科 目 | 哲学 ( Philosophy ) | |||
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担当教員 | 稲岡 大志 非常勤講師 | |||
対象学年等 | 全学科・5年・通年・選択・2単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・ 教育目標 |
C3(80%) D2(20%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(a),(b) | |||
授業の概要 と方針 |
哲学とは言葉を用いて世界についての理解を深める学問である.思考実験や概念分析といった哲学的方法論のエッセンスを理解するために, 講義前半では過去の主要な哲学者による議論を概観する.講義後半では,講義前半を踏まえた上で,科学,心,時間などといった主題について,具体的な問題の検討をおこなう. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【C3】 現代の科学や社会における哲学的問題について,その要点を理解し,自分なりの哲学的思考ができるようになること. | 2 | 【D2】 過去の哲学者がどのような問題にどのように取り組んだのかを知ることで,哲学的方法論についての理解を深めること. | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 現代の科学や社会における哲学的問題について,その要点を理解し,自分なりの哲学的思考ができるようになったかをレポート,定期試験で評価する. | |
2 | 過去の哲学者の議論を理解し,哲学的方法論についての理解を深めることができるようになったかをレポート,定期試験で評価する. | |||
3 | ||||
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総 合 評 価 |
成績は,試験50% レポート50% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.授業レポートの評価を重視する. | |||
テキスト | ノート講義 |
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参考書 | 講義時に資料を配布する. |
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関連科目 | 倫理 | |||
履修上の 注意事項 |
特になし |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 哲学とはどのような学問なのか |
哲学とはどのような学問なのかを具体例を挙げて講義することで,「哲学」という学問について,おおまかなイメージが得られるようする. | |
2 | 古代ギリシア哲学(1) |
ソクラテス以前の哲学者の哲学の要点を講義し,古代ギリシア特有の世界観や自然観を理解できるようにする. | |
3 | 古代ギリシア哲学(2) |
プラトンの対話篇を読みながら,ソクラテス哲学の要点の一つである「哲学的問答法」についての理解を深める. | |
4 | 古代ギリシア哲学(3) |
プラトン哲学の要点を講義し,その後の哲学を学ぶのに不可欠な概念枠組みについての理解を深める. | |
5 | 古代ギリシア哲学(4) |
アリストテレス哲学の要点を講義し,形而上学,自然学,生物学,倫理学などあらゆる領域にアンテナを伸ばすアリストテレス哲学のエッセンスを理解できるようにする. | |
6 | 中世スコラ哲学 |
中世スコラ哲学における「神の存在証明」の議論を講義し,「論理を用いて何ごとかを主張する」という,哲学に特有の方法論についての理解を深める. | |
7 | 近代哲学(1) |
デカルト哲学の「方法的懐疑」について講義し,伝統的に哲学において議論されるテーマである「懐疑論」についての理解を深める. | |
8 | 近代哲学(2) |
ライプニッツやスピノザといった,デカルトと同時代の哲学者の議論を講義し,同時代の自然科学や数学と連動して展開される哲学についての理解を深める.また,前回の講義と合わせて,大陸合理論についての理解も深める. | |
9 | 近代哲学(3) |
引き続きライプニッツやスピノザの哲学について講義し,ヨーロッパ近代哲学のエッセンスを理解できるようにする. | |
10 | イギリス経験論 |
バークリやロックといったイギリス経験論の哲学者の議論を講義し,その後の哲学の主要潮流の一つである経験主義についての理解を深める. | |
11 | ドイツ観念論(1) |
カント哲学について講義し,大陸合理論とイギリス経験論の総合としてのカント哲学という,哲学史におけるスタンダードな図式の理解を深める. | |
12 | ドイツ観念論(2) |
引き続きカント哲学について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
13 | 現象学 |
フッサールの現象学について講義し,哲学的方法論としての「現象学的還元」についての理解を深める. | |
14 | 実存主義 |
サルトルやハイデガーといった実存主義の哲学者について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
15 | 分析哲学 |
現代の分析哲学の議論における諸問題について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
16 | 言葉の意味はどこにあるのか(1) |
言葉の意味について,言語哲学の議論を講義する.意味のイメージ説や心理主義といった考え方のどこが間違っているのか,意味の指示対象説はどういう利点を持つのか,といった点についての理解を深める. | |
17 | 言葉の意味はどこにあるのか(2) |
固有名をめぐるパズルを取り上げて,現代の言語哲学の基礎的理論の一つである記述理論についての理解を深める.また,そのために必要な初等レベルの論理学についても講義する. | |
18 | 科学について考えてみよう(1) |
「科学」と呼ばれる営みについて理解するために,演繹,帰納,仮説演繹法といった自然科学の方法論について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
19 | 科学について考えてみよう(2) |
科学哲学における「帰納の正当化」の問題について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
20 | 科学について考えてみよう(3) |
法則的一般化をめぐる問題について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
21 | 心の哲学(1):心身二元論 |
心の哲学における「心身二元論」と呼ばれる立場について講義し,その要点及び問題点についての理解を深める. | |
22 | 心の哲学(2):機能主義 |
心の哲学における「機能主義」と呼ばれる立場について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
23 | 心の哲学(3):中国語の部屋 |
いわゆる「中国語の部屋」論法と呼ばれる思考実験について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
24 | 心の哲学(4):クオリアについて |
クオリアと呼ばれる人間の心を考えるに際して重要な概念について講義し,その要点と問題点についての理解を深める. | |
25 | 心の哲学(5):ロボットは心を持てるか? |
これまでの講義内容を踏まえて,「ロボットは心を持てるか?」という問題について講義する.その際には現在のロボット研究についても触れることで,講義内容についての理解がより深められるようにする. | |
26 | 数理科学と哲学(1):無限と連続 |
「無限と連続」という主題について,数学史から具体例を挙げながら講義し,その哲学的な問題点についての理解を深める. | |
27 | 数理科学と哲学(2):証明と計算 |
「証明と計算」という主題について,数学史や現代の計算機科学から具体例を挙げながら講義し,その哲学的な問題点についての理解を深める. | |
28 | 数理科学と哲学(3):数学はなぜ役に立つのか? |
自然科学において数学が有用な帰結をもたらすという事実について,それが哲学の問題であり,哲学はこの問題に対してどのような答えを提供できるかを講義する. | |
29 | 時間の哲学(1):過去を引き起こすことは可能か? |
いわゆる「逆向き因果」と呼ばれる問題について講義する.宿命論との関連などにも触れることで,一見すると非常識的な「逆向き因果」が時間についての重要な問題を提起することが理解できるようにする. | |
30 | 時間の哲学(2):時間は存在しない? |
マクタガードによる時間の非実在性の論証について講義する.論証への批判についても触れ,時間をめぐる代表的な哲学的議論が理解できるようにする. | |
備 考 |
前期定期試験および後期定期試験を実施する. |