【 2017 年度 授業概要】
科   目 設計製図 ( Machine Design and Drawing )
担当教員 宮本 猛 教授,小林 洋二 教授
対象学年等 機械工学科・4年C組・通年・必修・3単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-M4(60%), C2(35%), D1(5%)
授業の概要
と方針
搬送用ロボットは機構学的要素と電気制御機器を総合することで実現する.機構部の設計とサーボモータ,アクチュエータなどの結合によりシステムを設計する能力を養成する.併せて2D/3DCADを用いて作図する能力を習得させる.



1 【A4-M4】 産業用ロボットの運動形態を理解できる.
2 【A4-M4】 機構部品の設計図を3面図で描くことができる.
3 【C2】 搬送用ロボットは各種既製品を組み合わせることが必要である.各種カタログより必要なユニットで仕様条件にあったものを選択し,さらにこれらを結合する部品等を設計するができる.
4 【A4-M4】 搬送用ロボットの各駆動部の動力計算ができる.
5 【A4-M4】 システムのイメージを立体図で描くことができる.
6 【A4-M4】 部品図間の結合方法を明確にするため,部分組立図を描き,溶接,加工精度等のコメントを併記することができる.
7 【D1】 装置を設計する場合,エネルギー効率,環境,安全面を配慮した設計をすることができる.
8 【A4-M4】 設計システムの概要,システム中のモータ,リニアアクチュエータ等の既製品の選択根拠の力学計算を報告書に記述することができる.
9 【A4-M4】 2D/3DCADの操作で部品図を描くことができる.
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1 設計した装置の概略を設計報告書に記述し,その内容で評価する.
2 図面の部品構成,実線,破線,寸法線のコントラストができているか,部品の3面表現と寸法記述に矛盾なく描けているか図面で評価する.
3 システムの構想を実現するためにモータ,リニアガイド,エヤーシリンダ等のカタログから必要なものを選択して,結合することができたか図面で評価する.
4 設計報告書に動力計算,既製品の負荷トルク,強度等の計算の根拠が記述されているか評価する.
5 機械の構造の構想図(イメージ)をどの程度作図できたか評価する.
6 加工と組立を配慮したコメント,部分組立図の記述と作図ができるかを評価する.
7 エネルギー効率を配慮した構造になっているか,自由度および部品点数が最適であるか図面で評価する.
8 設計報告書に力学計算と選択根拠を記述できたかを評価する.
9 CAD図面の構成と作図操作の正確さによって評価する.
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成績は,設計図面65% 設計報告書(プレゼン含む)35% として評価する.前期成績は,CAD図面30%,設計報告70%とする.最終成績は,全設計図面65%(内訳 設計評価50% CAD評価15%),設計報告35%(内訳 活動報告書10% 設計計算書15% プレゼン10%)とする.最終成績100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「CAD製図資料」:神戸高専 機械工学科編
参考書 「電子機械応用」:メカトロニクス研究会編(コロナ社)
関連科目 設計製図(1〜3年),材料力学,機械工作法
履修上の
注意事項
材料力学,機械工作法の基礎を理解していること.

【授業計画( 設計製図 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 産業用ロボットの概要と運動機構,課題の設定
代表的産業用ロボットの形態別運動機構の特徴を理解させる.各学生へ課題を説明する.
2 搬送品の設定,機械設計の概要と進め方
搬送品を設定させ,図面を作成する.機械設計の概要(PDCAなど)および進め方を講義する.
3 既製品の選定と自作部品の強度計算
モータやシリンダ-等の各種カタログを紹介する.それら既製品の選定計算に必要な運動力学問題.慣性モーメント,角加速度について講義する.自作部品設計に必要なモーメント,応力について講義する.
4 構想期間−概念設計(1)
搬送用ロボットに必要な幅広い情報収集,多種多様な設計企画をする.アイデアスケッチを作成する.
5 構想期間−概念設計(2)
アイデアスケッチ(構想図,ラフな三面図,イメージ図)の作成をする.ロボットの運動機構を表す記号を用いて3自由度を表現する.
6 構想期間−概念設計(3)
アイデアスケッチの絞り込みを行い,搬送用ロボットの機能およびそれら機能に対する解候補を考え,解候補星取表を作成する.
7 構想期間−詳細設計(1)
概念設計からの絞込みを行い,搬送用ロボットにおける設計計算,基本仕様の決定,カタログからの使用機器の選定を行う.
8 構想期間−詳細設計(2)
カタログ仕様から最適機種を絞込む.機種絞込みのポイント指導,その計算法を個別指導する.
9 構想期間−詳細設計(3)
自作部品の設計を行う.寸法,形状を強度計算により設計する.
10 構想期間−詳細設計(4)
既製品や自作部品の結合方法を考える.
11 構想期間−詳細設計(5)
総合的な詳細設計を行い,全体イメージ図を完成させる.
12 CAD演習(1)
管継手の図面を2DCADにより描く.
13 CAD演習(2)
管継手の図面を2DCADにより描く.
14 CAD演習(3)
3DCADの使用方法を習得し,基本的な立体図を作成する.
15 設計計算書提出
概念設計および詳細設計を整理し提出させる.全体イメージを添付して,搬送方法および部品設計根拠について説明されているか,計算方法に間違いがないかを確認させる.
16 CAD応用演習
2D/3DCADを用いて,設計した部品図,部分組立図,立体図のいずれかをCAD図面として描く.
17 部品図の作成(1)
各部品について第三角法により作図を開始する.カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
18 部品図の作成(2)
カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
19 部品図の作成(3)
カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
20 部品図の作成(4)
カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
21 部品図の作成(5)
カタログ選定部品,設計部品(アーム,レール,ジョイント,ハンドなど)の部品図を作成する.
22 部分組立図の作成(1)
各部品の結合が理解できるような部分組立図を作成する.加えて部分組立図に加工精度,溶接等のコメントを記述し,加工を意識した作図をさせる.
23 部分組立図の作成(2)
各部品の結合が理解できるような部分組立図を作成する.加えて部分組立図に加工精度,溶接等のコメントを記述し,加工を意識した作図をさせる.
24 部分組立図の作成(3)
各部品の結合が理解できるような部分組立図を作成する.加えて部分組立図に加工精度,溶接等のコメントを記述し,加工を意識した作図をさせる.
25 部分組立図の作成(4)
各部品の結合が理解できるような部分組立図を作成する.加えて部分組立図に加工精度,溶接等のコメントを記述し,加工を意識した作図をさせる.
26 立体図の作成(1)
立体図として,等角図またはキャビネット図などの方式でシステム全体図を作図する.各自由度をもつ機構を明確にして,搬送品がどのように搬送されるか明記する.さらにシステム全体の概略寸法を記述させる.
27 立体図の作成(2)
立体図として,等角図またはキャビネット図などの方式でシステム全体図を作図する.各自由度をもつ機構を明確にして,搬送品がどのように搬送されるか明記する.さらにシステム全体の概略寸法を記述させる.
28 立体図の作成(3)
立体図として,等角図またはキャビネット図などの方式でシステム全体図を作図する.各自由度をもつ機構を明確にして,搬送品がどのように搬送されるか明記する.さらにシステム全体の概略寸法を記述させる.
29 総合設計計算書,プレゼンテーション資料の作成
搬送用ロボットの全体イメージ図による駆動説明,各部機構の設計仕様,設計に要したプロセスを総合設計計算書としてまとめ,さらに各部機構の設計仕様(強度計算,移動速度,移動距離,重量計算など)について,問題がないか再検討する.プレゼンテーションの資料を作成する.
30 総合設計計算書の提出,プレゼンテーション
1人持ち時間3分で,それぞれが設計した搬送ロボットのコンセプトを述べ,イメージ図やモーションピクチャーにより紹介する.加えて選定計算や強度計算について簡単に報告する.


中間試験および定期試験は実施しない.