【 2014 年度 授業概要】
科   目 電気磁気学III ( Electromagnetics III )
担当教員 森田 二朗 教授
対象学年等 電気工学科・4年・前期・必修・1単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A2(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
3年生で履修した電磁気学の現象をベクトルの微分形表現で解説し,変位電流を含めたマクスウエルの方程式の解説,同方程式から電磁波の基本である波動方程式を導く数式変形などの解析的な手法を理解する.具体的な平面波の境界値問題を解答できる能力を身につけることを目的とする.後半では,インダクタンスといった物理定数の求め方を理解することと,磁気エネルギー,電磁力の考え方を理解することを目的とする.



1 【A2】 電磁気学全分野の法則について理解できること.
2 【A2】 数式変形での解析的手法を身につけることによって,光,マイクロ波などの波長の異なった電磁波での類似問題にも拡大できる考えが理解できること.
3 【A2】 インダクタンスといった物理定数の求め方を理解することと,磁気エネルギー,電磁力の考え方を理解できること.
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1 ガウスの法則,磁界に関するガウスの法則,変位電流も含めたアンペアの法則,ファラデーの法則などの積分形を微分形に変形できるかどうかを中間試験の設問で確認する.基本問題の80%の正解を合格の目安とする.
2 マクスウェルの方程式から平面波の電磁界波動方程式への式の変形の途中で,境界値問題のレポート課題を出し,この課題と中間試験の設問で理解度を確認する.基本問題の80%の正解を合格の目安とする.
3 インダクタンスの計算には,鎖交磁束数から求める方法と磁気エネルギーから求める方法とがあるがどちらでも計算できるかどうかを定期試験の設問とレポートで評価する.基本問題の80%の正解を合格の目安とする.
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成績は,試験90% レポート10% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.中間試験,定期試験は100点満点で実施し,その平均点を試験成績とする.
テキスト 「電気学会大学講座電気磁気学」:山田直平,桂井尚志共著(電気学会)
「詳解電気磁気学例題演習」:山口勝也著(コロナ社)
参考書 「電気磁気学」:安達三郎,大貫繁雄共著(森北出版)
「電磁気学」:卯本重郎著(昭晃堂)
「電磁気学」:沢新之輔,小川英一,小野和雄著(朝倉書店)
「電磁気学」:多田泰芳,柴田尚志著(コロナ社)
関連科目 電気磁気学I,電気磁気学II,電気材料
履修上の
注意事項
3年:電気磁気学IおよびIIの継続科目,5年:電気材料の分極問題の時に電気磁気学の知識が必須.

【授業計画( 電気磁気学III )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 第3学年で習った電磁気学の現象論
第3学年で習った電磁気学の現象論の復習の講義を行う.
2 第3学年で習った電磁気学の現象論,復習の講義
前回に引き続き,第3学年で習った電磁気学の現象論の復習の講義を行う.
3 変位電流とアンペアの法則
変位電流の定義の説明から,変位電流を含めたアンペアの法則の解説を行う.
4 マクスウェルの方程式
マクスウェルの方程式を積分したときに,それぞれの第3学年でならった物理現象の式と同じになることを説明し,さらにこの方程式を展開すると2回の微分方程式に帰着することを示す.
5 波動方程式の導出の講義
前回に引き続き,2回の微分方程式は,時間と距離の2つの要素が混じった偏微分方程式になることを示し,さらに変数分離法によって,一般解が得られることまで解説する.
6 平面波,直線偏波,楕円偏波の講義
前回に引き続き,波動方程式の解から平面波の図示し,直線偏波,円偏波,楕円偏波の解説を行う.
7 平面波の境界値問題
誘電率の異なる材質に対して,任意角度から平面波を入射したときの境界部分での扱い方を解説する.
8 中間試験
中間試験
9 中間試験解答,マクスウェルの方程式
中間試験の解答を行い,再度マクスウェルの方程式の解説復習する.
10 ファラデーの電磁誘導の法則の復習
第3学年で習ったファラデーの電磁誘導の法則の復習講義する.
11 自己インダクタンスと相互インダクタンス
システムとして考えた場合の自己インダクタンスと相互インダクタンス計算方法を解説する.
12 自己誘導と自己インダクタンス
ファラデーの電磁誘導の法則から自己誘導現象の解説を行い,自己インダクタンスの計算を求めるところまで例題を混ぜながら解説する.
13 相互誘導と相互インダクタンス
ファラデーの電磁誘導の法則から相互誘導現象の解説を行い,相互インダクタンスの計算を求めるところまで例題を混ぜながら解説する.
14 磁気エネルギーと力
インダクタンスに蓄えられる磁気エネルギーを解説を行い,仮想変位の原理から鉄片と磁石間に働く力の計算方法を解説する.
15 インダクタンスの計算問題
色んな形状のインダクタンスに対して,計算方法の基本的なテクニックを解説する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 15 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.