【 2013 年度 授業概要】
科   目 分子生物学II ( Molecular Biology II )
担当教員 下村 憲司朗 准教授
対象学年等 応用化学専攻・2年・前期・選択・2単位
学習・
教育目標
A4-AC5(100%)
JABEE
基準1(1)
(d)1,(d)2-a,(d)2-d,(g)
授業の概要
と方針
分子生物学は,生物活動のメカニズムを分子レベルで理解しようとする学問であり,この分子生物学の進歩により,遺伝子組換え等の遺伝子工学が発達してきた.本講義においては,分子生物学の基礎を確認しながら遺伝子工学の基礎と応用について解説する.



1 【A4-AC5】 DNAの修復,組換えの機構を理解できる.
2 【A4-AC5】 トランスポゾンの転移や遺伝子の再編成によるゲノムDNAの変化のメカニズムを理解できる.
3 【A4-AC5】 エピジェネティクスを理解できる.
4 【A4-AC5】 基本的な遺伝子工学技術を理解できる.
5 【A4-AC5】 各種ハイブリダイゼーション原理,利用法を理解できる.
6 【A4-AC5】 遺伝子機能解析法の基本的技術を理解できる.
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1 DNA損傷の修復メカニズムや組換えの機構について記述できるかを中間試験とレポートで評価する.
2 トランスポゾンの転移や遺伝子の再編成メカニズムについて記述できるかを中間試験とレポートで評価する.
3 エピジェネティックな機能調節の機構を説明できるかを中間試験とレポートで評価する.
4 DNAクローニング技術やPCR,塩基配列決定法など基本的な実験原理を説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
5 各種ハイブリダイゼーション原理,利用法を説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
6 遺伝子機能を解析するためのデータベース,レポーター遺伝子などの利用法を説明できるかを定期試験とレポートで評価する.
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成績は,試験80% レポート20% として評価する.なお,試験成績は中間試験と定期試験の平均点とする.100点満点で60点以上を合格とする.なお,宿題の評価はレポート点に含める.結果によっては再試験を実施する場合がある.
テキスト 「ベーシックマスター分子生物学」:東中川 徹,大山 隆,清水 光弘 (オーム社)
プリント
参考書 「Essential 細胞生物学」:中村桂子,松原謙一 訳 (南江堂)
「ヴォート 基礎生化学」:田宮 信雄ら 訳 (東京化学同人) 
「分子生物学の基礎」:川喜田正夫 (東京化学同人)
「遺伝子工学」:柴忠義 (IBS出版)
関連科目 C2生物,C4生物化学I,C5生物化学II,C4生物工学,AC1分子生物学I
履修上の
注意事項
本科C2生物,C4生物化学I,C5生物化学II,C4生物工学,AC1分子生物学Iを復習し,基本概念を身につけておくことが必要である.

【授業計画( 分子生物学II )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 序論
遺伝工学分野を学ぶにあたり,その背景について理解する.
2 DNAの損傷と修復
DNAの損傷を修復するメカニズムについて理解する.
3 組換え
減数分裂組換えと部位特異的組換えの機構を理解する.
4 転移性遺伝因子
トランスポゾンやレトロトランスポゾンの転移機構を理解する.
5 遺伝子再編成
免疫グロブリン遺伝子などに代表される遺伝子再編成機構を理解する.
6 エピジェネティクス(1)
遺伝子サイレンシングの機構を理解する.
7 エピジェネティクス(2)
ゲノムインプリンティングの機構を理解する.
8 中間試験
7回目までの内容について筆記試験を行う.
9 試験の解答およびハイブリダイゼーション(1)
基本的な各種ハイブリダイゼーション法を理解する.
10 ハイブリダイゼーション(2)
ハイブリダイゼーション技術の応用例を学ぶ.
11 DNAクローニング
基本的なDNAクローニングに用いられる手法原理を理解する.
12 PCRの応用
PCRを応用した各種解析法について理解する.
13 遺伝子機能解析(1)
RNAi法など基本的な遺伝子機能解析法を理解する.
14 遺伝子機能解析(2)
RNAi法など基本的な遺伝子機能解析法を理解する.
15 ポストゲノム
ゲノム解析によって得られた情報の利用方法を理解する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 前期中間試験および前期定期試験を実施する.