【 2014 年度 授業概要】
科   目 材料学 ( Material Engineering )
担当教員 高科 豊 准教授
対象学年等 都市工学科・2年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-S1(100%)
授業の概要
と方針
都市工学に必要な建設材料の基礎的な知識を把握することを目的とする.



1 【A4-S1】 力学の基礎から材料強度を説明できる.
2 【A4-S1】 鉄鋼材料を説明できる.
3 【A4-S1】 マグマや岩石の成り立ちなど地学的立場から石材を説明できる.
4 【A4-S1】 セメントや混和材料・コンクリ−トについて説明できる.
5  
6  
7  
8  
9  
10  












1 力学的基礎用語および材料強度を評価する意味が理解できているか中間試験およびレポートで評価する.
2 鉄鋼材料を利用する上で,基礎事項が理解できているか,定期試験で評価する.
3 マグマや岩石の成り立ちなど地学的立場から石材を説明できるか定期試験で評価する.
4 セメントや混和材料・コンクリ−トについて説明できるか中間試験及び定期試験,レポ−トで評価する.
5  
6  
7  
8  
9  
10  




成績は,試験80% レポート20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「土木材料学」近藤泰夫・谷本治三郎・岸本進著(コロナ社)
参考書 「建設材料」,竹村和夫・戸川一夫・笠原 篤・庄谷征美共著(森北出版)
「建設材料」,中嶋清実・角田 忍・菅原 隆共著(コロナ社)
関連科目 構造力学I
履修上の
注意事項
 

【授業計画( 材料学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 材料学概説と一般的力学的性質
都市工学で扱う基礎的な材料は,鉄鋼やコンクリ−トである.その設計・機能の中心となる力学的性質について学ぶ.
2 力の単位と用語および材料強度の評価
重力単位とニュ−トン単位の換算を理解する.力が材料内に応力として伝達する時,垂直応力・水平応力の断面的な視点から,評価することの重要性を学ぶ.
3 材料における物理的・化学的性質
歪ゲ−ジや光ファイバ−による測定原理などを理解する.
4 製銑・製鋼および炭素含有量による分類
多々良やテルミット反応から,製錬について考える.また,鉄鋼原料,高炉での還元処理,転炉について学ぶ.
5 変態点,鋼の状態図とその組織
鉄に炭素が浸入する時の結晶格子の変化を考える.フェライト・オ−ステナイト・セメンタイト・パ−ライトなどの組織について,鋼の状態図の上から考える.
6 加工と熱処理,脆性と不純物
塑性加工・切削加工などの加工方法を理解し,加工硬化と転位増殖による材料的性質を学ぶ.
7 構造用鋼の種類と合金鋼,鋳鉄,非鉄金属
構造用鋼の分類と合金鋼における元素添加の意味を考える.鋳造による鋳鉄装飾や用途,また,アルマイト法やジュラルミンについて考える.銅の電解精錬,銅合金,メッキ,金属溶射法を紹介する.
8 中間試験
中間試験
9 金属の腐食機構と防食法
鉄筋の腐食によるコンクリ−ト構造物の塩害について考える.また,電気防食の原理を理解し,簡単な実験例を通して,さびの進行促進・進行防止を学習する.
10 岩石の誕生(火山マグマからの考察)とその分類
マントルや地殻におけるマグマの溶融因子,ボ−エンの分化作用から造岩鉱物を分類し,火成岩の位置づけを体系的に考察する.
11 岩石の風化,建設用石材とその性質
六甲山の成り立ちを考察するとともに,花崗岩深層風化,阪神大水害や土砂災害・砂防事業,グリ−ンベルト事業を紹介し,身近な御影石や真砂土について考察する.
12 コンクリ−ト用骨材と海砂採取問題
粗骨材・細骨材の区分,含水状態,粒度,最大寸法,実績率など,配合設計に必要な用語を理解する.また,瀬戸内海の海砂の問題や塩分の規制など,細骨材事情に触れる.
13 セメントの製法等について
セメント原料や焼成工程に触れ,サスペンションプレヒ−タ−や回転釜の工場装置を紹介する.
14 水和機構とその生成物(凝結・硬化),混合セメント・混和材(ポゾラン等)
セメントの水和過程をミクロの視点から考察し,各種水和生成物やゲルの様相を理解する.
15 セメントの特性
セメントの性質・成分と種類および特徴を学ぶ.
16 混和剤(AE剤,減水剤) とその働き
AE剤,減水剤を界面活性剤としての分子形状の観点から考え,その目的を説明し,フレッシュコンクリ−トの中での働きを考察する.
17 コンクリートの基礎
コンクリートの基本特性を理解する.
18 フレッシュコンクリート
フレッシュコンクリートの性質(スランプ,空気量)と混和材料(混和材,混和剤)について学ぶ
19 硬化コンクリート
硬化コンクリートの性質(圧縮強度,引張強度など)について学ぶ.
20 各種コンクリ−ト
寒中コンクリート,暑中コンクリート,マスコンクリート,高流動化コンクリート,高強度コンクリートなど,コンクリ−トの多様性を学ぶ.
21 コンクリートの配合
配合設計の流れとともに,配合設計例を行う.
22 コンクリ−ト製品と品質管理
高温養生等について学ぶ.
23 中間試験
中間試験
24 コンクリ−トの耐久性1
コンクリ−トの耐久性を学ぶ.
25 コンクリ−トの耐久性2
コンクリ−トの耐久性を学ぶ.
26 コンクリ−トの診断1
コンクリ−トの診断を学ぶ
27 コンクリ−トの診断2
コンクリ−トの診断を学ぶ
28 瀝青材料
瀝青材料について学ぶ.
29 維持管理総論
社会の動向を踏まえて,コンクリート構造物が直面している課題解決策の一つである維持管理および将来にあり方について学ぶ.
30 現状の課題と方向性
コンクリート構造物が抱える課題点を学び,今後の方向性について考える.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.