科 目 | 材料化学 ( Material Chemistry ) | |||
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担当教員 | (前期)根本 忠将 准教授, (後期)安田 佳祐 講師 | |||
対象学年等 | 応用化学科・5年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III ) | |||
学習・ 教育目標 |
A2(100%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(c),(d)1 | |||
授業の概要 と方針 |
前期に関しては,現在までの日本の化学工業の姿を紹介し,その基礎となる有機工業化学を歴史,製造法および製品の用途について解説する.製造法については,有機化学,高分子化学等の基礎化学をもとに解説する.後期に関しては,触媒,発光材料,磁性材料,半導体,超伝導体,電池,化学センサなどの無機材料の性質や合成法,応用例について解説する. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A2】 パルプから紙の製造工程の原理,さらには油脂からの各種製品の製造工程および製造原理が理解できる. | 2 | 【A2】 各種ゴム化合物の化学構造と性質が理解できる. | 3 | 【A2】 天然繊維の化学と工業が理解できる. | 4 | 【A2】 化学繊維の性質が理解できる.ビスコースおよびキュプラレーヨン,アセテート,ポリアミド,ナイロン,ポリエステル繊維等の構造が記述でき,製造法および特徴が理解できる. | 5 | 【A2】 高分子の物性が理解できる.重合反応,重合法が理解できる.各種プラスチックの構造が記述でき,特徴が理解できる.プラスチックの成型加工が理解できる. | 6 | 【A2】 イオン結合性固体の結晶系の分類や結晶格子面の表記方法,イオン半径比と配位数の関係が理解できる. | 7 | 【A2】 無機材料の結晶構造の種類と代表的な化学物質が理解できる. | 8 | 【A2】 イオン伝導性を示す物質の構造と発現のメカニズムが理解できる. | 9 | 【A2】 触媒,発光材料,磁性材料の機能や種類,発現原理,応用が理解できる. | 10 | 【A2】 半導体,超伝導体,化学電池,太陽電池,光触媒,化学センサ,顔料の機能や種類,発現原理,応用が理解できる. |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | パルプおよび紙の製造工程の概略および原理について文章を用いて,さらには油脂からの各種製品の製造工程および製造原理文章ならびに図を用いて説明できるか前期中間試験およびレポートで評価する. | |
2 | 各種ゴム化合物の化学構造と性質を関連付けながら文章を用いて説明できるか前期中間試験およびレポートで評価する. | |||
3 | 天然繊維の化学と工業について,文章を用いて説明できるか前期定期試験およびレポートで評価する. | |||
4 | 代表的な繊維の構造が記述でき,化学繊維の製造法および特徴について,さらに不織布,合成紙,合成皮革の違いについて,文章を用いて説明できるかどうか前期定期試験およびレポートで評価する. | |||
5 | 高分子の物性を文章を用いて,重合反応をスキームを用いて,各種プラスチックの構造・特徴ならびに成型加工を関連付けながら文章を用いて説明できるか前期定期試験およびレポートで評価する. | |||
6 | イオン結合性固体の結晶系の分類や結晶格子面の表記方法,イオン半径比と配位数の関係を文章ならびに図を用いて説明できるか後期中間試験およびレポートで評価する. | |||
7 | イオン結晶の代表的な結晶構造について,代表的な化合物の種類とそれらの性質を文章ならびに図を用いて説明できるか後期中間試験およびレポートで評価する. | |||
8 | イオン伝導性を示す物質の構造と発現のメカニズムを文章ならびに図を用いて説明できるか後期中間試験およびレポートで評価する. | |||
9 | 触媒,発光材料,磁性材料の機能や種類,発現原理,応用が理解できるか後期中間試験およびレポートで評価する. | |||
10 | 半導体,超伝導体,化学電池,太陽電池,化学センサ,顔料の機能や種類,発現原理,応用が理解できるか後期定期試験およびレポートで評価する. | |||
総 合 評 価 |
成績は,試験90% レポート10% として評価する.試験成績は中間と定期の平均点とし,前期は,試験90%,レポート10%として総合評価する.後期は,試験90%,レポート10%として評価する.前期と後期の平均で総合評価とする.100点満点で60点以上を合格とする. | |||
テキスト | 「有機工業化学 第6版」:阿河 利男・小川 雅弥・北尾 悌次郎・木下 雅悦・黄堂 敬雲 著 (朝倉書店) 「現代無機材料科学」:足立 吟也・南 努 編著 (化学同人) |
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参考書 | 「化学工業概論」 : 弘岡 正明 編著 (丸善) 「新無機材料科学」:足立 吟也・島田 昌彦・南 努 編著 (化学同人) 「無機材料入門」:塩川 二朗 著 (丸善) 「無機材料化学」 : 荒川 剛・鮫島 宗一郎・松本 泰道・江頭 誠・平田 好洋・村石 治人 著 (三共出版) |
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関連科目 | 物理化学I(C4),物理化学II(C5),無機化学I(C2),無機化学II(C3),有機化学I(C2),有機化学II(C3),有機合成化学(C4),高分子化学(C4) | |||
履修上の 注意事項 |
無機化学,物理化学,量子化学の基礎的事項を理解していること,ならびに有機化学,高分子化学の内容を十分理解していることが望ましい. |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | パルプ |
木材からパルプを製造する工程および原理について解説する. | |
2 | パルプ工業・紙 |
パルプ工業に続けて, 製紙工業について概説する. | |
3 | 油工業(1) |
油脂の詳細について説明する. | |
4 | 油工業(2) |
油脂から各種製品を製造する工程および原理を概説する. | |
5 | 界面活性剤 |
界面活性剤の製造および働きについて説明する. | |
6 | ゴム工業 |
天然ゴム,合成ゴムの化学構造と性質について説明する. | |
7 | まとめ |
第1−7回の講義の内容について,まとめおよび復習する. | |
8 | 中間試験 |
第1週から第7週までの内容で中間試験を実施する. | |
9 | 中間試験の解答,繊維工業 |
中間試験の解答をする.天然繊維の工業について解説する. | |
10 | 化学繊維(1) |
ポリアミド,ナイロン−6,ビニロン,アクリル繊維,ポリエステルの製造法および特徴について解説する. | |
11 | 化学繊維(2) |
ポリオレフィン繊維,ポリウレタン,炭素繊維,ガラス繊維,不織布,合成皮革の製造法および特徴について解説する. | |
12 | 化学繊維(3) |
ポリオレフィン繊維,ポリウレタン,炭素繊維,ガラス繊維,不織布,合成皮革の製造法および特徴について解説する. | |
13 | プラスチック(1) |
プラスチック工業の歴史と現状,高分子の物性について解説する.ラジカル重合,カチオン重合,アニオン重合について高分子化学工業的見地から解説する. | |
14 | プラスチック(2) |
塊状重合,溶液重合,乳化重合および懸濁重合について解説し,付加重合系プラスチック,重付加系プラスチック,重縮合系プラスチックについて特徴および製造法を解説する. | |
15 | プラスチック(3) |
プラスチックの成型加工について解説し,機能性プラスチックについて構造および機能について解説する. | |
16 | 無機材料科学の基礎,無機固体の結晶構造(1) |
材料と物質の違い,形態や機能について説明する.また,空間格子や結晶系について説明する. | |
17 | 無機固体の結晶構造(2),イオン結晶の性質 |
ミラー指数の表記方法,結晶の充填,イオン結晶とイオン半径比の規則について説明する.また,岩塩型構造,塩化セシウム型構造などの代表的な結晶構造を取り上げ,特徴と機能について解説する. | |
18 | イオン伝導体 |
イオン伝導性を示す物質の構造と発現のメカニズムについて説明する. | |
19 | 触媒(1) |
触媒の機能や種類,分子の活性化と触媒機能の発現について説明する. | |
20 | 触媒(2) |
自動車用触媒などの環境触媒について説明する. | |
21 | 発光材料 |
蛍光体の発現メカニズムや発光材料の応用例について説明する. | |
22 | 磁性材料 |
磁性の発現原理やその応用例について説明する. | |
23 | 中間試験 |
第16週から第22週までの内容で中間試験を実施する. | |
24 | 中間試験の解答,半導体(1) |
中間試験の解答を行う.絶縁体,半導体および金属のエネルギーバンドについて説明する.また不純物半導体の特徴について説明する. | |
25 | 半導体(2) |
半導体材料の応用として,p-n-p接合によるトランジスタの増幅作用や,電界効果型トランジスターを利用したメモリについて説明する. | |
26 | 超伝導材料 |
超伝導性を示す物質の構造と発現のメカニズムについて説明する. | |
27 | 化学電池 |
化学電池の基本的原理について説明する.そのうえで,種々の化学電池(一次電池,二次電池,燃料電池)を取り上げて説明する. | |
28 | 太陽電池 |
太陽電池の構成原理と種類について説明する. | |
29 | 光触媒 |
光触媒の発現機構・結晶構造・製造方法について説明する. | |
30 | 化学センサ・顔料 |
化学センサの種類や特徴について説明する.また,無機顔料の種類や性質について説明する. | |
備 考 |
本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する. |