| 科 目 | 世界史 ( World History ) | |||
|---|---|---|---|---|
| 担当教員 | 町田 吉隆 教授 | |||
| 対象学年等 | 全学科・5年・通年・選択・2単位 ( 学修単位I ) | |||
| 学習・ 教育目標 |
C3(80%) D2(20%) | |||
| JABEE 基準1(1) |
(a),(b) | |||
| 授業の概要 と方針 |
現代の人類社会が抱える「環境と社会」,「人種的偏見と文化的多様性」という問題を歴史的に考える.対象とする地域も時代も多岐にわたるが,テーマごとに通時的に扱う.したがって通史ではない.社会的・経済的・政治的・文化的な視点から世界史を捉えることを目的とする. | |||
| 到 達 目 標 |
1 | 【C3】 人類が直面した諸課題,気候変動や感染症などによる歴史的環境の変化を理解することができる. | 2 | 【C3】 栽培植物と農業,牧畜と遊牧などの生業形態と歴史的事件・事象の関連性について理解できる. | 3 | 【C3】 奴隷制度,近代世界システム,資本主義,文化変容などの概念装置を用いて,人種的偏見の歴史的形成過程を理解することができる. | 4 | 【D2】 日本以外の世界の他地域について,その歴史的環境を理解した上で,当該地域における民族紛争,人種対立,異文化理解について具体的に問題点を説明することができる. | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
| 評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 人類が直面した諸課題,気候変動や感染症などによる歴史的環境の変化について理解できているかどうかを,プリントと定期試験で評価する. | |
| 2 | 栽培植物と農業,牧畜と遊牧などの生業形態と歴史的事件・事象の関連性についてについて理解できているかどうかを,プリントと定期試験で評価する. | |||
| 3 | 人種的偏見の歴史的形成過程を理解できているかどうかを,プリントと定期試験で評価する. | |||
| 4 | 受講者が選んだ世界の特定地域について,歴史的環境を理解した上で,当該地域における民族・人種問題,異文化理解について,正確にかつわかりやすく説明できるかどうかを,レポートで評価する. | |||
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| 総 合 評 価 |
成績は,試験80% レポート10% プリント10% として評価する.到達目標1,2,3については授業中に作業するプリントおよび前期・後期の定期試験の平均点で評価する.到達目標4についてはレポート(具体的な作成手順は指示する)で評価する.これらを総合して100点満点で60点以上を合格とする. | |||
| テキスト | ノートおよびプリント講義 |
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| 参考書 | 岡田晴恵『人類vs感染症』 (岩波ジュニア新書) 石弘之『地球環境の事件簿』(岩波書店) 川北稔『砂糖の世界史』(岩波ジュニア新書) 新保満『人種的偏見』(岩波新書) ジェームス・M・バーダマン「黒人差別とアメリカ公民権運動―名もなき人々の戦いの記録 (集 |
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| 関連科目 | 歴史(1年生),歴史(2年生),日本史(5年生) | |||
| 履修上の 注意事項 |
その他の参考文献,視聴覚資料については授業中に紹介する. | |||
| 回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
|---|---|
| 1 | 導入 |
| 人類史における自然環境と歴史的環境について概観する. | |
| 2 | 気候の変動(1) |
| 気候変動と農業生産の開始に関する仮説を説明し,人類による最初の環境改造がどのように行われたかを学ぶ. | |
| 3 | 気候の変動(2) |
| ヨーロッパとアジアで起こった民族移動期の様相を学び,気候変動との関わりから,「中世社会」の成立について考える. | |
| 4 | 気候の変動(3) |
| 小氷期の到来と「17世紀の危機」の様相について学び,ヨーロツパ近代社会の成立について考える. | |
| 5 | 農業と人類史(1) |
| 栽培植物の起源,伝播と文化圏の成立について学ぶ. | |
| 6 | 農業と人類史(2) |
| 農産物の貢納と税制の発達,「食物」の商品化が人類史に与えた影響について考える. | |
| 7 | 農業と人類史(3) |
| 現代社会における農産物生産について視聴覚教材を用いて考える. | |
| 8 | 演習 |
| 今までの講義内容をプリントで整理し,その内容を構造的に理解する. | |
| 9 | 砂糖と人類史(1) |
| イスラーム世界における砂糖生産と,その商品化について学ぶ. | |
| 10 | 砂糖と人類史(2) |
| アメリカ大陸における砂糖生産と奴隷制度の関係について学び,近代世界システムの中での「食物」の商品化について考える. | |
| 11 | 砂糖と人類史(3) |
| 「コーヒーハウス」発達の歴史から,近代市民社会の特質について学ぶ. | |
| 12 | 砂糖と人類史(4) |
| 商品化された嗜好品と結びついた砂糖が近代社会で果たした役割について考える. | |
| 13 | 感染症と人類史(1) |
| 歴史的事象としてのペスト流行について学び,人類の歴史と感染症の関係について考える. | |
| 14 | 感染症と人類史(2) |
| 天然痘の流行が人類史に与えた影響と,その克服の過程について学ぶ. | |
| 15 | 感染症と人類史(3) |
| 結核やインフルエンザの流行と近代化の関係を学び,現代社会の課題について考える. | |
| 16 | 人種と民族(1) |
| 人種とは何か.民族とは何か.いくつかの定義を紹介し,その定義を具体的に検証する. | |
| 17 | 人種と民族(2) |
| 人種的偏見とは何か.そのタイプを理解し,歴史的な具体例について学ぶ. | |
| 18 | 人種間対立(1) |
| 視聴覚教材を用いて,人種間の対立の実相を知る. | |
| 19 | 人種間対立(2) |
| 人種間の摩擦,対立の背景となる社会的要因について考える. | |
| 20 | 鏡としてのカナダ(1) |
| アメリカ合州国との歴史との比較を通じて,地域主義,分離主義が国民国家としてのカナダを揺るがしている問題を考える. | |
| 21 | 鏡としてのカナダ(2) |
| 視聴覚教材を用いて,地域主義,民主主義と人種的偏見が複雑に連関していることを学ぶ. | |
| 22 | 鏡としてのカナダ(3) |
| 日系カナダ人を含むエスニックグループの歴史を学び,カナダ社会における多文化主義成立の背景を理解する. | |
| 23 | 演習 |
| 今までの講義内容をプリントで整理し,その内容を構造的に理解する. | |
| 24 | 公民権運動とは何だったのか(1) |
| 1960年代以降の公民権運動の発展と変容について学び,アメリカ合州国社会が現在も持つ課題について理解する. | |
| 25 | 公民権運動とは何だったのか(2) |
| 1960年代以降の公民権運動の発展と変容について学び,アメリカ合州国社会が現在も持つ課題について理解する. | |
| 26 | 公民権運動とは何だったのか(3) |
| 1960年代以降の公民権運動の発展と変容について学び,アメリカ合州国社会が現在も持つ課題について理解する. | |
| 27 | キング牧師とマルコムX(1) |
| M.L.キングとマルコムX,二人の足跡をたどり,両者の思想を比較して考察することを通じて,人種的偏見を克服する方法について考える. | |
| 28 | キング牧師とマルコムX(2) |
| 両者の思想的遍歴,その考え方の変容を手掛かりに,現在のアメリカ合州国社会の抱える課題について理解する. | |
| 29 | ラス・カサスの思想(1) |
| 大航海時代に生きたラス・カサスの思想的遍歴を通じて,人種的偏見の人類史的な意味について理解する. | |
| 30 | ラス・カサスの思想(2) |
| 人類史の課題としての人種的偏見を克服する道について考える. | |
| 備 考 |
前期定期試験および後期定期試験を実施する. |