科 目 | 環境基礎化学 ( Environmental Chemistry ) | |||
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担当教員 | 稲生 智則 非常勤講師 | |||
対象学年等 | 都市工学科・4年・後期・必修・1単位 ( 学修単位I ) | |||
学習・ 教育目標 |
A2(100%) | |||
JABEE 基準1(1) |
(c),(d)1 | |||
授業の概要 と方針 |
環境化学(環境分析)の重要性と,計測されたデータを参照する際に必要となる化学の基本的な知識を講義する.全般を通して「水」を中心に生活環境の身近な観点から環境分析の必要性を解説する.また,実際の分析に用いられている分析機器の基本的な解説,測定データ(数値) が何を意味しているか,その意味を理解するための化学の基礎知識を解説していく. | |||
到 達 目 標 |
1 | 【A2】 環境化学の基礎となる有機化学の基礎的知識の習得,基本的な命名法・有機物質の特性の理解できる | 2 | 【A2】 環境分析に関連する化学の基礎的知識の習得できる | 3 | 【A2】 機器分析におけるクロマトグラフ・電磁波分析の測定原理の理解できる | 4 | 【A2】 環境分析項目における測定意義が習得できる | 5 | 【A2】 レポート課題における参考文献検索・文書書式が習得できる | 6 | 【A2】 環境法令に関連した重要語句が理解できる | 7 | 8 | 9 | 10 |
評 価 方 法 と 基 準 |
到 達 目 標 毎 |
1 | 有機物質における基本的な命名法・有機物質の特性が習得できているか中間試験で評価する. | |
2 | 授業内で解説した化学における関連事項(酸・塩基の定義・周期表による情報・ハロゲン類の反応性)が習得できているか中間試験で評価する | |||
3 | 環境法令に関連した重要語句が習得できているか中間試験で評価する. | |||
4 | 環境分析項目における測定意義(BOD・CODの定義と相関,窒素の循環,窒素酸化物による環境への影響 )が習得できているか定期試験で評価する. | |||
5 | クロマトグラフ・電磁波分析の測定原理・測定システムが習得できているか定期試験で評価する. | |||
6 | 地球温暖化現象についてレポート課題を提出させ,レポート評価を行う | |||
7 | ||||
8 | ||||
9 | ||||
10 | ||||
総 合 評 価 |
成績は,試験75% レポート25% として評価する.中間試験,定期試験及びレポートで100点満点で60点以上を合格とする.試験は中間・定期試験を平均したものを用いる | |||
テキスト | 「環境化学概論」 田中 稔・船造 浩一・庄野 利之 共著 (丸善株式会社) 「視覚でとらえるフォトサイエンス 化学図録」(数研出版) |
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参考書 | 「セミナー化学I+II」(第一学習社) |
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関連科目 | 化学 | |||
履修上の 注意事項 |
本科の学んだ化学の知識を活用するので充分に理解しておくこと |
回 | 上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など) |
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1 | 環境化学・環境分析の概要 |
実際の環境問題を通して環境分析の重要性と環境保全への関心を深める.環境中での有害化学物質の挙動と化学物質による環境への影響を解説する. | |
2 | 環境基準の概要 |
国で定められた環境基準を知ることで公共的な環境保全措置のあり方を理解する.環境問題に取り組むに必要な時事問題及びキーワードを解説する.(ISO・PRTR等) | |
3 | 水質汚染の実態と原因 |
水質汚染に焦点を定め身近な水質の実態と汚濁原因を考察する.汚染原因物質を理解する上で必要となる化学関連知識の解説を行う.(有機物質の構造・特性) | |
4 | 水質汚染の実態と原因 2 |
水道水における問題点と水処理の関連について解説する.水道水汚染原因物質を理解する上で必要となる化学関連知識の解説を行う.(有機物質の命名法・反応性) | |
5 | 水質汚染の実態と原因 3 |
生活・産業排水等による水質汚濁について理解を深め,保全措置の重要性を理解する.(周期表の解説,周期・族の理解・元素の特性と反応性) | |
6 | 排水における水質環境について |
生活に関係する公共用水における水質のあり方について理解する.(BOD・CODの定義・相関関係) | |
7 | 水質汚濁についてのまとめ |
実際の水質基準から水質汚濁の現況を把握し,今後の水質環境のあり方に関心を深める.生活水および環境水全般の今後を考察する.(富栄養化における窒素・リン化合物の循環) | |
8 | 中間試験 |
試験を行う | |
9 | レポート課題における地球温暖化について |
レポート課題における地球温暖化について解説する.(温暖化促進物質・オゾンホールの反応メカニズム) | |
10 | 環境汚染物質の測定法1 (分析目的別の機器分析について) |
分析する物質・項目に分類し,個々の分析法,使用される分析機器について理解する. | |
11 | 環境汚染物質の測定法2 (吸光光度分析について) |
光を用いた分析法の基本原理とデータのとらえ方について理解する.(ランベルト・ベールの法則・法則に関する計算演習) | |
12 | 環境汚染物質の測定法2 (原子吸光光度分析について) |
原子吸光光度分析の基本原理と元素のイオン化について解説する. | |
13 | 環境汚染物質の測定法3 (液体クロマトグラフ分析・質量分析について) |
クロマトグラフ分析とは何か,ガスクロマトグラフ分析と基本原理について理解する. | |
14 | 環境汚染物質の測定法3 (液体クロマトグラフ分析・質量分析について) |
液体クロマトグラフ分析の基本原理とガスクロマトとの分析項目の比較.質量分析の基本原理とGC・LCとの複合分析の有用性について解説する. | |
15 | これからの環境分析について |
環境分析におけるデータのとらえ方をまとめ,これからの環境保全ついて関心を深める. | |
備 考 |
後期中間試験および後期定期試験を実施する.レポート課題提出の評価を行う |