【 2013 年度 授業概要】
科   目 電気回路I ( Electric Circuit I )
担当教員 津吉 彰 教授
対象学年等 電気工学科・2年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A4-E1(100%)
授業の概要
と方針
三角関数を復習し,微分と積分の必要最小限の内容を学び,この知識を用いて抵抗,コイル,コンデンサの正弦波交流に対する特性を定量的に学ぶ.また,複素数について学び,交流回路を複素数で計算するフェーザ法について学ぶ.



1 【A4-E1】 交流を三角関数で表すことができ,微分の簡単な計算ができ,抵抗とコイルを用いた回路の電圧と電流の関係を理解する.
2 【A4-E1】 積分の簡単な計算ができ,抵抗とコンデンサを用いた回路の電圧と電流の関係を理解し,直列共振と並列共振の回路について理解する.
3 【A4-E1】 複素数の基礎的な計算ができ,複素数を用いて交流と回路素子のインピーダンスを表すことができる.また直列回路についてインピーダンスの計算ができる.
4 【A4-E1】 交流ブリッジの平衡条件を求めることができ,複素数を用いて並列回路におけるインピーダンスと電圧と電流の関係を考えることができる.実効値と平均値の計算ができ,複素電力と力率について理解する.
5 【A4-E1】 1年で習った直流回路の内容をよく理解し,標準的な問題が解ける.
6 【A4-E1】 フェーザー法を用いた正弦波交流の電流,電圧の計算ができ,ベクトルで表すことができる.
7  
8  
9  
10  












1 交流の三角関数表現,微分の簡単な計算,抵抗とコイルを用いた回路の電圧と電流の関係を理解していることを前期中間試験で評価する.
2 積分の計算,直列共振や並列共振回路について理解しているかを前期定期試験で評価する.
3 複素数を用いてインピーダンスなどの表現ができ,計算できることを後期中間試験,小テストで評価する.
4 平衡条件の導出,実効値と平均値の計算,複素電力と力率の計算ができ,理解できているかを後期定期試験で評価する.
5 基本的な直流回路の問題の解答状況を前期中間試験,定期試験とレポートで評価する.
6 定期試験とレポート,小テストで電圧電流の位相,大きさをフェーザ法で計算でき,ベクトルで表示できることを評価する.
7  
8  
9  
10  




成績は,試験85% レポート5% 小テスト10% として評価する.総合成績が100点満点で60点以上のものを合格とする.総合成績の試験成績については前期中間試験50,前期定期試験75,後期中間試験75,後期定期試験100の重みで計算する.後期定期試験60%以上でその他の成績によらず合格とする.
テキスト 「交流理論」:東京電機大学編(東京電機大学出版局)
プリント
参考書 「絵とき電気回路」 岩沢孝治,中村征壽共著,オーム社
関連科目 数学,基礎電気工学,電気数学I,電気回路II,電気磁気学I
履修上の
注意事項
暗記に頼らず,出来うる限り理解するように努め,疑問があれば積極的に質問する.関連科目の「数学」の三角関数,微分・積分,ベクトルおよび複素数の計算が出来ることが必要である.授業中に全てを身につけるように心がけること.宿題等のレポート未提出者は再試験の受験資格を失うので,宿題は必ず提出するようにすること.

【授業計画( 電気回路I )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 三角関数の総復習,交流波形の式と位相の概念
1年で学んだ三角関数の概念と様々な公式をまとめ復習する.交流の電圧,電流を三角関数を用いて表すことを学び,位相の概念について理解を深める.電流,電圧がベクトルで表せる事を知る.
2 交流のベクトル表示(テキスト2章,7章)
交流電圧,電流の実効値の概念を知る.ベクトルで交流電圧,電流をあらわす方法を知る.
3 抵抗とコイルのV-I特性,インピーダンスの計算,電流,電圧のベクトル表示
交流回路で不可欠な微分について,大雑把に全体を把握し,計算できるようになる.R,Lのインピーダンスを知る.複素数の計算を確認する.抵抗とコイルについて,電流と電圧の関係を学ぶ.電流と電圧のベクトル表示を説明する.
4 RL直列回路,並列回路
直流回路と同様にインピーダンスが計算できる事を理解する.RL直列回路,並列回路における電圧,電流の関係について学び,電流,電圧がベクトルで表せる事を理解する.
5 コンデンサのV-I特性,RC直列回路と並列回路
コンデンサの電圧電流特性について定量的に学ぶ.コンデンサのインピーダンスを知る.RCの直列回路,並列回路において,合成インピーダンス,インピーダンスその電圧,電流の関係について学ぶ.
6 RLC直列回路,RLC並列回路
RLC直列回路の電圧電流特性について学び,直列共振の現象について理解する.並列回路の現象について理解する.
7 演習問題,小テスト
これまでの全体をまとめるとともに復習する.直流回路の復習も行う.
8 中間試験
1〜7までの内容についての試験を行う.
9 中間試験結果の解説
中間試験の内容について個別に解説する.
10 交流の電力
有効電流,無効電流の考え方を知り,有効電力,無効電力の計算を行う.
11 オームの法則およびその応用
直列回路,並列回路の計算方法をオームの法則に基づいて学ぶ.回路の計算演習をする.
12 オームの法則およびその応用の演習
テキスト5章の問題を解く.
13 小テストとその復習
10〜12週目の内容について小テストを行い復習する.
14 二相,三相交流回路
二相,三相の交流回路の取扱い方法について学ぶΔY変換について確認する.
15 二相,三相交流回路の演習
二相,三相の交流回路の取扱い方法について演習する.
16 前期定期試験の解説
前期定期試験の内容について個別に解説する.
17 フェーザ法の問題演習
テキスト七章の問題を演習する.
18 フェーザ法の復習
抵抗,コイル,コンデンサのVI特性を複素表記を用いて表し,複素インピーダンスの計算演習を行なう.
19 電流,電圧の位相表現
位相に関する問題を中心に計算問題を行う.
20 RLC直列回路とベクトル軌跡
RLC直列回路の電圧電流特性を複素表記し,インピーダンス平面でのベクトル軌跡を学ぶ.
21 多相回路
多相回路の定義と特徴,回路構成を学ぶ.
22 演習,小テスト
今までに学んだ事柄をまとめて復習する.
23 中間試験
16〜21までについて中間試験を行う.
24 中間試験の解説
中間試験の内容について個別に解説する.
25 ひずみ波交流.
ひずみ波交流の特徴や計算方法を知る.
26 相互インダクタンスを含む回路
相互インダクタンスを含む回路の取扱いについて学ぶ.
27 複素インピーダンスを用いた回路解析,交流ブリッジ
キルヒホッフの式を複素数で立てることにより,交流回路の解析ができることを理解し,応用としてRCフィルタ回路について詳しく学ぶ.交流ブリッジの平衡条件の計算を身につける.
28 計算演習
交流ブリッジなどにおける計算演習および全体の復習.
29 複素電力と力率
電力の複素表記について学び,力率の概念を理解する.
30 演習
これまでの復習とする.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.