【 2015 年度 授業概要】
科   目 化学 ( Chemistry )
担当教員 佐藤 洋俊 准教授
対象学年等 電気工学科・2年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
高学年の専門的な研究では様々な物質を扱うため,化学的視点が欠かせない.化学物質に関する情報を身につけ,特性を生かして研究に応用し,危険性を認識して安全に配慮しなければならない.本科目では身近な物質や専門的器具・薬品を使用し,実験題材を数多く利用して学習し,基本的な考え方を養いそれらを応用できるよう学生自ら考える授業を展開していく.



1 【A2】 試薬・溶液の特徴に注意し,器具を適正に使用して,安全に実験を行うことができる.
2 【A2】 実験から得られた結果について考察し,化学反応の量的関係を理解できる.
3 【A2】 化学の基本法則を理解し,化学反応式を元に計算をすることができる
4 【A2】 有機化合物の構造式を書くことができる.また,化学物質と社会の関わりを理解できる.
5  
6  
7  
8  
9  
10  












1 試験・実験レポート・小テストで評価する.
2 試験・実験レポート・小テストで評価する.
3 試験・実験レポート・小テストで評価する.
4 試験・実験レポート・小テストで評価する.
5  
6  
7  
8  
9  
10  




成績は,試験70% レポート15% 小テスト15% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.試験以外は,班・個人で提出するレポートや小テストを合わせて30%で評価する.指示に従わず危険な行為を行ったり,実験操作や計算,片づけを行わない者は減点する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版)
「セミナー化学基礎+化学」(第一学習社)
一般化学 (神戸高専)
参考書 「化学I・IIの新研究」卜部吉庸 著(三省堂)
関連科目 物理,数学
履修上の
注意事項
化学実験室(一般科棟5階B棟)において行う.開始時刻に遅れないこと.1年化学で学んだことが必要となるので,よく復習しておくこと.

【授業計画( 化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 反応熱
上昇温度と燃焼熱の関係について実験を通じて学ぶ..
2 熱化学方程式の応用,ヘスの法則
物質の最初と最後の状態が決まれば,反応経路にかかわらず,出入りする熱量の総和は一定である.実験を通じて学ぶ.
3 18族元素と水素
水素は宇宙に最も多く存在し,水などの化合物としても存在している.希ガスはその電子配置のため,化合物をつくりにくい.実験を通じて学ぶ.
4 17族元素(ハロゲン)
ハロゲンの単体は二原子分子で,酸化力が強い.塩素は反応性が大きく,刺激臭をもつ黄緑色の有毒な気体である.実験を通じて学ぶ.
5 16族元素(酸素,硫黄)とその化合物
硫酸は強い酸性を示し,金属と反応する硫黄の化合物である.酸素は地殻に最も多く存在し,酸素分子やオゾンの同素体がある.実験を通じて学ぶ.
6 リンと窒素,窒素化合物
窒素化合物のうち,アンモニアは無色,刺激臭の気体であり,水溶液は弱アルカリ性である.実験を通じて学ぶ.
7 アンモニアの実験
アンモニアを利用した実験を通じて,その性質を学ぶ.
8 中間試験(前期)
教科書,ノートの持ち込みは不可,計算機の持ち込みは事前に指示する.
9 アルミニウムの単体とイオン,鉛
アルミニウムイオンの性質を鉄(III)イオンと比較しながら,実験を通じて学ぶ.
10 炭素とケイ素
ダイヤモンドと黒鉛の違い,一酸化炭素と二酸化炭素の違いについて学ぶ.
11 アルカリ金属と2族元素
アルカリ金属は1価の陽イオンになりやすい.単体は密度が小さく,極めて反応性に富んでいる.マグネシウムは反応性に富む.その化合物は日常生活の中で活用されている.実験を通じて学ぶ.
12 鉄の化合物,銀の化合物
鉄はイオン化傾向が大きく,2種類のイオンが存在する.それぞれが特有の反応を示す.実験を通じて学ぶ.
13 銅とその化合物,金,白金
銅は電気及び熱伝導度が大きく,日常生活でよく利用されている.そのイオンは反応によって様々な色を呈する.
14 金属の反応
主な金属の反応式と量的関係について学ぶ.
15 金属イオンの分離
数種の金属イオンを含む水溶液から各金属イオンを分離し,確認する実験操作を行う.
16 金属イオンの分離(2)
未知試料溶液から各金属イオンを分離し,分離分析を行い,まとめる.
17 有機化合物
炭素を含む化合物を有機化合物という.構成元素は少なく,化合物の種類は非常に多い.
18 アルコール
アルコールはヒドロキシル基をもつ.数種のアルコールについて,性質を調べ,構造との関わりを考える.実験を通じて学ぶ.
19 アルコールの分解
アルコールは数度酸化された後,二酸化炭素と水に分解される.アルデヒドは分子中にアルデヒド基をもち,還元性がある.実験を通じて学ぶ.
20 ケトン・エステル化
酢酸などカルボキシル基をもつ化合物をカルボン酸という.カルボン酸とアルコールを縮合するとエステルが生成する.実験を通じて学ぶ.
21 炭化水素,分子モデルと構造異性体,化学式の決定
アルコールの構造,性質を元に炭化水素について考える.構造式の書き方を学び,異性体について考える.
22 構造異性体
分子式を基に構造異性体の構造式を書く方法を学ぶ.
23 中間試験(後期)
教科書,ノートの持ち込みは不可,計算機の持ち込みは事前に指示する.
24 元素分析
元素分析計算を行い,組成式,分子式,構造式を導く方法を学ぶ.
25 立体異性体
シス−トランス異性体と光学異性体について学ぶ.
26 油脂とけん化
油脂は脂肪酸とグリセリンのエステルである.水酸化ナトリウムを用いてけん化実験を行う.
27 芳香族化合物
ベンゼン環をもつ化合物を芳香族化合物という.芳香族炭化水素にはベンゼンやトルエンなどがある.実験を通じて学ぶ.
28 芳香族化合物(2)
身近な芳香族化合物について学ぶ.
29 高分子化合物
高分子化合物が生活の中でどのように利用されているかを実験を通じて学ぶ.
30 身の回りの化学物質と人間との関わり
無機及び有機化合物などの化学物質が社会にどのように生かされてきたか,どのような害を及ぼすことがあるか学ぶ.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.