【 2018 年度 授業概要】
科   目 電子応用 ( Applied Electronic Engineering )
担当教員 長谷 芳樹 准教授
対象学年等 電子工学科・5年・前期・選択・2単位 ( 学修単位II )
学習・教育
目標
A4-D2(100%)
授業の概要
と方針
様々な現象を測定したディジタルデータの実践的な信号処理方法について,データ処理についての留意点や時間-周波数解析等について理解し活用する.また,電気から光および音への変換技術を学ぶとともに,人間の視覚系および聴覚系が外部からの刺激をどのように処理しているかについて理解する.さらに,測定量の評価に必要な統計学の基礎についても学ぶ.



1 【A4-D2】 ディジタルデータの実践的な信号処理方法について理解できる.
2 【A4-D2】 各種の音響量と音波伝搬の基本原理,および各種音源の発生メカニズムが理解できる.
3 【A4-D2】 放射量と測光量の関係および各種光源の発光メカニズムが理解できる.
4 【A4-D2】 測定量の評価に必要な統計学について理解できる.
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1 ディジタル信号に対し,適切な時間-周波数解析によりその特徴を把握する,またはフィルタリング処理等により望みの信号を取り出すことができるかを中間試験,プレゼンテーションおよびレポートにて評価する.
2 音響量を表す各種の物理量,気体/固体中の音波伝搬の基本原理,および各種電気音響変換器の原理と特徴,ヒトの聴覚メカニズムについて理解しているかを定期試験・レポートにて評価する.
3 光束,照度,輝度およびXYZ表色系等の測光量と物理的な放射量との関係および各種光源の発光原理と特徴,ヒトの視覚メカニズムを理解できているかを定期試験・レポートにて評価する.
4 物理量・心理量を含めて何らかの測定をおこなって得たデータについて,適切な統計的手法を用いて解析することができるかを定期試験およびレポートにて評価する.
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成績は,試験50% レポート40% プレゼンテーション10% として評価する.本科目は実践的な技術を身につけることを目的としているため,総合評価に対する試験成績の比率を50%とする.なお,試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 適宜プリント配布および参考図書を指示する
参考書 和田成夫:「よくわかる信号処理」(森北出版)
大賀寿郎・金田豊・山崎芳男:「音響システムとディジタル処理」(電子情報通信学会)
日本音響学会編:「音響キーワードブック」(コロナ社)
照明学会:「大学課程 照明工学(新版)」(オーム社)
池田紘一・小原章男:「光技術と照明設計」(電気学会)
関連科目 D4「電子計測」,D4「応用数学」
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 電子応用 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 サンプリング定理(1)
既修のサンプリング定理について,実際のデータ測定時に留意すべき点について講義する.また,サンプリングされたデータから代表値を読み取るために必要な技能について講義する.
2 サンプリング定理(2)
前週に引き続き講義をおこなう.
3 離散フーリエ変換(1)
既修の離散フーリエ変換について,実際のデータ測定時に留意すべき点について講義する.解析窓の選択と周波数解像度などの関係など,データ解析時に必要な技能について講義する.
4 離散フーリエ変換(2)
前週に引き続き講義をおこなう.
5 離散フーリエ変換 (3)
前週に引き続き講義をおこなうとともに,実際の事例についてデモを交えて紹介する.
6 離散逆フーリエ変換
逆フーリエ変換について,オフセット除去やLPF,HPFなども含めた基本的なフィルタリングの実現方法,ダウンサンプリング/アップサンプリングの実現方法等も交えて講義する.
7 短時間フーリエ変換とウェーブレット変換
時間的に変動するディジタル信号の特徴を把握するためには,短時間フーリエ変換またはウェーブレット変換などが用いられることが多い.それらの特徴と概要について講義する.また,実際の事例についてデモを交えて紹介する.
8 中間試験
1〜7回目までの内容について試験する.
9 プレゼンテーション(1)
時間-周波数解析やフィルタ等に関する各々のテーマについて学生によるプレゼンテーション・質疑応答をおこなう.
10 プレゼンテーション(2)
前週に引き続き学生によるプレゼンテーション・質疑応答をおこなう.
11 音響量の単位・音波伝搬の原理
音圧・音圧レベル・音響インテンシティなどの各種の物理量の意味,および音波伝搬の把握に必要な媒質の物理量の表し方について講義する.また,気体中および固体中の音波伝搬の概略について紹介する.
12 音波発生の原理・聴覚メカニズム
各種音源の発音の原理と特徴について講義する.また,聴覚系の概要および音の知覚の概要についても講義する.
13 測光量の単位・発光の原理・演色性・色覚メカニズム・表色系
放射束,光束,光度,照度,輝度,光束発散度などの各種の物理量の意味,各種光源の発光の原理と特徴について講義し,演色性についても紹介する.また,色知覚の三色性を理解し,視覚系のモデルを理解するとともに,各種表色系の概要を把握する.
14 測定量の評価に必要な統計学の基礎
物理量・心理量に関わらず何らかの測定から得たデータについて,適切な統計的手法を用いて解析するための基礎について講義する.特に標準偏差の扱い,相関係数の算出やt検定などに重点を置いて講義する.
15 試験返却と問題解説および科目総まとめ
定期試験の解説およびこの科目で学んだ内容の確認をおこなう.また,この科目に関連した発展的内容について紹介する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.