【 2016 年度 授業概要】
科   目 応用物理 ( Applied Physics )
担当教員 谷口博 准教授
対象学年等 都市工学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A2(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)
授業の概要
と方針
「力学」問題に,「振動」,「波の伝搬」分野も加えた内容について理解する.具体的問題を取り上げて理解度を上げることを試みる.また,自然現象のうち,電気磁気的現象を理解する上で重要な基礎的概念を修得し,それを現実の問題に応用する能力を養う.



1 【A2】 力学で用いるベクトルの基本法則の意味を理解し,極座標系などの問題を解くことができる.
2 【A2】 質点の力学に関する基本法則の意味を理解し,重力や中心力などが作用する系にこの法則を適用して解くことができる.
3 【A2】 振動に関する基本法則の意味を理解し,振動系にこの法則を適用して解くことができる.
4 【A2】 剛体の力学に関する基本法則の意味を理解し,剛体の運動問題に関してこの法則を適用して解くことができる.
5 【A2】 電荷間に働くクーロン力,近接作用としての電界,電位などの関係を理解する.
6 【A2】 電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を理解する.
7 【A2】 磁界における磁荷に働く力,すなわち磁気のクーロンの法則について理解する.
8 【A2】 ファラデーの法則や諸定理の応用ができるようになる.
9 【A2】 電磁波の特性とそのエネルギーについて理解する.
10  












1 ベクトルの基本法則を理解しているかどうか演習問題のレポートおよび中間試験によって評価する.
2 質点の力学に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび中間試験および定期試験によって評価する.
3 振動に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび中間試験によって評価する.
4 剛体の力学に関する問題の解を求められるかどうかを演習問題のレポートおよび定期試験によって評価する.
5 電荷間に働くクーロン力,近接作用としての電界,電位などの関係を理解しているかどうかを演習問題のレポートおよび中間試験で評価する.
6 電流や電気抵抗の概念とその取り扱い方を理解しているかどうかを演習問題のレポートと中間試験で評価する.
7 磁気のクーロンの法則について理解しているかどうかを演習問題のレポートと定期試験で評価する.
8 ファラデーの法則や諸定理の応用ができるかどうかを演習問題のレポートと定期試験で評価する.
9 電磁波の特性とそのエネルギーについて理解しているかどうかを演習問題のレポートと定期試験で評価する.
10  




成績は,試験80% レポート20% として評価する.100点満点とし60点以上を合格とする.試験成績は中間試験,定期試験の平均点とする.
テキスト 「New Introduction to Physics」:御法川幸雄(学術図書出版社)
「基礎力学演習」:後藤憲一(共立出版)
参考書 「力学」:原島鮮著(裳華房)
「電気磁気学」:石井良博著(コロナ社)
「100問演習電磁気学」:今崎正秀著(共立出版)
「ビジュアルアプローチ 力学」:為近和彦著(森北出版)
「ビジュアルアプローチ 電磁気学」:前田和茂・小林俊雄著(森北出版)
関連科目 物理
履修上の
注意事項
関連科目は1年および2年の物理である.本教科は1,2年の物理の内容を踏まえ,その応用および1,2年で触れなかった範囲を講義する.相互に関連の少ない幅広い分野の内容を学ぶことになる.授業に対する理解もその都度完結するよう,予習・復習を必須とする.理解の定着をはかるため,適宜,レポート課題を宿題として課す.すべてのレポート課題提出が単位取得の必要条件である.

【授業計画( 応用物理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 物理量の記述,運動の表し方1
単位系と次元,ベクトルとスカラー,質点の概念,位置と座標系(デカルト座標系,極座標系,円柱座標系),ベクトルの基本定理(単位ベクトル,位置ベクトル,変位ベクトル,スカラー積,ベクトル積)について学習する.
2 運動の表し方2
速度と加速度の表し方,計算方法,接線成分と法線成分の表現方法について学習する.
3 運動の表し方3
2次元極座標系について理解し,2次元極座標系による速度と加速度の表現,円運動と面積速度について学習する.
4 運動の法則
ニュートンの運動の3法則と運動方程式の立て方と解き方について学習する.
5 単振動
単振動の運動方程式について学習する.
6 減衰振動と強制振動
減衰振動と強制振動について学習する.
7 束縛運動
束縛力(抗力,張力)について理解し,束縛運動(斜面をすべる物体の運動,単振り子)の運動方程式について学習する.
8 中間試験
これまでに学んだ範囲について出題する.
9 仕事とエネルギー
仕事,保存力とポテンシャル,運動エネルギーと仕事の関係,力学的エネルギー保存則について学習する.
10 万有引力と惑星の運動
万有引力とケプラーの法則について理解し,惑星や人工衛星の運動について学習する.
11 見かけの力(慣性力)
慣性系と非慣性系,並進座標系,回転座標系,様々な慣性力について理解し,慣性系と非慣性系での運動について学習する.
12 質点系の力学
運動量保存の法則,力積,弾性衝突・非弾性衝突,重心,角運動量と力のモーメント,角運動量保存則について学習する.
13 剛体の運動1
慣性モーメント,剛体のつりあいと運動に関する基本定理について学習する.
14 剛体の運動2
慣性モーメント,剛体のつりあいと運動に関する基本定理について学習する.
15 剛体の運動3
重心の運動,重心に相対的な運動,剛体の平面運動について学習する
16 静電場1
静電場における電荷と電荷に働く力,すなわちクーロンの法則について学習する.
17 静電場2
電場と電位,電流と電力について学習する.
18 静電場3
電気回路の基本となる抵抗の接続,キルヒホッフの法則について学習する.
19 静電場4
連続的に分布する電荷がつくる電場の計算方法について学習する.
20 ガウスの法則
ガウスの法則について理解し,様々な電荷分布における電場の計算方法について学習する.
21 微分型のガウスの法則
微分形のガウスの法則,連続的に分布する電荷がつくる電位について学習する.
22 コンデンサー
導体と静電誘導,静電場中の導体,導体板と電場について学習し,コンデンサーの原理について理解する.
23 中間試験
後期のこれまでに学んだ範囲について出題する.
24 中間試験解答,静磁場1
中間試験の解答を解説する.磁石と静磁場,ローレンツ力について学習する.
25 静磁場2
運動している電荷による磁場,ビオ・サバールの法則,アンペールの法則について学習する.
26 電磁誘導1
誘導起電力と誘導電流について学習する.
27 電磁誘導2
運動する回路に生じる起電力について学習する.
28 電磁波1(変位電流)
拡張されたアンペールの法則について解説する.
29 電磁波2(電磁方程式)
マクスウェルの電磁方程式について解説する.
30 電磁波3(電磁波)
電磁波の特性とそのエネルギーについて解説する.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.