【 2013 年度 授業概要】
科   目 数値解析 ( Numerical Analysis )
担当教員 茂木 進一 准教授
対象学年等 電子工学科・4年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A3(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
情報技術の著しい発展によって,あらゆる分野で誰でもが手軽にコンピュータを活用することができる状況になってきた.電気工学の分野では,各種機器やシステムの設計,評価,環境への影響などが頻繁に数値解析される.数値解析によって数学的思考法に対するより深い洞察が得られることが多く,この講義では,電気工学において重要と思われる,種々の数学的主題に対する数値解析の基本的な手法と技術の習得を目的としている.



1 【A3】 数値を2進数で表す方法,丸め誤差,有効数字について説明できる.
2 【A3】 1変数方程式の数値的解法を説明できる.
3 【A3】 連立1次方程式の数値的解法を説明できる.
4 【A3】 関数の数値的補間(合成)法を説明できる.
5 【A3】 関数の数値的微分法を説明できる.
6 【A3】 関数の数値的積分法を説明できる.
7 【A3】 常微分方程式の数値的解法を説明できる.
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1 数値を2進数で表す方法(2の補数型,浮動小数点型),丸め誤差,有効数字について説明できることをレポートと前期中間試験で60%以上正解を合格として評価する.
2 1変数方程式の数値的解法(2分法,ニュートン法など)を説明できることを,レポートと前期中間試験で60%以上正解を合格として評価する.
3 連立1次方程式の数値的解法(ガウスの消去法,繰り返し法)を説明できることを前期中間試験と定期試験で60%以上正解を合格として評価する.
4 関数の数値的合成(補間)法(ニュートン法,ラグランジェ法,最小二乗法,スプライン法などや,フーリエ級数の方法)を説明できることを前期定期試験と後期中間試験で60%以上正解を合格として評価する.
5 関数の数値的微分法(2,3点法,フーリエ係数法)を説明できることを後期中間試験と定期試験で60%以上正解を合格として評価する.
6 関数の数値的積分法(台形法,シンプソン法,モンテカルロ法など)を説明できることを後期中間と定期試験で60%以上正解を合格として評価する.
7 常微分方程式の数値的解法(オイラー法,ルンゲクッタ法)を説明できることをレポートと後期定期試験で60%以上正解を合格として評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.試験成績85点とレポート評価点15点の100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 数値計算法:奈良,早川,阿部共著(朝倉書店)
参考書 数値解析入門I:横田(開成出版)
数値計算:洲之内(サイエンス社)
関連科目 数学I,II,計算機工学,応用数学,電気回路I,II,III,電磁気学I,II,電磁解析
履修上の
注意事項
数学I,IIの理解が前提である.課題ではフリーソフトscilabを使うことが多いので,scilabを各自で使える状況にしておいてほしい.

【授業計画( 数値解析 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 シラバス説明,2進数による数値表現法,丸め誤差,有効数字
シラバスに基づいて1年間の授業計画を説明する.そして,2進数表現や丸め誤差,打ち切り誤差について説明する.
2 1変数方程式の解法(2分法など)
1変数方程式の解法である2分法などのアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
3 1変数方程式の解法(ニュートン法),scilabの説明
1変数方程式の解法であるニュートン法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.そして,数式処理用フリーソフトscilabの説明を行う.
4 演習,課題
1回目から3回目までの内容について演習を行い,課題を与える.
5 連立1次方程式の解法(ガウスの消去法)
連立1次方程式の解法であるガウスの消去法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
6 演習
5回目の内容について演習を行う.
7 中間試験
1回目から6回目の内容について出題する.
8 連立1次方程式の解法(反復法)
連立1次方程式の解法である反復法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
9 演習,課題
8回目の内容について演習を行い,課題を与える.
10 補間と関数近似,多項式補間(ニュートン)
多項式補間法であるニュートン法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
11 多項式補間(Lagrange)
Lagrange多項式を用いた補間法について説明する.
12 演習,課題
10回目,11回目の内容について演習を行い,課題を与える.
13 最小二乗法
離散データから関数を近似する最小ニ乗法について説明する.
14 演習
13回目の内容について演習を行う.
15 多項式補間(スプライン,ベジェ)
多項式補間法であるスプライン,ベジェ法について説明する.
16 演習,課題
15回目の内容について演習を行い,課題を与える.
17 テイラー級数
与えられた関数をテイラー級数で数値的に合成する方法について説明する.
18 フーリエ級数
与えられた関数をフーリエ級数で数値的に合成する方法について説明する.
19 演習,課題
17回目,18回目の内容について演習を行い,課題を与える.
20 数値微分(2,3,5点法)
数値微分法(2,3,5点法)のアルゴリズムについて説明する.
21 演習
21回目の内容について演習を行う.
22 中間試験
16回目から21回目までの内容について出題する.
23 フーリエ係数法
フーリエ係数法のアルゴリズムについて説明する.
24 演習,課題
23回目の内容について演習を行い,課題を与える.
25 数値積分(台形,Simpson,Gaussian)
数値積分法である台形,Simpson,Gaussian法のアルゴリズムについて説明する.
26 数値積分(MonteCarlo)
数値積分法であるモンテカルロ法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
27 演習,課題
25回目,26回目の内容について演習を行い,課題を与える.
28 微分方程式(オイラー法)
微分方程式の数値解法であるオイラー法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
29 微分方程式(ルンゲ・クッタ法)
微分方程式の数値解法であるルンゲ・クッタ法のアルゴリズムについて説明し,プログラミングの要点を示す.
30 演習,課題
28回目,29回目の内容について演習を行い,課題を与える.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.