【 2013 年度 授業概要】
科   目 環境工学 ( Environment Engineering )
担当教員
対象学年等 機械工学科・5年C組・前期・選択・2単位 ( 学修単位II )
学習・
教育目標
D1(100%)
JABEE
基準1(1)
(b)
授業の概要
と方針
今日,工学等,科学技術の発展による世界的な鉱工業生産量の増加や都市の人口増加に伴い,大量生産,大量消費,大量廃棄型の社会が構築された.その反面,地球温暖化,大気汚染,海洋汚染,廃棄物問題等,多くの地球環境問題も発生している.ここでは,これら地球環境の現状を理解し,このような問題が発生したメカニズム及びこれらを抑制する技術について学ぶことにより,工学技術者として地球環境と共生していくために必要な知識を習得する.



1 【D1】 環境問題全般に関する現状,基礎知識及び関連する法規について理解できる.
2 【D1】 地球温暖化,大気汚染等,「空気」に関する環境問題及びその対策技術について理解できる.
3 【D1】 海洋汚染,水質汚濁等,「水」に関する環境問題及びその対策技術について理解できる.
4 【D1】 ごみ,有害廃棄物等,「廃棄物」に関する環境問題及びその対策技術について理解できる.
5 【D1】 陸上における製品の代表事例として,自動車関連に関する環境問題及びその対策技術について理解できる.
6 【D1】 海上における製品の代表事例として,船舶関連に関する環境問題及びその対策技術について理解できる.
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1 環境問題全般に関する現状,基礎知識及び関連する法規について理解しているか,中間試験及びレポートで評価する.
2 地球温暖化,大気汚染等,「空気」に関する環境問題及びその対策技術について理解しているか,中間・定期試験及びレポートで評価する.
3 海洋汚染,水質汚濁等,「水」に関する環境問題及びその対策技術について理解しているか,中間・定期試験及びレポートで評価する.
4 ごみ,有害廃棄物等,「廃棄物」に関する環境問題及びその対策技術について理解しているか,中間・定期試験及びレポートで評価する.
5 自動車関連に関する環境問題(排ガス,CO2,騒音等)及びその対策技術について理解しているか,定期試験及びレポートで評価する.
6 船舶関連に関する環境問題(排ガス,海洋汚染,CO2等)及びその対策技術について理解しているか,定期試験及びレポートで評価する.
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成績は,試験80% レポート20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「環境工学入門」:鍋島淑郎,森棟隆昭,是松孝治共著(産業図書)
参考書 「環境白書(平成24年度版)」:環境省編
関連科目 熱力学,内燃機関,化学工学,物理化学
履修上の
注意事項
工業熱力学を受講して,内容を理解しておくこと.

【授業計画( 環境工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 地球環境の現状
日本及び世界の環境問題の現状について学ぶと共に,なぜこのような問題が生じたのか,その原因について考える.さらに,このような問題の解決のために,どのような取り組みが行われているかについて学習する.
2 オゾン層の破壊,地球温暖化
オゾン層の役割,その破壊の原因と対策について学ぶ.また,地球温暖化について,その原因と対策について学ぶことにより,省エネルギーの重要性について学習する.
3 酸性雨,森林の減少
酸性雨の原因とその被害状況について学ぶ.また,森林の減少に関し,その原因と現状について学ぶことにより,森林の有する役割とその重要性,及び各国で取り組んでいる森林減少防止対策について理解を深める.
4 廃棄物処理問題
廃棄物がどのように処理されているか,また,各国における廃棄物処理の現状について学習することにより,廃棄物処理の排出抑制やリサイクルの重要性について理解を深める.
5 大気汚染
色々な燃焼装置や自動車等から排出される大気汚染物質の現況,その被害状況について学習する.さらに,各国で行われている大気汚染防止のための規制動向や防止対策について学習する.
6 水質汚濁,海洋汚染
日本及び世界の河川・湖沼・海洋における水質汚染状況について学習すると共に,このような状況に至った原因と改善するための規制状況について学習する.
7 生物多様性への影響
これまでの授業内容のまとめとして地球環境が生物に及ぼす影響に関し,生物多様性の状況,その損失の状況,それに伴う経済的損失等について学習することにより,全ての生物の生態系,種,遺伝子の多様性を保護することの重要性について理解を深める.
8 中間試験
中間試験までの内容について出題し,その理解度を評価する.
9 中間試験の解答および大気汚染防止技術
中間試験の解答をして,その理解度を深める.次に主な大気汚染物質の発生原因と発生源,及びそれらを防除する技術について学習する.さらに,代表的な大気汚染防止装置として,「集塵装置」,「排煙脱硫装置」,「排煙脱硝装置」の種類・構造・性能等について学習する.
10 水処理技術
上水道,下水道の浄化方法として行われている代表的な水の処理方法について学習する.特に,代表的な水質汚濁防止装置として,下水や産業排水の処理を行う「下水処理装置」,「産業排水処理装置」の種類・構造・性能等について学習する.
11 廃棄物処理技術(1)
廃棄物,特に,ごみ処理技術の内,焼却技術について学習する.代表的なごみ焼却処理施設の熱計算,焼却炉の機能,性能,後処理設備等,最新のごみ焼却システムについて理解を深める.
12 廃棄物処理技術(2)
廃棄物の処理方法には焼却以外に,埋め立て,資源化及び再利用等が行われている.このような廃棄物処理の際に行われる破砕・圧縮・選別等の処理方法について学習すると共に,各種の資源化プロセスについて理解を深める.
13 自動車排ガス対策技術
自動車に搭載されているガソリンエンジンやディーゼルエンジンから排出される大気汚染物質の生成プロセス,その規制動向及び対策技術について学習する.さらに,自動車から排出されるCO2を削減する方法として,燃費改善や石油系以外の燃料の使用について理解を深める.
14 自動車関連の環境対策技術,最近の環境対応型自動車
自動車には様々な部品や潤滑油等が使用されているため,廃棄の際にはこれらによる環境問題が生じている.また,自動車による騒音も生活環境に悪影響を及ぼしている.これらの自動車によって引き起こされる環境問題への対応技術及び最近の環境と調和する環境対応型自動車について学習する.
15 船舶関連の環境対策技術
船舶は世界中の海を航行するため,その影響力は地球規模であることから,海洋汚染・大気汚染等に関する国際的な規制が実施されている.これらの船舶による環境問題について理解を深めると共に,その規制動向,対応策等について学習する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.課題(レポート)を必ず提出すること.