【 2016 年度 授業概要】
科   目 材料工学 ( Material Engineering )
担当教員 西田 真之 教授
対象学年等 機械工学科・3年D組・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-M1(100%)
授業の概要
と方針
金属の結晶構造,強度,破壊等の基本概念を身に付け,工業分野で広く使用されている普通鋼,合金鋼,鋳鋼,非鉄金属等の主な品質,特性,用途を理解することによって,機械設計・製作加工に際して材料,加工法等の選択判断が適正にできる能力を養う.



1 【A4-M1】 金属の結晶構造,変形,強度,破壊等の基本概念を理解できる.
2 【A4-M1】 材料の非破壊試験法,機器分析,腐食・防食の概要を理解できる.
3 【A4-M1】 代表的工業用材料である普通鋼,合金鋼,鋳鋼,非鉄金属等の主な品質,特性,用途を理解できる.
4 【A4-M1】 鉄鋼材料の主な表面硬化技術を理解できる.
5 【A4-M1】 代表的な耐食材料について, 開発過程とその特徴についてを理解できる.
6 【A4-M1】 レアメタル, 環境に優しい代替材料の現状や今後のやり方を理解できる.
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1 代表的な結晶構造,すべり系,強化機構,破壊機構等が理解できているかレポート,前期中間試験で評価する.
2 非破壊試験法,機器分析等の概要が理解できているかレポート,前期定期試験で評価する.
3 代表的工業材料の品質,特性,用途等が理解できているかレポート,前期定期試験,後期中間試験で評価する.
4 高周波焼入れ,浸炭,窒化技術等の概要が理解できているかレポート,後期定期試験で評価する.
5 代表的耐食材料の開発過程とその特徴を理解できているかレポート,後期中間試験及び後期定期試験で評価する.
6 地下資源や環境の保護の状況,重要性が理解できているかレポート,後期定期試験で評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.試験点は中間試験と定期試験の点数を平均する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「材料学」久保井徳洋,樫原恵蔵 著(コロナ社)
参考書 「環境材料学」長野博夫,他著(共立出版)
「機械材料学」平川賢爾,他 著(朝倉書店)
「レアメタル」 (独)産業技術総合研究所編((株)工業調査会)
「最新さびの基本と仕組み」長野博夫,他著(秀和システム)
関連科目 材料工学(2年)
履修上の
注意事項
材料は産業分野で広く使用されているものを中心に取り上げることから実用イメージを描きながら履修すること.

【授業計画( 材料工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 金属材料の結晶構造
金属材料の原子の構成,代表的な結晶構造及び原子充填率を理解する.
2 金属材料の加工硬化
材料の引張り変形過程での加工硬化現象を応力−歪曲線と対応させて説明する.
3 金属材料の強化機構 1
金属材料の代表的な強化機構である加工硬化,固溶効果,細粒硬化の基本を理解する.
4 金属材料の強化機構 2
金属材料の代表的な強化機構である析出硬化,変態組織硬化の基本概念を理解する.
5 金属材料の破壊 1
金属材料の代表的な破壊現象である延性破壊,脆性破壊を概説する.
6 金属材料の破壊 2
金属材料の代表的な破壊現象である疲労破壊を概説し,破面の特徴と関連付ける.
7 金属材料の破壊 3
金属材料の代表的な破壊現象であるクリープ現象について概説し,高温装置の安全性を理解する.
8 中間試験
上記講義内容の重要事項に関する理解度を評価する.
9 非破壊試験
非破壊試験の重要性を概説し,各種非破壊試験法の特徴を説明する.
10 機器分析(元素分析)
金属材料の代表的な組成分析法を紹介し,材料設計・問題解決のための活用事例を紹介する.
11 機器分析(構造解析)
金属材料の微細構造,表面構造,組織解析等に用いられている代表的表面物理解析法を紹介する.
12 製鉄プロセス
鉄鋼材料の最近の製造プロセス及び品質造りこみのポイントを理解する.
13 普通鋼
Fe-C系状態図の説明と顕微鏡組織と機械的性質及び耐食性との関係を理解する.
14 低合金鋼
低合金鋼について,強度及び耐食性の面から特徴を説明する.
15 鋳鉄
鋳鉄の種類,品質,用途等について説明する.
16 演習
学習内容をまとめ,問題を解く.
17 ステンレス鋼1
ステンレス鋼の歴史,並びにフェライト系及びマルテンサイト系ステンレス鋼の特徴を概説する.
18 ステンレス鋼2
オーステナイト系及び二相系ステンレス鋼の特徴を概説する.
19 鋳鋼
鋳鋼の種類,特徴,用途について説明する.
20 アルミニウム
アルミニウムの製造方法,結晶構造,機械的性質,耐食性及び表面処理などについて説明する.
21
銅の製造方法,結晶構造,機械的性質,耐食性等について説明する.
22 ニッケル
ニッケルの製造方法,結晶構造,耐食性及び耐熱性等の紹介をする.
23 中間試験
上記講義内容の重要事項に関する理解度を評価する.
24 チタン
チタンの製造方法,結晶構造,溶接法,耐食性などについて説明する.
25 鉄鋼材料の表面硬化法
鉄鋼材料の表面硬化法として,焼入れ,ショットピーニング,浸炭,窒化などについて紹介する.
26 耐海水性二相ステンレス鋼
塩化物環境に対して高耐食性を有する二相ステンレス鋼の開発経過と用途について説明する.
27 原子力発電用材料
軽水炉に使用されている極低炭素ステンレス鋼及びニッケル基合金の開発経過と特長を説明する.
28 レアメタル
レアメタルの紹介と有効利用について説明する.
29 複合材料
複合材料の種類,特徴を概説し,各種用途に対する複合材料の活用を紹介する.
30 演習
学習内容をまとめ,問題を解く.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.