【 2017 年度 授業概要】
科   目 分子生物学II ( Molecular Biology II )
担当教員 下村 憲司朗 准教授
対象学年等 応用化学専攻・2年・前期・選択・2単位
学習・教育
目標
A4-AC5(100%)
授業の概要
と方針
分子生物学は,生物活動のメカニズムを分子レベルで理解しようとする学問であり,この分子生物学の進歩により,遺伝子組換え等の遺伝子工学が発達してきた.本講義においては,分子生物学の基礎を確認しながら遺伝子工学の基礎と応用について解説する.



1 【A4-AC5】 遺伝子工学に用いられる酵素類の使用法と特徴を理解できる.
2 【A4-AC5】 遺伝子工学における分子解析手法について理解できる.
3 【A4-AC5】 遺伝子クローニングに関わる技術を理解できる.
4 【A4-AC5】 遺伝子発現解析および機能解析手法を理解できる.
5 【A4-AC5】 生物工学分野への遺伝子工学技術の応用を理解できる.
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1 遺伝子工学に応用されている代表的な酵素類について,特徴や使用法を説明できるかを中間試験とレポートで評価する.
2 遺伝子工学における分子解析手法について,原理を記述できるかを中間試験とレポートで評価する.
3 遺伝子クローニングの流れや,使用する技術および原理について説明できるかを中間試験とレポートで評価する.
4 遺伝子発現の量や位置の解析法や遺伝子機能の解析法の原理について説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
5 遺伝子工学技術を応用した物質生産,作物生産手法について説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.結果によっては再試験を実施する場合がある.
テキスト 「基礎生物学テキストシリーズ10 遺伝子工学」:近藤 明彦,芝崎 誠司 (化学同人)
プリント
参考書 「Essential 細胞生物学」:中村 桂子,松原 謙一 訳 (南江堂)
「ヴォート 基礎生化学」:田宮 信雄ら 訳 (東京化学同人) 
「分子生物学の基礎」:川喜田 正夫 (東京化学同人)
「遺伝子工学」:柴 忠義 (IBS出版)
関連科目 C2生物,C4生物化学I,C5生物化学II,C4生物工学,AC1分子生物学I
履修上の
注意事項
C2生物,C4生物化学I,C5生物化学II,C4生物工学を復習しておくことが必要である.

【授業計画( 分子生物学II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
遺伝工学分野を学ぶにあたり,その背景について理解する.
2 遺伝子工学で用いる酵素
制限酵素,DNAポリメラーゼ等,遺伝子工学で用いられる代表的な酵素の性質,利用法について理解する.
3 遺伝子工学における分子解析手法(1)
各種電気泳動やハイブリダイゼーション技術の原理について理解する.
4 遺伝子工学における分子解析手法(2)
DNAの塩基配列やタンパク質の構造解析手法の原理について理解する.
5 核酸の調整と形質転換
目的のDNA構造物の構築,宿主への導入,宿主からのDNAの回収法について原理を理解する.
6 遺伝子クローニング(1)
ゲノムライブラリーとcDNAライブラリーの構築法について理解する.
7 遺伝子クローニング(2)
ゲノムライブラリーとcDNAライブラリーの利用法について理解する.
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う.
9 中間試験の解答および発現系(1)
中間試験の解説を行う.また,原核細胞と真核細胞を用いたタンパク質発現系の構築法について理解する.
10 発現系(2)
原核細胞と真核細胞を用いたタンパク質発現系の利用法について理解する.
11 機能解析手法(1)
遺伝子発現の局所性解析,網羅的解析に用いられる手法原理を理解する.
12 機能解析手法(2)
タンパク質発現の局所性解析,網羅的解析に用いられる手法原理を理解する.
13 バイオプロダクション
アミノ酸発酵を中心に,遺伝子工学を用いた物質生産の例を理解する.
14 植物バイオテクノロジー
作物育種の原理を学び,研究段階の遺伝子組換え作物の例を理解する.
15 バイオエネルギーとバイオ材料
バイオマス利用の現状と問題点を理解する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.