【 2017 年度 授業概要】
科   目 電気数学 ( Electrical Mathematics )
担当教員 末次 武明 非常勤講師
対象学年等 電子工学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A1(100%)
授業の概要
と方針
理工学系の基礎として線形代数の概要と複素関数論の基礎,ラプラス変換の基礎を学ぶ.学ぶ内容が幅広く,また4年で習う応用数学のベースともなるため,演習をできる限り豊富に取り入れる.



1 【A1】 行列を用いた連立一次方程式の解法について理解できる.
2 【A1】 ベクトルの1次独立と行列のランクの関係を理解できる.
3 【A1】 行列式の基本的な概念と行列式に関する諸計算について理解できる.
4 【A1】 ベクトル空間と線形写像の基本的な概念と諸計算について理解できる.
5 【A1】 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念と諸計算について理解できる.
6 【A1】 複素関数の連続性の判定や,関数の正則性について理解できる.
7 【A1】 正則関数の基本的な性質を理解するとともに,その写像を描くことができる.
8 【A1】 基本的なラプラス変換を定義式から求めることができる.
9 【A1】 ラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる.
10 【A1】 ラプラス変換を用いて常微分方程式を解くことができる.












1 行列を用いた連立一次方程式の解法について理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
2 ベクトルの1次独立と行列のランクの関係を理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
3 行列式の基本的な概念と行列式に関する諸計算について理解できているか,前期中間試験およびレポートで評価する.
4 ベクトル空間と線形写像の基本的な概念と諸計算について理解できているか,前期定期試験およびレポートで評価する.
5 行列の固有値,固有ベクトル,対角化の概念と諸計算について理解できているか,前期定期試験およびレポートで評価する.
6 複素関数の連続性の判定や,関数の正則性について理解できているか,後期中間試験およびレポートで評価する.
7 正則関数の基本的な性質を理解するとともに,その写像を描くことができているか,後期中間試験およびレポートで評価する.
8 基本的なラプラス変換を定義式から求めることができているか,後期中間・定期試験およびレポートで評価する.
9 ラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができているか,後期中間・定期試験およびレポートで評価する.
10 ラプラス変換を用いて常微分方程式を解くことができているか,後期定期試験およびレポートで評価する.




成績は,試験70% レポート30% として評価する.試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「リメディアル線形代数」:桑村雅隆著(裳華房)  
「新版応用数学」:岡本和夫他著(実教出版)
「新版応用数学演習」:岡本和夫他著(実教出版)
参考書 「新編 高専の数学2 問題集(第2版)」:田代嘉宏編(森北出版)
「入門線形代数」: 三宅 敏恒 著 (培風館)
「新編 高専の数学2(第2版)」: 田代嘉宏 編(森北出版)
「新編 高専の数学3(第2版)」: 田代嘉宏 編(森北出版)
関連科目 D2「数学II」,D4「応用数学」,D4「電気回路III」,D4「制御工学I」,D5「制御工学II」
履修上の
注意事項
内容が多岐にわたっており,進捗ペースも速いと思われるので,予習・復習を行い,そのつど授業内容を理解するように努めること.

【授業計画( 電気数学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ベクトル・行列・1次変換の復習と固有値や固有ベクトル
ベクトルや行列や1次変換について復習を行い,2次正方行列における固有値や固有ベクトルの性質を説明し,演習する.
2 ベクトルの1次独立性
線形代数の理論の出発点となるベクトルの1次独立性について説明し,演習する.
3 連立1次方程式と掃き出し法
連立1次方程式の掃き出し法による解法を説明し,演習する.
4 行列の基本変形とランク
行列の基本変形の方法を説明する.またランク(階数)の定義と求め方を説明し,演習する.
5 連立1次方程式の解の構造
行列のランクと連立1次方程式の解の種類の関係について説明し,演習する.
6 行列式の定義と性質
行列式の定義と性質について説明し,演習する.
7 行列式の計算
行列式の計算方法を説明し,演習する.簡単な応用についても説明する.
8 中問試験
1〜7回までの内容について試験する.
9 行列式の余因子展開とクラメルの公式
余因子行列と連立方程式のクラメルの公式による求め方を説明し,演習する.
10 ベクトル空間
ベクトル空間とはどういうものかを説明し,演習する.
11 ベクトル空間の基底と次元
一般的なベクトル空間におけるベクトルの1次独立性を説明し,ベクトル空間の基底と次元について説明し,演習する.
12 線形写像
ベクトル空間における線形写像の概念を説明し,行列による表示の方法を説明し,演習する.
13 固有値と固有ベクトル
n次正方行列に対する固有値,固有ベクトルの求め方を説明し,演習する.
14 行列の対角化
固有値,固有ベクトルを利用して,行列を対角化する方法を説明し,演習する.
15 対称行列の対角化とその応用
対称行列での固有値と固有ベクトルの性質を説明し,応用として2次曲線の標準化について説明し,演習する.
16 複素数と複素関数
複素数の極形式を復習し,それとオイラーの公式の関係を示し,基本的な複素関数を説明し,演習する.
17 複素関数とその微分
基本的な複素関数を紹介し,複素関数の極限,連続性,微分という一連の流れを示し,演習する.
18 正則関数の基本
正則関数の意味を説明し,複素関数が正則関数であるための必要十分条件であるコーシー・リーマンの関係式を導き,演習する.
19 調和関数と逆関数
逆関数の性質と対数関数を紹介する.また,正則関数の実部と虚部が調和関数であることを説明し,演習する.
20 等角写像
正則関数による写像は等角性を持つことを示し,演習する.
21 ラプラス変換の定義
ラプラス変換について定義式と簡単な変換例を示し,演習する.
22 基本的な関数のラプラス変換
基本的な関数についてのラプラス変換の例を示し,演習する.
23 中間試験
16〜22回までの内容について試験する.
24 ラプラス変換の基本的性質(1)
ラプラス変換の基本的性質(線形性,相似性,移動法則)について説明し,演習する.
25 ラプラス変換の基本的性質(2)
ラプラス変換における微分積分法則について説明し,演習する.
26 たたみこみのラプラス変換
たたみこみの定義と,そのラプラス変換の考え方と結果について説明する.
27 逆ラプラス変換の定義
逆ラプラス変換の考え方とその基本的な性質について説明し,演習する.
28 部分分数分解法
部分分数に分解することによって,逆ラブラス変換を求める手順を説明し,演習する.
29 常微分方程式への応用
ラプラス変換を用いると,定数係数線形の常微分方程式が容易に解けることを示し,演習する.
30 演習
これまでに学習した内容について,演習を行う.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.