【 2014 年度 授業概要】
科   目 応用ロボット工学 ( Applied Robotics )
担当教員 清水 俊彦 助教
対象学年等 機械システム工学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-AM3(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
ロボット工学は,機械,電気電子,計測制御,材料などの幅広い工学的技術と関係している.本講では,機械システム工学の立場から,等身大ヒューマノイドロボットの全身運動制御について,技術的基礎事項およびその制御法について学ぶ.また,文献,ビデオなどによって具体的な開発事例や最新のロボット技術について紹介するとともにその将来についても概観する.



1 【A4-AM3】 ロボットの基本概念を理解し,専用機械との差異を明らかにできる.
2 【A4-AM3】 ロボットの基本的構成要素であるセンサー,アクチュエータならびに機構の種類,技術的特徴について理解するとともに,ロボット設計に際してそれらが適切に選択できる.
3 【A4-AM3】 ロボットの運動学について理解し,解析的に機構の評価ができる.
4 【A4-AM3】 ロボットの運動方程式を記述することができる.
5 【A4-AM3】 ロボットに採用されている種々の制御方式について理解し,その特徴ならびに実用的有用性が説明できる.
6 【A4-AM3】 ロボットの基礎,ロボットの運動制御方式等を理解している.
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1 ロボットと専用機械の相違が記述できることをレポートで評価する.
2 ロボット設計に際してその構成要素を適切に選択できることをレポートで評価する.
3 ロボットの運動学について理解し,運動学的解析手法を用いて機構の評価ができることを定期試験で評価する.
4 ロボットの運動方程式が記述できることを定期試験で評価する.
5 ロボットに採用されている制御方式について理解していることを定期試験で評価する.
6 ロボットの基礎,ロボットの運動制御方式等を理解しているかを,定期試験によって評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト ヒューマノイドロボット: 梶田 秀司
参考書  
関連科目 工学系基礎科目全般
履修上の
注意事項
講義は,おもに運動制御技術について行う.そのほかの技術については,文献,資料などで適宜紹介する.

【授業計画( 応用ロボット工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ロボットの歴史と産業用ロボット
ロボット技術の起源ならびにその変遷,産業用ロボットをはじめとするロボット技術の現状について紹介する.
2 運動学(1)
運動学の基礎となる数学とアルゴリズム,特に座標変換について理解する.
3 運動学(2)
ロボットの運動を記述するための各座標系の関係ならびに座標の同次変換について理解する.
4 運動学(3)
リンク座標系の設定方法について理解し,順運動学方程式を記述する.
5 運動学(4)
ロボットの逆運動学問題の解法を理解し,簡単な機構についての逆運動学問題について解く.
6 運動学(5)
特異点解析ならびにヤコビ行列を用いた機構評価の方法について理解する.
7 ZMPと動力学(1)
ヒューマノイドロボットの2足歩行制御において重要な指標となる,ZMPについて理解する.
8 ZMPと動力学(2)
ロボットの動力学で重要となる全身の重心位置や運動量の計算方法について理解する.
9 ZMPと動力学(3)
全身の角運動量の計算方法とZMPの導出方法について理解する.
10 2足歩行(1)
線形倒立振子モデルを用いた,二次元の2足歩行パターンの生成方法について理解する.
11 2足歩行(2)
三次元の2足歩行パターンの生成方法について理解する.
12 2足歩行(3)
ZMPを規範とする歩行パターンの生成方法について理解する.
13 2足歩行(4)
2足歩行制御における,運動学習や受動歩行によるアプローチを概観する.
14 全身運動パターン生成
ヒューマノイドロボットの転倒制御など,全身運動パターンの生成に関する研究事例を概観する.
15 まとめ
ロボット技術の現状を踏まえて,今後のロボット技術の動向について概観する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 後期定期試験を実施する.必要に応じて資料を適宜配布するので,テキストとともに学習に活用すること.