科 目 | 哲学 ( Philosophy ) | |||
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担当教員 | 稲岡 大志 非常勤講師 | |||
対象学年等 | 全学科・5年・通年・選択・2単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・ 教育目標 |
C3(80%), D2(20%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(a),(b) | |||
授業の概要 と方針 |
哲学とはじっくりと考えることで世界についての理解を深める(あるいは世界についての見方を変えてしまう)学問である. まず, 授業前半では「思考実験」と呼ばれる哲学特有の方法について学ぶ. 授業後半では, 前半の内容を踏まえた上で, 科学的方法論, 言語, 時間などといった, 科学哲学と呼ばれる分野における主題を取り上げて, 具体的な問題について学ぶ. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 言語や心や時間などにまつわる哲学的問題について, その要点を理解し, 自分なりの哲学的思考ができるようになること. | 2 | 【D2】 哲学特有の方法論である「思考実験」について具体的に学ぶことで, 哲学的方法論や哲学的思考についての理解を深めること. | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 言語や心や時間などにまつわる哲学的問題について, その要点を理解し, 自分なりの哲学的思考ができるようになったかをレポート, 小テスト, 定期試験で評価する. | |
2 | 哲学特有の方法論である「思考実験」について学ぶことで, 哲学的方法論や哲学的思考についての理解を深めることができるようになったかをレポート, 小テスト,定期試験で評価する. | |||
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総 合 評 価 |
成績は,試験60% レポート20% 小テスト20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.レポートと小テストの評価の割合が大きいのは,哲学の基本的概念を正しく理解していることを確認する機会をレポートや小テストとして設けることで,より確実に授業内容が理解できるようにするためである. | |||
テキスト | 「100の思考実験−−あなたはどこまで考えられるか」ジュリアン・バジーニ, 向井和美訳(紀伊國屋書店) 授業内で配布するプリント |
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参考書 | 講義時に資料を配布する. | |||
関連科目 | 倫理 | |||
履修上の 注意事項 |
なし |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | イントロダクション |
「思考実験」と呼ばれる哲学特有の方法論に関して講義し,大まかなイメージを得ることができるようにする. | |
2 | ユニット1−1 |
教科書の課題となる箇所を読み, 3−5人程度のグループで議論して, 意見や疑問点などをまとめる. | |
3 | ユニット1−2 |
前回の授業で出された意見や疑問点などを踏まえた講義をおこない, 内容の理解を深める. | |
4 | ユニット1−3 |
課題について再度グループで議論して, その成果を皆の前で報告することで, さまざまな意見に触れるようにする. | |
5 | ユニット2−1 |
教科書の課題となる箇所を読み, 3−5人程度のグループで議論して, 意見や疑問点などをまとめる. | |
6 | ユニット2−2 |
前回の授業で出された意見や疑問点などを踏まえた講義をおこない, 内容の理解を深める. | |
7 | ユニット2−3 |
課題について再度グループで議論して, その成果を皆の前で報告することで, さまざまな意見に触れるようにする. | |
8 | 中間のまとめ |
ユニット1および2で学んだ内容を小テストによって振り返り, 理解を確実なものにする. | |
9 | ユニット3−1 |
教科書の課題となる箇所を読み, 3−5人程度のグループで議論して, 意見や疑問点などをまとめる. | |
10 | ユニット3−2 |
前回の授業で出された意見や疑問点などを踏まえた講義をおこない, 内容の理解を深める. | |
11 | ユニット3−3 |
課題について再度グループで議論して, その成果を皆の前で報告することで, さまざまな意見に触れるようにする. | |
12 | ユニット4−1 |
教科書の課題となる箇所を読み, 3−5人程度のグループで議論して, 意見や疑問点などをまとめる. | |
13 | ユニット4−2 |
前回の授業で出された意見や疑問点などを踏まえた講義をおこない, 内容の理解を深める. | |
14 | ユニット4−3 |
課題について再度グループで議論して, その成果を皆の前で報告することで, さまざまな意見に触れるようにする. | |
15 | 最終のまとめ |
ユニット3および4で学んだ内容を振り返り, 理解を確実なものにする. | |
16 | 科学について考えてみよう(1) |
「科学」と呼ばれる営みについて理解するために, 演繹, 帰納, 仮説演繹法といった自然科学の方法論について講義し, その要点と問題点についての理解を深める. | |
17 | 科学について考えてみよう(2) |
前回の講義を踏まえた上で, 自然科学の方法論について講義し, その要点と問題点についての理解を深める. | |
18 | 科学について考えてみよう(3) |
科学哲学における「帰納の正当化」の問題について講義し, その要点と問題点についての理解を深める. | |
19 | 科学について考えてみよう(4) |
科学と疑似科学の違いや法則的一般化をめぐる問題について講義し, その要点と問題点についての理解を深める. | |
20 | 言葉の意味とは何か? |
言葉の意味について, 言語哲学の議論を講義する. 意味のイメージ説や心理主義といった考え方のどこが間違っているのか, 意味の指示対象説はどういう利点を持つのか, といった点についての理解を深める. | |
21 | 言葉の意味とは何か?(続き) |
固有名をめぐるパズルを取り上げて, 現代の言語哲学の基礎的理論の一つであり, 哲学的分析のお手本とも言われる記述理論についての理解を深める. また, そのために必要な初等レベルの論理学についても講義する. | |
22 | 可能世界意味論 |
必然性や偶然性といった様相概念を扱う理論である可能世界意味論について, 基本的な事項を講義する. これにより,様相表現を含む文の意味が何であるのかを理解する. | |
23 | 可能世界意味論(続き) |
クリプキの固定指示子やルイスの対応者理論について講義することで, 可能世界意味論についての理解を深める. | |
24 | 言語は存在しない? |
「言語などというものは存在しない」という言語哲学者ドナルド・デイヴィドソンのテーゼを理解するために, 寛容の原理や根源的解釈といった事項について講義する. | |
25 | 言語は存在しない?(続き) |
デイヴィドソンによる言語非存在テーゼについて講義し, 私たちの言語的コミュニケーションが可能であるのはなぜかという問いへの答えを理解する. | |
26 | 「この教室にはドラゴンはいません」が正しいのはどうしてだろう? |
現代の分析的形而上学において議論されるtruthmaker理論について講義する. これにより, 言語と世界の結びつきについての理解を深める. | |
27 | 時間の哲学(1):過去を変えることは可能か? |
いわゆる「逆向き因果」と呼ばれる問題について講義する. 宿命論との関連などにも触れることで, 一見すると非常識的な「逆向き因果」が時間についての重要な問題を提起することが理解できるようにする. | |
28 | 時間の哲学(2):排中律と宿命論 |
前回の講義を踏まえて, 宿命論という時間の本性に関する主張と排中律という論理法則が結びついていることについて講義し, その要点と問題点の理解を深める. | |
29 | 時間の哲学(3):時間は存在しない? |
マクタガードによる時間の非実在性の論証について講義し, 時間をめぐる現代の代表的な哲学的議論が理解できるようにする. | |
30 | 時間の哲学(4):時間は存在しない?(続き) |
前回の講義を踏まえて, 時間の非実在性の論証に対する批判や批判への応答などの議論について講義し, 時間をめぐる現代の代表的な哲学的議論の理解をさらに深める. | |
備 考 |
前期定期試験および後期定期試験を実施する.前期授業は受講生のグループワークを中心に行う(進め方は授業内で説明する).受講生の理解度や関心に応じて授業内容を変更することがある. |