【 2017 年度 授業概要】
科   目 応用パワーエレクトロニクス ( Advanced Power Electronics )
担当教員 茂木 進一 教授、道平 雅一 教授、南 政孝 准教授
対象学年等 電気電子工学専攻・1年・前期・選択・2単位
学習・教育
目標
A4-AE5(100%)
授業の概要
と方針
パワーエレクトロニクスは,制御工学,電力工学,デバイス工学の3領域の複合領域に位置する分野であり,すでに産業界では重要な基盤技術となっている.特に,電源周辺機器,モータードライブ,新エネルギー利用では,不可欠な要素技術である. 本講義では,電力変換装置や電力用デバイスの基礎について学習するとともに,近年,最も使用されているインバータに重点を置き,講義,レポートを中心とした講義を行う.



1 【A4-AE5】 各種,パワーエレクトロニクス機器の動作や特徴を理解するとともに電力,実効値,平均電圧,周波数分布などの諸量を算出することができる.
2 【A4-AE5】 瞬時空間ベクトル制御の特徴を理解し,三相二相変換やd-q変換の計算ができる.
3 【A4-AE5】 インバータ回路に対してシミュレーション解析ができ,その結果を評価するとともに考察しまとめることができる.
4 【A4-AE5】 パワーエレクトロニクス分野の最新動向を知るとともに,その利点と問題点について説明することができる.
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1 各種回路における平均電圧や周波数分布等の算出ができるかを定期試験により評価する.
2 瞬時空間ベクトル理論の理解度や三相二相変換,d-q変換の算出ができるかを定期試験により評価する.
3 提出したレポート及びそのプレゼンテーションにおいて(質疑応答を含む),制御の特徴や出力波形の解析が行われているかなどその理解度を評価する.具体的にはインバータの様々な制御法に関する課題とする.
4 現状の課題やメリットなどを理解しているかを定期試験で評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.定期試験の85%(85点)とレポート15点の合計100点満点で60点以上を合格とする.また,プレゼンテーションの評価は,レポート点内に含むものとする.
テキスト 資料配布
参考書 「基礎パワーエレクトロニクス」:河村篤男,松井景樹 他 コロナ社
「パワーエレクトロニクス回路」:電気学会半導体電力変換システム調査専門委員会 オーム社
関連科目 パワーエレクトロニクス,制御工学,電気回路,半導体工学,応用数学
履修上の
注意事項
関連科目としてこれまでに,パワーエレクトロニクス,電気回路(三相回路),電気機器,応用数学に関する科目を修得していることが望ましいが,修得していなくても興味を持って取り組めば理解できるような授業計画にはしている.

【授業計画( 応用パワーエレクトロニクス )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 パワーエレクトロニクスの概要
パワーエレクトロニクスの概要,現状の課題などを理解する.
2 整流回路と制御技術
全波整流,半波整流回路について説明し,平均出力電圧などの諸量の算出ができる.
3 チョッパ回路と制御技術
昇圧チョッパ,降圧チョッパ,昇降圧チョッパの回路について説明し,入出力電圧,電流の関係式や各部電圧などの導出ができる.
4 復習,演習
整流回路,チョッパについての復習,演習を行う.様々な問題に対しても諸量が求められる.
5 単相インバータの基本動作
単相インバータの基本動作について説明する.また,そのときの高調波について解析することができる.フーリエ級数の計算ができるように予習しておくこと.
6 単相インバータの制御法
主にPWM制御について解説する.三角波比較法,ヒステリシスコンパレータ法などの原理を理解する.
7 三相インバータの基本動作
三相方形波インバータの動作原理と線間電圧,相電圧について解説するとともにその高調波について説明する.フーリエ解析からその特徴が理解できる.
8 三相インバータの特性評価
三相インバータの制御法について述べる.このとき,ベクトル制御の利点について理解する.
9 スイッチング関数と瞬時空間ベクトル制御1
スイッチング関数の定義と電圧空間ベクトルについて解説する.これらを理解し,三相二相変換による計算ができる.
10 スイッチング関数と瞬時空間ベクトル制御2
d-q変換について解説し,得られるd軸ベクトル,q軸ベクトルの特徴等について解説する.これらを理解するとともに,d-q変換の計算ができる.
11 スイッチング関数と瞬時空間ベクトル制御3
電圧電流方程式を用いて,三相二相変換,d-q変換し,得られた結果からベクトル制御法の特徴を理解する.
12 応用例
インバータの応用例について理解を深める.また,シミュレーションの課題について説明する.
13 シミュレーション結果の評価1
課題に対するシミュレーション結果をレポートとしてまとめ,プレゼンテーションを行う.課題の内容を理解し,その特徴について考察することができる.
14 ミュレーション結果の評価2
課題に対するシミュレーション結果をレポートとしてまとめ,プレゼンテーションを行う.課題の内容を理解し,その特徴について考察することができる.
15 総括
これまでの内容について総括する.本科目に対する全体的な理解を深めることができる.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期定期試験を実施する.本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期定期試験を実施する.