【 2015 年度 授業概要】
科   目 応用無機化学I ( Applied Inorganic Chemistry I )
担当教員 安田 佳祐 講師
対象学年等 応用化学科・5年・前期・必修・2単位 ( 学修単位II )
学習・
教育目標
A4-C2(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
無機酸(硫酸・硝酸・塩酸・リン酸),製塩,ソーダ,アンモニアの工業的な製造法・用途・合成理論などについて学習する.また,無機ファインケミカルズやガラスの特徴や工業的製法について学ぶ.あわせて無機工業化学製造技術の進歩は環境調和と密接に関連してきたことについて学習する.



1 【A4-C2】 無機酸(硫酸・硝酸・塩酸・リン酸)の製造原理,製造技術の歴史,用途について理解できる.
2 【A4-C2】 アルミナの特性や製造方法について理解できる.
3 【A4-C2】 海水からの製塩,ソーダ工業,アンモニアの製造原理,製造技術の歴史,用途について理解できる.
4 【A4-C2】 ガラスの基本的性質や製造方法について理解できる.
5 【A4-C2】 無機化学製品製造に関する製造プロセス,装置材料,環境対策について理解できる.
6 【A4-C2】 製造技術に関しての化学反応,転化率,反応率の計算について理解できる.
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1 無機酸(硫酸・硝酸・塩酸・リン酸)の製造原理,製造技術の歴史,用途について理解できているかを前期中間試験,前期小テストおよび前期レポートで評価する.
2 アルミナの特性や製造方法について理解できているかを前期中間試験で評価する.
3 海水からの製塩,ソーダ工業,アンモニアの製造原理,製造技術の歴史,用途について理解できているかを前期期末試験,前期小テストおよび前期レポートで評価する.
4 ガラスの基本的性質や製造方法について理解できているかを前期期末試験で評価する.
5 無機化学製品製造法に関する製造プロセス,装置の特徴,環境対策について理解できているかを前期中間試験・定期試験,前期小テストおよび前期レポートで評価する.
6 製造技術に関しての化学反応,転化率,反応率の計算について理解できているかを前期中間試験・定期試験,前期小テストおよび前期レポートで評価する.
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成績は,試験80% レポート10% 小テスト10% として評価する.試験成績は中間試験と定期試験の平均とする.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「無機工業化学 第2版」 : 塩川 二朗 編(化学同人)
参考書 「無機工業化学 第4版」:安藤 淳平・佐治 孝 共著(東京化学同人)
「無機工業化学」:太田 健一郎・仁科 辰夫・佐々木 健・三宅 通博・佐々木 義典 共著(朝倉書店)
「新しい工業化学」:足立 吟也・岩倉 千秋・馬場 章夫 編(化学同人)
関連科目 C2無機化学I,C3無機化学II,C3化学工学I,C4化学工学II,C4物理化学I,C5材料化学
履修上の
注意事項
上記の関連科目を十分学習し,理解しておくことが望ましい.

【授業計画( 応用無機化学I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 工業化学総論(化学工業の特徴,資源とエネルギー,課題)について
無機化学工業に属する工業の種類を説明する.資源・エネルギーと関係深く,地球環境との課題を抱えてきた歴史も説明する.
2 硫酸工業(1)
硫酸製造技術の歴史と硫酸の用途について説明する.硝酸式製造法の理論について説明する.
3 硫酸工業(2)
接触式製造理論について化学平衡,物質収支の面から説明する.この反応で使用する原料,触媒,設備の特徴について説明する.
4 硝酸工業
硝酸製造法の技術的発展と硝酸の用途について説明する.アンモニア酸化法による製造法の基礎理論について説明する.
5 塩酸工業
塩素と水素からの塩酸製造法(合成塩酸法)と塩酸の用途について説明する.
6 リン酸工業
リン鉱石からのリン酸製造法は湿式法と乾式法があり,特に湿式法をとりあげて基礎理論を説明する.また,リン酸の用途についても説明する.
7 無機ファインケミカルズ
無機ファインケミカルズの中でアルミナをとりあげ,アルミナの特性,用途,製造方法について説明する.
8 中間試験
第1週から第7週までの内容で中間試験を行う.
9 中間試験解答,製塩(1)
中間試験の解答を行う.塩の輸入状況,用途について説明する.海水からの製塩法(天日塩田法)の概要について説明する.
10 製塩(2)
イオン交換膜電気透析法における採かん行程とせんごう工程について説明する.また,にがり工業について説明する.
11 ソーダ(1)
ソーダの分類,電解ソーダ法(隔膜法,水銀法,イオン交換膜法)の概要について説明する.
12 ソーダ(2)
ソーダ灰工業(アンモニアソーダ法と塩安ソーダ法)の概要と基礎理論について説明する.
13 アンモニア工業(1)
アンモニア合成技術の歴史的変遷を説明する.また,アンモニア製造における合成理論について説明する.
14 アンモニア工業(2)
アンモニア合成用原料ガスの製造方法,合成装置の特徴や合成条件について説明する.
15 ガラス
ガラスの基本的性質,製造方法について説明する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.