成績は,試験40% レポート60% として評価する.月一回のレポートを課し,定期試験と総合し100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト オリジナルプリント配布
参考書 「技術の文化史」下間,緒方,中辻,小沢,塩津著(関西大学出版, 2012年)
「技術の文化史II」下間, 緒方, 中辻, 小沢, 塩津, 他9名 著(関西大学出版, 2015年)
「日本製鉄技術史」下川義雄 アグネ技術センター
「写真の歴史」 クエンティン・バジャック  伊藤俊治 監修  遠藤ゆかり 訳 創元社 竹田正一郎+森亮資
「神聖ライカ帝国の秘密」潮書房光人社 
関連科目 機械設計,材料工学,機械工作法,精密工学,物理光学,有機化学,無機化学,トライポロジー,電子工学,環境,数学
履修上の
注意事項
本講義においては,理解度を深めるために「1講義1テーマ」を基本とすることで理解度を深めるよう配慮する.また,映像史料や現物史料を多用し科学や技術に関するトピック的話題も取り上げる.また,最新のニュースをあらゆるメディアから吸収し,講義に臨むのが好ましい.取り上げる話題やテーマが多岐にわたるため,自らの専門分野以外の事象にも関心を持ち,講義に積極的に参加して欲しい.

【授業計画( 技術史 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 科学・技術・魔術
科学・技術とは何か 人類史としての科学と技術の歴史を学ぶ重要性について
2 文明誕生
農耕社会以前,人類と動物・道具・火の関わり合いを通じて文明の黎明期を考察する
3 金属器と農耕のはじまりー(1)メソポタミアを例に
金属器文明,農耕のはじまりと社会(環境史観を中心に考察する)
4 北東アジアと鉄器文明ー(1)
中国・朝鮮半島・日本(倭国)と,農耕社会と鉄器文明(世界システム論を軸に)
5 北東アジアと鉄器文明ー(2)
日本国家樹立とタタラ製鉄(西川長男,国民国家論を軸に)
6 中世から近世へ(ルネサンスから科学革命へ)
ガリレオ・ケプラー・ニュートン,自然科学への理解の深化と17世紀科学革命
7 大砲の世紀ー転炉と時計
ジエフリーパーカー「軍事革命論」から見た世界と,産業革命の時代
8 鉄は国家なり
クルップ・カーネギー・ベツレヘムスティール(ドイツ・アメリカ製鉄業の栄枯盛衰から見た産業革命後の社会と国家)
9 写真誕生
映像革命―絵画との関係(クエンティン・バジャック『写真の歴史』を軸に)
10 科学の組織化と技術
19-20世紀における光学の発展と,産業化への展開.
11 大量生産・大量消費
産学共同体と,アメリカKodak社の盛衰
12 映画誕生
映画の発明と映像技術,大衆文化
13 「現代的カメラ」誕生
ドイツ・Ernst-Leitz社「Leica」を例に(カメラ・光学産業の構造変革と写真表現の変化)
14 日本におけるカメラ・光学産業の勃興
ドイツからの「技術移転」と,日本のカメラ・光学産業の発展と展開
15 LSI製造装置からスマホカメラまで
カメラ・光学産業の電子産業化と,現代社会(デジタル革命がもたらしたもの)


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期定期試験を実施する.本講義は,月一回のレポート4回(40%評価)と,定期試験(60%評価)によって評価する.