【 2018 年度 授業概要】
科   目 化学 ( Chemistry )
担当教員 大塩 愛子 准教授
対象学年等 応用化学科・1年・通年・必修・4単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
我々の生活は多くの化学物質に支えられている.しかし,化学物質は便利であると共に,有害で危険な影響を及ぼすものも存在する.専門的な研究では,この影響や特性に配慮しなければならず,その為には物質の基本となる化学の知識・視点が必要となる.本科目では,化学に対する基本的な考え方と応用力を養うため,身近な物質や専門的な器具・薬品を用いた学習を行い,学生自らが考える授業を展開する.



1 【A2】 試薬・器具を適正に取り扱い,安全に実験を行うことができる.
2 【A2】 実験から得られた結果を整理し,考察を行うことができる.
3 【A2】 化学の基本法則を理解し,化学反応式を元に計算をすることができる.
4 【A2】 化学的に探求する態度を身に付け,社会との繋がりを理解している.
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1 試験・レポート・小テストで評価する.
2 試験・レポート・小テストで評価する.
3 試験・小テストで評価する.
4 試験・小テストで評価する.
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成績は,試験70% レポート15% 小テスト15% として評価する.(レポートと小テストを合わせた30%には黒板発表も含む.)試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.また,指示に従わず危険な行為を行ったり,実験操作や計算,片づけを行わない者は減点する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「Professional Engineer Library 化学」(実教出版)
「フォトサイエンス化学図録(新課程用)」(数研出版)
「改訂版 リードα化学基礎+化学」(数研出版)
参考書 「New Let's Try Note 化学基礎 Vol.2 物質量と化学反応式」(東京書籍)
「化学I・IIの新研究」 卜部吉庸 著(三省堂)
関連科目 物理,数学, 生物
履修上の
注意事項
講義はHR教室と化学実験室(一般科棟B棟5階)を必要に応じて使い分けて行う.教室変更の際はその都度指示をする.問題集や化学図録は適宜使用するので,毎回持参すること.

【授業計画( 化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 導入,純物質と混合物
授業の概要・評価の方法の説明.混合物に様々な処理を行うことで,純物質を取り出すことができる.その手法について学ぶ.実際に,いくつかの方法については実験も行う.
2 元素と単体・化合物
物質が他の物質に変換されるとき,一定の規則性に従う.物理変化と化学変化の違いなどその規則性について学ぶ.
3 原子の構造
物質の単位である原子は,さらに小さい粒子から構成されていることを学ぶ.
4 電子配置と元素の周期律
原子核のまわりの電子は,いくつかの層にわかれて運動している.その構造について学ぶ.また,元素を元素原子番号順に並べると,周期律が見られる.この周期律について,様々な角度から議論を行う.
5 イオンの形成
陽イオン,陰イオンがどのように生成するのかを考え,イオンの表し方などを学ぶ.イオンの生成に関わるエネルギーについても考える.
6 化学結合(イオン結合・共有結合・金属結合)
化学結合には様々な様式がある.その構造や強弱について学ぶ.
7 原子量・分子量・式量と物質量
原子・分子・イオンなどの非常に小さな粒子の質量の扱いについて学ぶ.反応式の係数から,反応する物質の量的関係を理解する.さらに,分子の個数を考えるとき物質量という概念を導入する.その解説と利用法の習得を行う.
8 中間試験(前期)
教科書,ノートの持ち込みは不可.計算機の持ち込みは事前に指示する.
9 中間試験解説,物質量と気体の体積
反応式の係数および物質量と気体の体積の関係について学ぶ.
10 化学反応式の考え方(1)
化学反応式の作り方を学ぶ.化学反応式にはたくさんの情報が入っている.化学反応式の特徴と量的関係について学ぶ.
11 化学反応式の考え方(2)
化学反応式から反応比を考え,必要な物質量の計算法を学ぶ.
12 物質の三態とその変化
物質の三態の違い,状態変化の呼び方,状態図について学ぶ.
13 ボイルの法則,シャルルの法則,ボイル・シャルルの法則
物質の状態の一つである気体状態では,圧力・体積・温度に相関が見られる.その規則性と理論的根拠を学ぶ.さらにボイル・シャルルの法則を用いることで,一定量の気体の圧力・温度・体積の関係を計算によって求めることができる.その方法について学ぶ.
14 気体の状態方程式
気体の状態方程式を用いることで,分子量を導くことができる.その手法・理論的根拠を学ぶ.
15 定期試験の解説および実験
定期試験の解説を行う.また,これまでの範囲の復習となる実験を行い議論する.
16 混合気体(ドルトンの分圧の法則)
多くの気体は混合気体である.混合気体における各成分気体の圧力や物質量との関係など,様々な状況における気体の計算方法について学ぶ.
17 溶解と溶液,溶解度
液体が他の物質を溶かして均一な混合物をつくることを溶解と呼ぶ.溶解の仕組みについて学ぶ.また,温度による溶質の析出量の違いや飽和溶液の濃度について学ぶ.
18 沸点上昇と凝固点降下
純粋な液体に,物質を溶かすことで沸点上昇,凝固点降下が起こる.この現象の解説を行う.
19 酸と塩基の特徴
酸・塩基の定義にはいくつかあり,その種類と特徴を学ぶ.
20 酸・塩基の反応
酸と塩基が反応すると塩に加えて水が生じる.この反応を中和と呼び,その特徴を学ぶ.
21 中和滴定
中和滴定実験を通して,酸・塩基の濃度決定方法や実験手法について学ぶ.
22 水素イオン濃度とpH
水素イオン濃度からpHを決定する.これは酸性度の指標であり,その性質を学ぶ.
23 中間試験(後期)
教科書,ノートの持ち込みは不可.計算機の持ち込みは事前に指示する.
24 中間試験解説,酸化と還元
酸化・還元にもいつかの定義法があり,その特徴と理論を学ぶ.
25 酸化数と酸化還元反応
酸化・還元で重要な酸化数について学び,酸化還元反応について理解する.
26 金属のイオン化傾向と金属の反応
金属原子には,その種類によってイオンになりやすさが異なる.その傾向を学ぶ.
27 イオン化傾向の応用
電池は元素のイオン化傾向を利用したものであり,その原理について学ぶ.
28 化学反応と反応熱,ヘスの法則
化学反応には必ずエネルギーの出入りが伴い,熱化学方程式を用いて視覚化できることを紹介する.さらに種々の反応熱について,熱化学方程式で対応できることを紹介する.未知の反応熱を知るときには,ヘスの法則を利用する.
29 反応の速さと化学平衡
化学反応について,反応の速さや方向,またそれらを変化させる条件について解説する.
30 定期試験の解説および実験
定期試験の解説を行う.また,これまでに学習してきた内容を利用した実験を行い,復習とする.もしくは次年度に学習する内容の導入となる実験を行う.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.各試験とも,電卓の持ち込みは可とする.