【 2017 年度 授業概要】
科   目 電子計測 ( Electronic Measurements )
担当教員 木場 隼介 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・5年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・教育
目標
A4-D3(100%)
授業の概要
と方針
コンピュータの情報処理技術の向上により,センサで得られた情報を利用した各種装置の自動化技術やコンピュータ制御技術がますます重要となっている.本授業では,計測制御の基礎的事項である測定値のデータ処理方法,各種センサ,オペアンプおよびオペアンプを用いた応用回路,A/D・D/A変換,ディジタル計測器,オシロスコープなどについて学習する.



1 【A4-D3】 測定方法,測定値の処理を理解し,説明できる.
2 【A4-D3】 各種センサの動作原理を理解し,説明できる.
3 【A4-D3】 オペアンプの特性およびオペアンプを用いた各種応用回路を理解し,説明できる.
4 【A4-D3】 V/F・F/V変換およびA/D・D/A変換を理解し,説明できる.
5 【A4-D3】 各種電子計測器の原理を理解し,説明できる.
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1 各種測定方法について説明できるか,得られた測定値に対して統計処理,最小二乗法などの処理を有効数字を考慮して行うことができるか,レポート及び前期中間試験で評価する.
2 センサについて説明できるか,各種センサの動作原理を説明できるか,センサ計測で使用する回路の動作を説明できるか,前期中間試験,前期定期試験で評価する.
3 オペアンプの特性について説明できるか,オペアンプを用いた各種応用回路について説明できるか,レポート及び後期中間試験で評価する.
4 V/F・F/V変換器の動作について説明できるか,各種A/D・D/A変換方法について説明できるか,後期中間試験で評価する.
5 ディジタルマルチメータ,カウンタ,オシロスコープなどの各種電子計測器の動作原理について説明できるか,後期定期試験で評価する.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.試験成績は4回の試験(前期中間,定期試験と後期中間,定期試験)の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「電子計測と制御」:田所嘉昭(森北出版)
適宜,プリントなどの資料を配布する.
参考書 「電気・電子計測」:田所 嘉昭(オーム社)
「計測と制御シリーズ 電子計測」岩ア 俊(森北出版)
「計測・制御テクノロジーシリーズ センサの基本と実用回路」:中沢 信明,松井 利一,山田 功(コロナ社)
関連科目 D3「計測工学」, D5「電子回路II」
履修上の
注意事項
3学年の「計測工学」を理解しておくこと.授業には原則電卓を持参しておくことが望ましい.

【授業計画( 電子計測 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 電子計測の基礎(1)
前半は工学応用における電子計測の位置付けと重要性,電子計測技術の応用例を交えての電子計測の概要,およびこれらを踏まえての授業方針について説明する.後半は測定方法の分類について学習する.
2 電子計測の基礎(2)
測定誤差,有効数字,単位について学習する.
3 電子計測の基礎(3)
測定値の処理方法(平均・標準偏差,最小二乗法,ラグランジェの内挿法)について学習する.
4 光センサ(1)
フォトダイオード,フォトトランジスタ,フォトカプラについて学習する.
5 光センサ(2)
CdSセル,ビジコン,光電管,フォトマル,CCDイメージセンサ,CMOSイメージセンサについて学習する.
6 磁気センサ(1)
探りコイルを用いた磁気測定,ホール素子,磁気抵抗素子について学習する.
7 復習・演習
第1〜6回までの授業内容の復習と問題演習を行う.
8 中間試験
第1〜7回までの授業内容について試験する.
9 中間試験結果のフィードバックと解答解説
中間試験の設問の意図,正答率などについてフィードバックを行い,問題の解答解説を行う.
10 磁気センサ(2)
磁気センサを応用した電流測定,無接触スイッチ,変位センサについて学習する.
11 圧力センサ(1)
抵抗型圧力センサ,静電容量型圧力センサについて学習する.
12 圧力センサ(2),温度センサ
誘導型圧力センサ,金属抵抗型温度センサ,半導体抵抗型温度センサ,熱電対について学習する.
13 位置センサ
各種位置センサおよび各種近接センサについて学習する.
14 超音波センサ,湿度センサ,ガスセンサ
超音波センサ,湿度センサ,ガスセンサについて学習する.
15 復習・演習
第10〜14回までの授業内容の復習と問題演習を行う.
16 定期試験結果のフィードバックと解答解説
定期試験の設問の意図,正答率などについてフィードバックを行い,問題の解答解説を行う.
17 オペアンプの特性と基本回路
オペアンプの特性および基本回路について学習する.
18 オペアンプの応用回路
オペアンプを用いた加算回路,微分回路,積分回路などの応用回路について学習する.
19 V/F・F/V変換
電圧−周波数変換,周波数−電圧変換の目的や動作原理について学習する.
20 周波数変換,周波数圧縮,電圧−時間変換
周波数変換,周波数圧縮,電圧−時間変換の動作原理について学習する.
21 D/A変換,A/D変換(1)
アナログ・ディジタル量の基礎について学習した後,はしご型D/A変換回路および重み抵抗型D/A変換回路について学習する.さらに計数方式のA/D変換器,二重積分型A/D変換器について学習する.
22 復習・演習
第17〜21回までの授業内容の復習と問題演習を行う.
23 中間試験
第17〜22回までの授業内容について試験する.
24 中間試験結果のフィードバックと解答解説
中間試験の設問の意図,正答率などについてフィードバックを行い,問題の解答解説を行う.
25 A/D変換(2)
比較方式のA/D変換として追従比較型,逐次比較型,パイプライン型,並列比較型A/D変換について学習する.
26 ディジタルマルチメータ
ディジタルマルチメータの動作原理について学習する.
27 カウンタ・オシロスコープ
カウンタの動作原理およびオシロスコープの構成・動作原理,またアナログオシロスコープとディジタルオシロスコープの違いについて学習する.
28 ロジックアナライザ,スペクトラムアナライザ
ロジックアナライザ,スペクトラムアナライザの動作原理について学習する.
29 ディジタル計測制御システム
計測制御システムの基本構成およびシステム化に際しての注意点などについて学習する.
30 復習・演習
第25〜29回までの授業内容の復習と問題演習を行う.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.