2013 年度化学工学I シラバス

【 2013 年度授業概要】
科　　　目			化学工学I ( Chemical Engineering I )
担当教員			(前期)増田興司助教，(後期)杉廣志教授
対象学年等			応用化学科・3年・通年・必修・2単位 ( 学修単位I )
学習・教育目標			A4-C4(100%)
授業の概要と方針			化学工学の基礎として，物質収支，熱力学第一法則，エネルギー収支，流動操作，拡散単位操作（蒸留，吸収）について学ぶ．
到達目標		1	【A4-C4】単位操作における物質収支の理解と計算．
		2	【A4-C4】熱力学第一法則と熱化学の理解．
		3	【A4-C4】単位操作におけるエネルギー収支の理解と計算．
		4	【A4-C4】流れ系の物質収支とエネルギー収支およびその計算法の習得．
		5	【A4-C4】流動の特性と特性に応じたエネルギー収支の計算法の習得．
		6	【A4-C4】気液平衡関係の表示法の理解とその計算法の習得．
		7	【A4-C4】段塔の構造の理解とマッケーブシール法による理論段数の決定ができる．
		8	【A4-C4】充填塔を用いたガス吸収操作法の理解とその高さを算出できる．
		9
		10
評価方法と基準	到達目標毎	1	単位操作に応じて物質収支式を導き，物質収支を求める方法を習得したかどうかを演習および前期中間試験で評価する．
		2	熱力学第一法則および熱化学の基礎について理解し，活用できるかどうかを前期中間試験で評価する．
		3	単位操作に応じてエネルギー収支式を導き，エネルギー収支を求める方法を習得したかどうかを前期中間試験で評価する．
		4	流れ系の物質収支とエネルギー収支を理解し，計算法を習得したかどうかを演習および前期定期試験で評価する．
		5	流動の特性と流れの状態に応じたエネルギー収支計算法を習得したかどうかを前期定期試験で評価する．
		6	2成分系の気液平衡関係の表示法としてx-yグラフとt-x-yグラフの意味を理解する．また理想系の気液平衡計算法，特に沸点計算法を修得したかどうかをレポート，演習，後期中間試験で評価する．
		7	蒸留塔の代表的な装置である段塔の構造の理解とマッケーブシール法による理論段数の決定法を修得したかどうかを演習，後期中間試験で評価する．
		8	吸収塔の代表的な装置である充填塔の構造の理解とその高さをHTUとNTUを用いて算出する方法を修得したかどうかをレポート，後期定期試験で評価する．
		9
		10
	総合評価		成績は，試験80%　レポート10%　演習10%　として評価する．なお，試験成績は，4回の試験の平均点とする．100点満点で60点以上を合格とする．
テキスト			「ベーシック化学工学」：橋本健治（化学同人）
参考書			「化学工学概論」：大竹伝雄（丸善）「入門化学工学」：小島和夫ら（培風館）「化学プロセス工学」：小野木克明ら（裳華房）「アトキンス　物理化学要論」：千原・稲葉訳（東京化学同人）
関連科目			応用物理I
履修上の注意事項			熱力学の基礎と相平衡関係の理解が前提．

【授業計画（化学工学I ）】
週	上段：テーマ／下段：内容（目標、準備など）
1	化学工学の導入，単位換算
1	化学工学の背景および単位とその換算法について学ぶ．
2	反応を伴わない物質収支
2	物理的過程の物質収支について学ぶ．
3	反応を伴う物質収支
3	化学反応過程の物質収支について学ぶ．
4	演習
4	これまで学習した内容に関する演習．
5	熱化学
5	エンタルピーおよびその収支について学ぶ．
6	反応を伴わないエネルギー収支
6	物理的過程のエネルギー収支について学ぶ．
7	反応を伴うエネルギー収支
7	化学反応過程のエネルギー収支について学ぶ．
8	中間試験
8	前期前半の項目に関する試験．
9	流れ系の物質収支
9	中間試験の解説．流れ系の物質収支について学ぶ．
10	流れ系のエネルギー収支
10	流れ系のエネルギー収支について学ぶ．
11	流体の性質
11	流体の粘度，流れの状態について学ぶ．
12	演習
12	これまで学習した内容に関する演習．
13	流体の性質
13	流れの状態，流速の分布について学ぶ．
14	流動によるエネルギー損失
14	管内流動によるエネルギーの損失について学ぶ．
15	流体輸送に必要なエネルギー
15	流体を輸送するために必要なエネルギーの計算法について学ぶ．
16	蒸留操作（気液平衡関係）
16	気液平衡関係の表示法と理想溶液のラウール則を理解する．
17	蒸留操作（気液平衡計算）
17	理想溶液の気液平衡計算法の修得と非理想溶液の取扱いについて理解する．
18	蒸留操作（単蒸留とフラッシュ蒸留）
18	単蒸留とフラッシュ蒸留の物質収支の理解とその図解法について修得する．
19	蒸留操作（演習）
19	上記3週の演習．
20	蒸留操作（連続蒸留とその原理）
20	連続蒸留の原理と物質収支の理解および操作線の意味を学ぶ．
21	蒸留操作（蒸留装置，段塔，充填塔）
21	マッケーブシール法による階段作図で理論段数を求める手法の理解とその演習．
22	蒸留操作（蒸留装置，段塔，充填塔）
22	還流比と理論段数の関係について理解する．
23	中間試験
23	後期前半の試験
24	ガス吸収操作（気体の液体に対する溶解度）
24	中間試験の解説．気体の液体に対する溶解度の表示法と理想溶解度の意味やその限界について理解する．
25	ガス吸収操作（物質移動速度）
25	異相系の物質移動モデルである二重境膜説の考え方の理解とそれを用いた移動速度の算出法の修得．
26	ガス吸収操作（物質移動速度）
26	物質移動係数の実測値とそれを用いた吸収速度の算出．
27	ガス吸収操作（演習）
27	上記3週の演習．
28	ガス吸収操作（吸収装置）
28	ガス吸収装置の分類と充填塔の構造とその充填物についての理解．
29	ガス吸収操作（段塔による連続ガス吸収）
29	段塔を用いた理論段数の図解法による求め方の理解．
30	ガス吸収操作（充填塔による連続ガス吸収）
30	充填塔の高さをNTUとHTUを算出することで求める方法について理解する．
備考	前期，後期ともに中間試験および定期試験を実施する．