【 2018 年度 授業概要】
科   目 安全管理学 ( Safety Management )
担当教員 宮下 芳太郎 教授
対象学年等 応用化学科・2年・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(20%), A4-C1(20%), A4-C2(20%), A4-C3(20%), D1(20%)
授業の概要
と方針
化学実験における操作やそれに用いる物質についての扱いを誤ると大きな事故に繋がる恐れがある.本講義では,化学実験を安全に行うために,各種法令や危険・有害物質の性質について解説する.



1 【D1】 ハインリッヒの法則に基づく事故対策が理解できる.
2 【D1】 化学物質に関連する法令や資格の概略が理解できる.
3 【A2】 化学物質を混合,廃棄する際の注意点が理解できる.
4 【D1】 化学物質における危険性・有害性の調査法が理解できる.
5 【A4-C3】 高圧ガスや寒剤の扱い方が理解できる.
6 【A4-C2】 毒劇物の扱い方が理解できる.
7 【A2】 環境汚染物質の扱い方が理解できる.
8 【A4-C1】 危険物の扱い方が理解できる.
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1 ハインリッヒの法則に基づく事故対策について理解し,説明できるかを,中間試験およびレポートで評価する.
2 化学物質に関連する法令や資格の概略について理解し,説明できるかを,中間・定期試験およびレポートで評価する.
3 化学物質を混合,廃棄する際の注意点について理解し,説明できるかを,中間・定期試験およびレポートで評価する.
4 化学物質における危険性・有害性の調査法について理解し,説明できるかを,定期試験およびレポートで評価する.
5 高圧ガスや寒剤の扱い方について理解し,説明できるかを,中間試験およびレポートで評価する.
6 毒劇物の扱い方について理解し,説明できるかを,中間試験およびレポートで評価する.
7 環境汚染物質の扱い方について理解し,説明できるかを,定期試験およびレポートで評価する.
8 危険物の扱い方について理解し,説明できるかを,定期試験およびレポートで評価する.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「実験を安全に行うために(第8版)」:化学同人編集部 編(化学同人)
「続 実験を安全に行うために(第4版)」:化学同人編集部 編(化学同人)
参考書 「安全な実験室管理のための化学安全ノート 第3版」 : 日本化学会 編(丸善)
「第5版 実験化学講座〈30〉化学物質の安全管理」 : 日本化学会 編(丸善)
「化学品の安全管理と情報伝達 SDSとGHSがわかる本 GHS国連文書・JIS対応」 : 化学物質評価研究機構 編(丸善)
「1回で受かる!甲種危険物取扱者合格テキスト」:コンデックス情報研究所 著(成美堂出版)
「甲種危険物取扱者試験 平成30年版」(公論出版)
関連科目 C1「化学」「基礎化学実験」,C2「無機化学I」「有機化学I」「分析化学I」「応用化学実験I」
履修上の
注意事項
上記関連科目を十分に理解した上で履修することが望ましい.

【授業計画( 安全管理学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 化学物質と安全管理,関連法令の概要
1件の重大事故の背景には多数の軽微な事故が存在することをハインリッヒの法則という.化学の立場から安全管理の概略を説明する.また,化学物質に関連する法令や資格について,それらの概略を説明する.
2 混ぜるな危険
化学物質には混合すると爆発したり有害物質が発生する危険な組み合わせがある.実例を挙げて説明する.
3 実験廃棄物の処理
化学実験により生じた廃液や固体廃棄物,不要となった試薬類の適切な処理方法について説明する.
4 実験室の安全管理,災害対策
災害を防ぐためには日頃からの備えが必要である.潜在危険を把握することの重要性について説明する.
5 事故例と対策,寒剤
化学実験室内で起こりうる事故を想定し,それを防ぐための対策について説明する.寒剤として用いられる液体窒素の適切な扱い方について説明する.
6 高圧ガス
高圧ガス保安法に基づき,高圧ガスの分類およびボンベの適切な扱い方について説明する.
7 有害物質,応急処置法
毒物及び劇物取締法に基づき,毒劇物の有害性について説明する.薬品による障害の応急処置法についても触れる.
8 中間試験
中間試験を行う.
9 中間試験解答,危険性・有害性の調査法
中間試験の解答を行う.化学物質における危険性・有害性をSDS(安全データシート)により調査する方法について説明する.
10 放射性物質,環境汚染物質
放射性物質の半減期や放射線の種類による人体への影響について説明する.環境基本法やPRTR制度(化学物質排出移動量届出制度)に基づき,環境汚染物質の有害性について説明する.
11 燃焼と消火
燃焼の三要素(可燃物,酸素供給源,点火源)と消火の三要素(除去消火,窒息消火,冷却消火)について説明する.引火点と発火点について説明する.消火器の種類や使用法についても触れる.
12 危険物(1)
消防法に基づき,危険物第4類(引火性液体)に指定された物質について説明する.
13 危険物(2)
消防法に基づき,危険物第2類(可燃性固体),第3類(自然発火性物質及び禁水性物質),第5類(自己反応性物質)に指定された物質について説明する.
14 危険物(3)
消防法に基づき,危険物第1類(酸化性固体),第6類(酸化性液体)に指定された物質について説明する.危険物を取り扱う際の法令についても触れる.
15 定期試験解答,演習
定期試験の解答を行う.甲種危険物取扱者試験について説明した後,演習を行う.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.