科 目 | 応用無機化学I ( Applied Inorganic Chemistry I ) | |||
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担当教員 | 宮下 芳太郎 教授 | |||
対象学年等 | 応用化学科・5年・前期・必修・2単位 ( 学修単位II ) | |||
学習・教育 目標 |
A4-C2(100%) | |||
授業の概要 と方針 |
錯体は,金属イオンと配位子の組み合わせにより多種多様な構造や物性,反応性を有する.本科目では,錯体に関する基礎理論やその応用について講義する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A4-C2】 錯体化学の歴史と現状について理解できる. | 2 | 【A4-C2】 錯体の特性や多様性と周期表との関連について理解できる. | 3 | 【A4-C2】 単核錯体および多核錯体の構造の特徴について理解できる. | 4 | 【A4-C2】 錯体特有の異性現象および異性体の選択性について理解できる. | 5 | 【A4-C2】 錯体の結合理論について理解できる. | 6 | 【A4-C2】 錯体の電子スペクトルや磁性の原理について理解できる. | 7 | 【A4-C2】 錯体における配位子置換反応について理解できる. | 8 | 【A4-C2】 生体関連分野や超分子化学分野における錯体の利用について理解できる. | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 錯体化学の歴史と現状について理解し,説明できるかを,中間試験で評価する. | |
2 | 錯体の特性や多様性と周期表との関連について理解し,説明できるかを,中間試験およびレポートで評価する. | |||
3 | 単核錯体および多核錯体の構造の特徴について理解し,説明できるかを,中間試験およびレポートで評価する. | |||
4 | 錯体特有の異性現象および異性体の選択性について理解し,説明できるかを,中間試験およびレポートで評価する. | |||
5 | 錯体の結合理論について理解し,説明できるかを,定期試験で評価する. | |||
6 | 錯体の電子スペクトルや磁性の原理について理解し,説明できるかを,定期試験およびレポートで評価する. | |||
7 | 錯体における配位子置換反応について理解し,説明できるかを,定期試験およびレポートで評価する. | |||
8 | 生体関連分野や超分子化学分野における錯体の利用について理解し,説明できるかを,定期試験およびレポートで評価する. | |||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験80% レポート20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「化学の指針シリーズ 錯体化学」:佐々木陽一・柘植清志 著(裳華房) | |||
参考書 | 「新版 錯体化学−基礎と最新の展開」:基礎錯体工学研究会 編(講談社) 「金属錯体の構造と性質」:三吉克彦 著(岩波書店) 「プログラム学習 錯体化学」:水町邦彦・福田豊 著(講談社) 「詳説 無機化学」:福田豊・海崎純男・北川進・伊藤翼 編(講談社) 「無機化合物・錯体―生物無機化学の基礎 第3版」:梶英輔 編(広川書店) |
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関連科目 | C2「無機化学I」「分析化学I」「応用化学実験I(無機合成)」,C3「無機化学II」「分析化学II」,C4「応用化学実験III(機器分析)」 | |||
履修上の 注意事項 |
上記関連科目を十分に理解した上で履修することが望ましい. |
週 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 錯体化学序論 |
配位子が金属イオンに配位結合した物質を錯体と呼ぶ.錯体の定義について簡単に復習した後,錯体を扱う学問である錯体化学の歴史と現状について紹介する. | |
2 | 錯体と周期表 |
錯体の構造や性質は金属の種類や酸化状態,配位子の種類によって大きく変化する.このような錯体の特性や多様性について周期表と関連づけて解説する. | |
3 | 錯体の構造(1) |
1つのみの金属イオンを有する錯体を単核錯体と呼ぶ.単核錯体の配位数と構造について解説する. | |
4 | 錯体の構造(2),種々の配位子 |
複数の金属イオンを有する錯体を多核錯体と呼ぶ.多核錯体の構造と金属間結合について解説する.また,種々のキレート配位子を紹介する. | |
5 | 錯体の命名法,錯体の異性現象(1) |
2005年のIUPAC勧告で改訂された錯体の命名法について解説する.錯体特有の構造異性体について解説する. | |
6 | 錯体の異性現象(2) |
錯体特有の立体異性体(幾何異性体,鏡像異性体,ジアステレオ異性体)について解説する.立体配置と立体配座について解説する. | |
7 | キラリティ,異性体の選択性 |
キラリティ記号について整理する.錯体合成において,特定の異性体を選択的に得る方法や分離・分割する方法について解説する. | |
8 | 中間試験 |
中間試験を行う. | |
9 | 中間試験解答,錯体の結合理論(1) |
中間試験の解答を行う.原子価結合(VB)理論について解説する. | |
10 | 錯体の結合理論(2) |
結晶場(CF)理論について解説する.特に,結晶場安定化エネルギー,分光化学系列,ヤーン・テラー効果について解説する. | |
11 | 錯体の結合理論(3) |
配位子場(LF)理論について解説する.特に,有機金属錯体と関連深いπ逆供与について解説する. | |
12 | 電子スペクトル(1) |
錯体の色と密接に関連する紫外可視吸収スペクトルを中心に,d-d遷移やCT遷移について解説する. | |
13 | 電子スペクトル(2),磁性 |
旋光性や円二色性について解説する.錯体中の不対電子が関与する磁性について解説する. | |
14 | 配位子置換反応 |
置換活性錯体と置換不活性錯体の反応性の違いについて解説する.トランス効果とトランス影響について解説する. | |
15 | 錯体の応用 |
生体関連化学分野や超分子化学分野における錯体の利用について紹介する. | |
備 考 |
本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する. |