【 2016 年度 授業概要】
科   目 基礎化学実験 ( Laboratory Work in Fundamental Chemistry )
担当教員 下村 憲司朗 准教授, 根本 忠将 准教授, 根津 豊彦 教授,宮下 芳太郎 教授
対象学年等 応用化学科・1年・通年・必修・4単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-C1(10%), A4-C2(50%), B1(10%), B2(10%), C4(10%), D1(10%)
授業の概要
と方針
本格的な化学実験を初めて行う学生を対象としているので,化学に興味を持つことができるような内容を中心に化学実験の基礎的な技術を修得させる.また,溶液の濃度に関しては演習問題を中心に理解させる.



1 【A4-C1】 化学実験に必要な基本的な操作や器具の使用法を修得する.
2 【A4-C2】 定性分析実験の原理を理解し,操作方法を修得する.また,未知の試料に対して,含有物を同定することができる.
3 【A4-C2】 溶液の濃度が計算できる.
4 【B1】 実験結果を適切に表す図・表が書ける.
5 【B2】 操作について的確な説明ができる.
6 【C4】 期限内にレポートを提出できる.
7 【D1】 廃液を適切に分別し,処理することができる.
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1 基本操作が確実に行われ,適切な実験結果を出すことができているかを,主に実験のレポートで評価し,基本操作の意味や原理について的確に説明できるかを,主に定期試験で評価する.
2 定性分析実験の原理と操作法の理解度をレポート及び後期定期試験で評価し,更に未知試料中の含有物を同定できるかを実験技術として評価する.
3 溶解度,重量百分率,モル濃度の計算能力を毎回の小テストと前期定期試験で評価する.
4 テーマ毎のレポートの内容で評価する.
5 テーマの実験操作を正しく理解しているかをレポートの内容で評価する.
6 テーマ毎のレポートの提出状況で評価する.
7 実験廃液を水銀や重金属,有機系廃液として適切に分別するための知識を修得したかを後期定期試験で評価する.
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成績は,試験25% レポート60% 小テスト10% 実験技術5% として評価する.試験は前期,後期の平均を取る.総合評価は100点満点で60点以上を合格とする.レポートについては未提出の場合は上記の評価方法は適用せず,遅れた場合にはその日数に比例して減点する.実験技術点は,実験に臨む姿勢を総合して評価し,未知試料の同定も評価の対象とする.
テキスト 「基礎化学実験テキスト」:応用化学科 編(配布冊子)
「第7版 実験を安全に行うために」:化学同人編集部 編(化学同人)
「第3版 続・実験を安全に行うために」:化学同人編集部 編(化学同人)
参考書 「図解とフローチャートによる定性分析 第2版」:浅田 誠一・小林 基宏・内出 茂 共著(技報堂出版)
「基礎化学実験 第2版」:京都大学大学院人間・環境学研究科化学部会 編(共立出版)
「演習 溶液の化学と濃度計算−実験・実習の基礎」:立屋敷 哲 著(丸善)
「イラストで見る化学実験の基礎知識 第3版」:飯田 隆 他 編(丸善)
「化学実験における事故例と安全」:田村 昌三 編(オーム社)
関連科目 C1化学
履修上の
注意事項
実験中は安全眼鏡もしくは眼鏡を着用のこと.同時期に学習する1年生の化学をしっかりと勉強し,化学に対する十分な理解を深めていくことが望ましい.

【授業計画( 基礎化学実験 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 化学実験全般に関する説明
初めて本格的な化学実験を行うことになるので,実験に対する準備や心構え,実験室での諸注意,薬品の扱い方,実験廃液の処理方法,緊急時の行動,レポートの書き方,等々,化学実験全般に関する説明を行う.
2 ガラス細工
軟質ガラスのガラス棒とガラス管から,ブンゼンバーナーを用いて,かきまぜ棒,スポイト,ミクロスパチュラ,毛細管を作製する.
3 濃度計算(重量百分率,溶解度),粗脂肪の抽出,Bomb熱量計による炭素の発熱量の測定
化学実験には欠かせない,溶液の濃度計算等のうち,重量百分率と溶解度について解説する.また,ソックスレー抽出器を用いて,胡麻や大豆といった身近な食品から粗脂肪を抽出し,各々の食材の油分の定量を行う.また,デモンストレーションの実験として,木炭粉をトムソン熱量計で燃焼させ,炭素の発熱量を求める.
4 濃度計算(モル濃度,溶液の希釈,溶液の比重)
化学実験には欠かせない,溶液の濃度計算等のうち,モルの概念と溶液のモル濃度,溶液の密度と比重について解説する.
5 溶液の比重の測定
比重の浮き秤を用いて,食塩水等の比重を測定し,濃度と比重の間に比例(直線)関係があることを調べる.また,濃度が未知の食塩水,塩酸,水酸化ナトリウム溶液の比重を測定し,比例関係を用いて濃度を決定する.
6 石鹸の製造
簡単な有機化学実験として,石鹸の合成を行う.サラダ油にオルトけい酸ナトリウムを加え,ケン化を行い石鹸を製造する.
7 ミョウバンの合成I
ミョウバンをアルミニウムより合成し,再結晶法により高純度のミョウバン結晶を得る.
8 ミョウバンの合成II
ミョウバンをアルミニウムより合成し,再結晶法により高純度のミョウバン結晶を得る.
9 ミョウバンの融点測定
固体物質の純度を知るのに,融点を測定する方法がある.前回の実験で用意した,粗製ミョウバンと再結晶ミョウバンを使い,双方の融点を測定し,物質の純度と融点の関係を調べる.
10 蒸留法による純水の製造
液体を精製する方法として蒸留法がある.食塩とメチルオレンジを加えた水から,蒸留することによって純水を作り出す.
11 10週目までの実験のまとめあるいは工場見学
10週目までに行った実験のまとめを行う.あるいは化学系の工場や研究所,施設等を見学し,化学が活用されている現場の状況を知る.
12 定性分析法の説明,定性分析の試薬の調製・準備
定性分析(半微量分析法)の原理及び操作方法について説明する. 陽イオンの半微量定性分析で必要となる試薬の準備を行う.
13 第1属陽イオンの反応:各個反応I
第1属陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
14 第1属陽イオンの反応:各個反応II
第1属陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
15 第1属陽イオンの反応:系統分析
第1属陽イオンが全て含まれる試料溶液から,各イオンを個別に分析する方法を修得する.
16 第2属A陽イオンの反応:各個反応I
第2属A陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
17 第2属A陽イオンの反応:各個反応II
第2属A陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
18 第2属A陽イオンの反応:系統分析
第2属A陽イオンが全て含まれる試料溶液から,各イオンを個別に分析する方法を修得する.
19 第2属B陽イオンの反応:各個反応
第2属B陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
20 第2属B陽イオンの反応:系統分析
第2属B陽イオンが全て含まれる試料溶液から,各イオンを個別に分析する方法を修得する.
21 第3属陽イオンの反応:各個反応
第3属陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
22 第3属陽イオンの反応:系統分析
第3属陽イオンが全て含まれる試料溶液から,各イオンを個別に分析する方法を修得する.
23 第4属陽イオンの反応:各個反応
第4属陽イオンの特徴を理解し,各イオンの特徴的な反応を確かめる.
24 第4属陽イオンの反応:系統分析
第4属陽イオンが全て含まれる試料溶液から,各イオンを個別に分析する方法を修得する.
25 未知試料の同定
各個人に渡された,未知試料について系統分析を行い,未知試料中に含まれる陽イオンを同定する.6週に渡って行う.
26 未知試料の同定
各個人に渡された,未知試料について系統分析を行い,未知試料中に含まれる陽イオンを同定する.6週に渡って行う.
27 未知試料の同定
各個人に渡された,未知試料について系統分析を行い,未知試料中に含まれる陽イオンを同定する.6週に渡って行う.
28 未知試料の同定
各個人に渡された,未知試料について系統分析を行い,未知試料中に含まれる陽イオンを同定する.6週に渡って行う.
29 未知試料の同定
各個人に渡された,未知試料について系統分析を行い,未知試料中に含まれる陽イオンを同定する.6週に渡って行う.
30 未知試料の同定及び確認
各個人に渡された,未知試料について系統分析を行い,未知試料中に含まれる陽イオンを同定する.6週に渡って行う.


前期定期試験および後期定期試験を実施する.