【 2013 年度 授業概要】
科   目 応用ロボット工学 ( Applied Robotics )
担当教員
対象学年等 機械システム工学専攻・1年・後期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-AM3(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
ロボット工学は,機械,電気電子,計測制御,材料などの幅広い工学的技術と関係している.本講では,機械システム工学の立場からロボットの仕組み,ロボットを設計するために必要なセンサー,アクチュエータならびに機構の技術的基礎事項およびその制御法について学ぶ.また,文献,ビデオなどによって具体的な開発事例や最新のロボット技術について紹介するとともにその将来についても概観する.



1 【A4-AM3】 ロボットの基本概念を理解し,専用機械との差異を明らかにできる.
2 【A4-AM3】 ロボットの基本的構成要素であるセンサー,アクチュエータならびに機構の種類,技術的特徴について理解するとともに,ロボット設計に際してそれらが適切に選択できる.
3 【A4-AM3】 ロボットアーム機構の運動学について理解し,解析的に機構の評価ができる.
4 【A4-AM3】 ロボットアームの運動方程式を記述することができる.
5 【A4-AM3】 産業用ロボット等に採用されている種々の制御方式について理解し,その特徴ならびに実用的有用性が説明できる.
6 【A4-AM3】 ロボットの基礎,ロボットア−ムの運動,制御方式等を理解している.
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1 ロボットと専用機械の相違が記述できることをレポートで評価する.
2 ロボット設計に際してその構成要素を適切に選択できることをレポートで評価する.
3 ロボットアーム機構の運動学について理解し,運動学的解析手法を用いて機構の評価ができることを定期試験で評価する.
4 ロボットアームの運動方程式が記述できることを定期試験で評価する.
5 産業用ロボット等に採用されている制御方式について理解していることを定期試験で評価する.
6 ロボットの基礎,ロボットア−ムの運動,制御方式等を理解しているかを,定期試験によって評価する.
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成績は,試験80% レポート20% として評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「ロボット工学の基礎」:川崎晴久(森北出版)
参考書 「Robot Manipulators」:R.P.Paul (MIT Press)
関連科目 工学系基礎科目全般
履修上の
注意事項
講義は,おもにマニピュレーション技術について行う.そのほかの技術については,文献,資料などで適宜紹介する.

【授業計画( 応用ロボット工学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 ロボットの歴史と産業用ロボット
ロボット技術の起源ならびにその変遷,産業用ロボットをはじめとするロボット技術の現状について紹介する.
2 ロボットとは==ロボットの基本構成==
ロボットの定義,ならびにロボットの構成および機能と専用機械との差異について学ぶ.
3 ロボットのセンサー
ロボットに一般的に使用される角度センサー,力センサー,触覚センサーなどの原理について理解する.
4 ロボットのアクチュエータ
ロボットの使用される各種アクチュエータについて学ぶ.ロボットに最も多く使われるDCモータについては,そのモデル化ならびに選定方法について理解する.
5 ロボットの機構
ロボットアームの機構の主な種類とその特徴について分類整理する.
6 ロボットアームの運動学 (1)座標変換
ロボットアームの運動を記述するための各座標系の関係ならびに座標の同次変換について理解する.
7 同上 (2)ロボットアームの順運動学
リンク座標系の設定方法について理解し,順運動学方程式を記述する.
8 同上 (3)ロボットアームの逆運動学
ロボットアームの逆運動学問題の解法を理解し,簡単な機構についての逆運動学問題について解く.
9 同上 (4)ロボットアームの静力学
ロボットアームの手先に作用する力と関節駆動力の関係を仮想仕事の原理を用いて導く.
10 同上 (5)機構評価
特異点解析ならびにヤコビ行列を用いた機構評価の方法について理解する.
11 ロボットの動力学
ロボットアームの運動方程式の記述方法について理解し,簡単な機構についての運動方程式を記述する.
12 ロボットの制御 (1)位置/軌道の制御
産業用ロボット等で用いられている手先位置あるいは手先軌道の制御手法について理解する.
13 同上 (2)力の制御
環境との接触作業を伴うロボットにおける力制御の必要性を理解し,その制御手法を理解する.
14 先端ロボットと研究開発の現状
先端ロボット技術に関する最新のトピックス等,研究開発の現状を紹介する.
15 まとめ
ロボット技術の現状を踏まえて,今後のロボット技術の動向について概観する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 後期定期試験を実施する.必要に応じて資料を適宜配布するので,テキストとともに学習に活用すること.