【 2013 年度 授業概要】
科   目 プロセス設計 ( Process Design )
担当教員 高橋 邦喜 非常勤講師
対象学年等 応用化学科・5年・通年・必修・2単位 ( 学修単位III )
学習・
教育目標
A4-C4(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
 ファインケミカルのプロセス開発は,実機生産設備・運転方法を理解した上で,ラボ実験,パイロット実験を実施し,その結果に基づいて最適運転条件の設定を行いスケールアップする.講義内容は工業化研究(ラボ実験,パイロット実験,実機関連情報など)でよく使用する単位操作について,実例,例題を交えて講義を行うので内容を理解し技術を習得する.



1 【A4-C4】 プロセスの構築・設計,物性推算,流動,計測,伝熱,濃縮のスケールアップの基礎について理解する .
2 【A4-C4】 撹拌,反応,抽出のスケールアップの基礎について理解する.
3 【A4-C4】 蒸留,晶析のスケールアップの基礎について理解する.
4 【A4-C4】 濾過,乾燥,粉体ハンドリング,静電気安全のスケールアップの基礎について理解する.
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1 前期中間試験でプロセスの構築・設計,物性推算,流動,計測,伝熱,濃縮のスケールアップの基礎について理解度を評価する .
2 前期定期試験で撹拌,反応,抽出のスケールアップの基礎について理解度を評価する. .
3 後期中間試験で蒸留,晶析のスケールアップの基礎について理解度を評価する. .
4 後期定期試験で濾過,乾燥,粉体ハンドリング,静電気安全のスケールアップの基礎について理解度を評価する.
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成績は,試験70% 課題・発表30% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上 を合格とする.
テキスト 2013年度 プロセス設計  編集:高橋邦壽
参考書 「ベーシック化学工学」: 橋本健治著((株)化学同人)
「化学工学便覧」:化学工学会編(丸善)
関連科目 化学工学I,化学工学II,化学工学量論
履修上の
注意事項
化学プロセスは多くの単位操作の組み合わせで成り立っており,各単位操作の基礎を理解しておくことでプロセス構築に役に立つ.化学技術者として現象を理解し,計算によって数式を解く方法を習得しておくことが大切である.

【授業計画( プロセス設計 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 スケールアップ技術I
 ファインケミカルプロセスの特徴,連続とバッチ,開発の流れ,関係部門の関わり,スケールアップ因子などを学ぶ.
2 スケールアップ技術II
工業化の進め方,データの取得,PFC,物質収支,熱収支PFD,EFD作成などを学ぶ.
3 物性・シミュレーション
EXCELソルバー,物性推算,シミュレーションなどを学ぶ.
4 流動
管内圧損失,液体の配管内流動,輸送ポンプなど学ぶ.
5 計測
製造設備で主に使用されている温度,圧力,液面計,流量計などを学ぶ.
6 伝熱
熱の伝わり,総括伝熱係数の算出,伝熱計算などを学ぶ.
7 濃縮
ファインプロセスにおける濃縮操作,操作ポイントなどを学ぶ.
8 中間試験
中間試験
9 中間試験の解説・解答および撹拌I
中間試験を解説・解答する.撹拌翼の種類,特徴,フローパターン,混合特性などを学ぶ.
10 撹拌II
撹拌混合の基礎(流動特性,撹拌所要動力)などを学ぶ.
11 撹拌III
動力数に与える因子,動力数測定・推算方法,スケールアップの問題点,混合性能推算などを学ぶ.
12 撹拌IV
気液混合(気液系の混合操作,KLa測定,気液混合装置)について学ぶ.
13 撹拌V
固液混合(粒子浮遊など),液液混合(液液2相系の分散など)について学ぶ.
14 反応
反応熱測定・推算,反応次数,シミュレーションなどを学ぶ.
15 抽出
抽出操作・設備・計算方法,分液速度測定などを学ぶ
16 定期試験の解説・解答および蒸留I
定期試験を解説・解答する.抽出操作・設備・計算方法,分液速度測定などを学ぶ.
17 蒸留II
蒸留設備,蒸留操作と物性,理想・非理想状態などを学ぶ.
18 蒸留III
気液平衡線図,無限活量係数,気液平衡の推算などを学ぶ.
19 蒸留IV
Rayleigh式,フラッシュ蒸留,精留計算などを学ぶ.
20 晶析I
蒸留実験,精留塔,充填物,蒸留システムなどを学ぶ.
21 晶析II
結晶化,溶解度曲線,冷却晶析,データ取得などを学ぶ.
22 晶析III
結晶多形,溶液中のコンフォメーションと結晶化,粒度分布測定など学ぶ.
23 中間試験
中間試験
24 中間試験の解説・解答および濾過I
中間試験を解説・解答する.濾過設備(真空,加圧,遠心),濾過乾燥機,遠心分離機など学ぶ.
25 濾過II
スケールアップ,濾過理論,濾過比抵抗,圧縮指数などを学ぶ.
26 濾過III
遠心濾過,脱液理論,スケールアップ,設備のポイントなどを学ぶ.
27 乾燥
乾燥機の特徴,スケールアップ,トラブル防止などを学ぶ.
28 粉体ハンドリング
粉体トラブル,粉体物性測定(動的・静的,他)などを学ぶ.
29 静電気安全
静電気危険,帯電原理,着火・爆発,静電気対策などを学ぶ.
30 プレゼンテーション(エンジニアリングデザイン演習)
5分間のプレゼンテーション.各自発表.テーマは,1)これからの製造業について,2)化学技術者・研究者の夢など.


本科目の修得には,60 時間の授業の受講と 30 時間の自己学習が必要である. 前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.