【 2013 年度 授業概要】
科   目 物理 ( Physics )
担当教員 一瀬 昌嗣 准教授
対象学年等 機械工学科・1年B組・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
物理学諸分野の最も基本となる力学を理解し,自ら考え応用し,探求する力を身につける.力学の学習を通じて,数式や記号を扱うことに慣れ,物理学的な思考力を養う.



1 【A2】 ニュートンの三法則を理解し,活用できるようにする.
2 【A2】 運動方程式を自ら立て,解くことができるようにする.
3 【A2】 力学的エネルギー保存則,運動量保存則を理解し活用できるようにする.
4 【A2】 ベクトルの概念を理解し,力学の問題の中で自在に活用できるようにする.
5 【A2】 三角関数を理解し,実際の力学の問題の中で活用できるようにする.
6 【A2】 等速円運動を基本として,単振動・惑星の運動・力のモーメントの概念を理解する.
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1 中間・定期試験とレポートで評価する.
2 中間・定期試験とレポートで評価する.
3 中間・定期試験とレポートで評価する.
4 中間・定期試験とレポートで評価する.
5 中間・定期試験とレポートで評価する.
6 中間・定期試験とレポートで評価する.
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成績は,試験70% レポート30% として評価する.100点満点で評価し,60点以上を合格とする.
テキスト 「高等学校物理 力学の総合学習」(数研出版)
「エクセル物理I+II 三訂版」(実教出版)
参考書 「理解しやすい物理I・II」近角聰信・三浦登著(文英堂)
「チャート式新物理I」「チャート式新物理II」都築嘉弘著(数研出版)
など,高等学校の「物理I+II」の参考書で,好みのものを参照するとよい.「物理I」のみしか含まれていない参考書もあるので,注意が必要.必ず「物理II」が含まれたものを選ぶこと.
2年以降のテキストは,「高専の物理[第5版]」和達三樹監修(森北出版)になる予定.
関連科目 数学I
履修上の
注意事項
授業の進行順序は,数学との連携を考慮して,教科書の順序とは一致させていないので,授業では教科書のどの場所を進めていっているかに注意を払うこと.演習問題は必ず,自分で解いてみること.

【授業計画( 物理 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 物理学導入・単位系・有効数字
1・2・3年次の物理で学ぶ,力学,熱,波動,電磁気,原子を概観する.MKSA単位系を理解する.単位系や有効数字について理解する.
2 等速直線運動
最も簡単な運動である等速直線運動の概念を理解し,進んだ距離・速度とかかった時間との関係を表すx-tグラフ,v-tグラフの違いを理解する.
3 速度の合成・分解と相対速度
速度がベクトルで表されることを理解し,速度ベクトルの合成・分解をできるようにする.また,相対速度をの概念を理解する.
4 等加速度直線運動
加速度の概念を理解し,進んだ距離,初速度,かかった時間などと加速度を関係付ける公式を使えるようにする.
5 重力があるときの運動
ここまでで無視してきた,重力の物体への影響を考慮して,自由落下・鉛直投射・水平投射などの状況で,加速度の入った公式を適用して運動を理解する.
6 さまざまな力
重力をはじめ,摩擦力,張力,弾性力,液体や気体から受ける圧力など,さまざまな力を理解する.弾性力の場合のフックの法則について理解する.また,力の単位N(ニュートン)を理解する.
7 力のつりあいと作用と反作用
物体に対するして作用する力には,必ず反作用が存在することを理解し,さまざまな状況で働いている力を考察することができるようにする.
8 中間試験
速度・加速度・力についての理解を図る問題を出題する.
9 中間試験解答
中間試験の解答と解説を行い,類題の演習を行う.
10 ニュートンの三法則と運動方程式
運動をニュートンの三法則に体系づけて理解する.力を及ぼしあう2物体の運動など,やや複雑な問題で運動方程式を立てて,それを解けるようにする.
11 摩擦力・摩擦係数と運動方程式
最大静止摩擦力,動摩擦力,垂直抗力の概念を理解し,静止摩擦係数・動摩擦係数との関係を理解する.これらを用いて運動方程式を立て,解けるようにする.
12 仕事とエネルギー
物理で扱う「仕事」と「エネルギー」について理解する.また,単位J(ジュール)を理解する.
13 運動エネルギー
ある速さをもって運動している物体は,運動エネルギーを持つことを理解し,それを計算できるようにする.
14 位置エネルギー
重力および弾性力による位置エネルギーの概念を理解する.
15 力学的エネルギー保存則
運動エネルギーと位置エネルギーの和が,必ず保存することを理解する.これを用いて簡単な状況設定での問題を解けるようにする.
16 運動量と力積
前期定期試験の解答と解説を行い,類題の演習を行う.後期からの内容として,新しく運動量と力積の概念の理解から始める.運動量の変化が力積に等しいことを理解する.
17 運動量保存則
2物体の衝突の前後で,運動量が保存されることを理解する.
18 衝突と反発係数
物体と床や2物体の間での衝突を考察する.弾性衝突・非弾性衝突・反発係数の概念を理解し,運動量保存則と併せて簡単な問題を解けるようにする.
19 平面での運動 
2次元の速度ベクトルを三角関数を用いて表し,水平投射や斜方投射などの運動を考察する.
20 平面での力  
2次元の力のベクトルを三角関数を用いて表し,力の合成・分解をできるようにする.摩擦のある斜面を物体が滑る問題を考察する.
21 力のモーメント
作用線と力のモーメントの概念を理解し,大きさをもつ剛体について,つりあいの条件から簡単な問題を解けるようにする.
22 剛体の重心
重力がかかっている状況で,つり合っている物体の重心の位置を考察する.力のつり合いの条件と,回転し始めない条件を理解し,簡単な問題を解けるようにする.
23 中間試験
運動量と力積,三角関数を用いた運動と力の解析,力のモーメントに関する問題を出題する.
24 中間試験解答
中間試験の解答と解説を行い,類題の演習を行う.
25 学生実験
力学台車を用いて,斜面上の等加速度運動を考察する.
26 等速円運動
等速円運動を理解するための物理量(速度,角速度,周期,回転数,向心加速度,向心力)の概念を理解する.また,これらを用いて運動方程式を立てられるようにする.
27 単振動
最も簡単な振動としての単振動を,おもりをつけたばね振り子と,重力の下での単振り子について考察する.
28 慣性力
加速度運動する系で働く「みかけ上の力」である慣性力について理解する.電車の中での慣性力,回転する円盤状での遠心力について考察する.
29 惑星の運動
惑星の運動について考察し,ケプラーの三法則について理解する.万有引力による運動,重力,位置エネルギーについて理解する.
30 力学総合演習
これまで学習した力学の知識を,応用する力を養う.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.