【 2015 年度 授業概要】
科   目 情報通信ネットワーク ( Data Communications and Computer Networks )
担当教員 藤本 健司 准教授
対象学年等 電子工学科・5年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A4-D4(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
前期は,ローカルエリアネットワークの構築,管理,運営に必要な基本技術についてTCP/IPプロトコルを中心に解説する.後期は,ネットワークに関する基礎内容に引き続き,ネットワークを構築するための基本的な知識や技術を学習する.



1 【A4-D4】 TCP/IP通信に関する基礎用語の説明ができる.
2 【A4-D4】 2進数,16進数,10進数の変換ができる.
3 【A4-D4】 TCP/IP通信の仕組みが説明できる.
4 【A4-D4】 IPアドレスのクラス分けとサブネットの作成ができる.
5 【A4-D4】 OSI 各層について詳しく説明することができる.
6 【A4-D4】 クラスB程度のネットワークに対して適切にIPアドレスの割り振りを行える.
7 【A4-D4】 ルータについて(WAN 機器としての役割を含め)簡単に説明することができる.
8 【A4-D4】 ルータコンポーネントの各機能を理解し,その基本設定を理解することができる.
9 【A4-D4】 ルーティング・プロトコルについて理解することができる.
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1 TCP/IP通信に関する基礎的な用語を説明できるかどうか,中間試験を行い評価する.
2 各種変換が行えるかどうか中間試験を行い,評価する.
3 現在のネットワークの主流であるTCP/IP通信の仕組みについて理解できているかどうか定期試験を行い評価する.
4 クラスフルアドレッシングやネットワークのセグメント化に関して理解できているかどうか,演習課題及び定期試験を行い評価する.
5 OSI各層の働きについて理解できているかどうか,中間試験にて評価を行う.
6 サブネットの概念が理解でき,クラスB程度のネットワークに対して適切なIPの割り当てができるか演習課題及び定期試験にて評価を行う.
7 ルータについてその役割を理解しているか,中間試験にて評価を行う.
8 ルータコンポーネントの各機能が理解でき,基本設定を問題なく行えるかどうか,演習課題及び,定期試験により評価する.
9 ルーティングに用いられるプロトコルが理解できているかどうか,演習課題及び,定期試験により評価する.
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成績は,試験85% 演習課題15% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.なお,試験成績の最終成績は,中間試験と定期試験の単純平均とする.
テキスト Web教材
プリント
参考書 ネットワークシステム構成論(岩崎 一彦著,コロナ社)
インターネットワーキング技術ハンドブック第3版(シスコシステムズ著,ソフトバンク)
関連科目 通信工学
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 情報通信ネットワーク )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 基本的なネットワーキング
交通や郵便,そして情報など,いろいろな例をあげネットワークの定義を説明し,ネットワークの概念を学習する.
2 OSI参照モデル
ネットワークの基本モデルでもあるOSI参照モデルについて,その成り立ちや機能について学習する.
3 ローカルエリアネットワークの概要
一般的なローカルエリアネットワークの定義やそれに伴ってWANやMANについても説明を行う.
4 レイヤ1:信号と回線
レイヤ1における,信号の種類やメディアの種類について学習する.また,帯域幅の計算などを行う.
5 リピータ・ハブ,ネットワークトポロジ
レイヤ1のネットワーキングデバイスであるリピータやハブの働きについて学習する.また,ネットワークを構成する上で必要となるネットワークトポロジの概念やその構成について説明を行う.
6 レイヤ2アドレッシング
レイヤ2でMACアドレスをもちいたアドレス制御方式について学習する.IEEEを例に挙げ,MAC副層,LLC副層に関する動作や機能について説明する.
7 レイヤ2で使用される規格及び機器
IEEEに代表されるようなIEEE802.3,IEEE802.5,IEEE802.2などの規格について説明し,イーサネットなどとの違いを学習する.また,レイヤ2の機器としてスイッチとブリッジについて学習する.
8 中間試験
1〜7回目までの範囲において中間試験を実施する.
9 レイヤ3:インターネットプロトコル
インターネットプロトコルがどのように使用されているのか,また,割り振られているのかということや,実際の通信の仕組みについて学習を行う.
10 レイヤ3:ルーティングとルータ
ルータが最適経路の選択を行う原理について学習する.また,ルータの詳しい働きについて学習する.
11 TCP
OSI参照モデルではレイヤ4にあたる部分であり,スリーハンドシェイクなど,信頼性の高い通信を行う仕組みについて学習する.
12 UDP
現在最も使用されているUDPについて,信頼性の問題やその他の問題点や利点,及び仕組みについて学習する.
13 レイヤ5:セッション層
セッション層の主な働きについて学習する.
14 レイヤ6:プレゼンテーション層
プレゼンテーション層の主な働きについて学習する.
15 レイヤ7:アプリケーション層
アプリケーション層の主な働きについて学習する.
16 復習
前期分で学習したOSI 参照モデル,LAN,IPアドレッシングに関する概念について復習を行う.
17 WANとルータ
IOS(Cisco Internetwork Operating System)を扱う前段階として,WANの機器,テクノロジー,規格について学習する.さらに,WAN上のルータの機能についても学習する.
18 ルータのインターフェース
ルータには様々なインターフェースがある.本授業では,それら各種インターフェースの接続方法や,メディアの種類などについて学習する.
19 ルータのコンポーネント
ルータ内部のコンポーネントについて学習する.各種コンポーネントの役割やその設定方法について学習する.
20 ルータの起動と設定
ルータのコンポーネントの部分で学習したことを基に,ルータの起動手順と,初期設定ファイルの作成時に使うセットアップ・ダイアログについて学習する.また,ルーティングプロトコルについても簡単に説明する.
21 クラスフルアドレッシングとクラスレスアドレッシング
ネットワーク機器を扱う上で必要なクラスフルアドレッシングとクラスレスアドレッシングの違いについて学習する.
22 CIDRとVLSM
クラスレスアドレッシングであるCIDRやVLSMの概念について学習し,さらに,IPアドレスの効率的な使用方法について学習する.
23 中間試験
第16〜22回までの内容について中間試験を行う.
24 経路集約
ルーティングを行なう際に非常に重要となる経路集約について,設定方法を問題点を踏まえ学習する.
25 NATとPAT
グローバルアドレスとプライベートアドレスの変換方法について説明し,実際に利用されているNATやPATの概念について学習する.
26 ACL
ルータは,トラフィックフィルタリングとしてACLを用いている.ここでは,ACLがどのような役割を果たしており,どのように設定されているのかということについて学習する.
27 ルーティングプロトコル
RIPやOSPF,そしてEIGRPなどのルーティングプロトコルについてその違いと設定方法について学習する.
28 VLAN
現在,スイッチングでよく使用されるVLANの仕組みとその動作について学習する.
29 演習1
ネットワークの規模に応じたアドレスの割り振りなどについて演習を行なう.
30 演習2
サブネットマスクや経路集約などに関する演習を行なう.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.