【 2013 年度 授業概要】
科   目 技術史 ( History of Technology )
担当教員 中辻 武 教授
対象学年等 全専攻・2年・前期・選択・2単位
学習・
教育目標
C2(60%) D2(40%)
JABEE
基準1(1)
(a),(d)2-a,(d)2-b,(d)2-c,(e),(g)
授業の概要
と方針
機械工学の技術史を把握するとともに,様々な分野の技術計算ができ,技術を文化史的発展の中で捉えられるような素養を身に付けると共に,発想ツールとの関連を確認する.また,自身の研究テーマの歴史的認識を深める.



1 【C2】 個々の科学・技術が,大別した各文化においてどのように進展してきたのかを認識する.
2 【C2】 古代から現在までの様々な技術計算ができる.古代から現代までの個々の科学・技術が,発明の発想ツール(遅速・破壊・逆転・転用・五感・温故知新等)のいずれによって,発明・発見されたものか認識する.
3 【D2】 講義を通じて,現代文明における科学・技術的問題点を見つけ出し,それをいかにすれば解決できるかを考えていただくようにしたい.
4 【C2】 各人の研究テーマの歴史的認識を深める.
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1 歴史的認識を毎週の課題の解答提出で確認する.
2 技術計算できることや発想ツールの認識度を毎週の課題の解答提出で確認する.
3 基準3は,レポートで評価する.
4 各人の研究テーマのレポートで評価する.
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成績は,レポート100% として評価する.毎週の課題の解答提出を前提(未提出の場合はその分,評価点からマイナス1点)とし,評価は各人の研究テーマの進展史のレポートを50%,現代文明の問題点についてを50%で行う.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト オリジナルプリント配布
参考書 「技術文化史12講」下間頼一著(森北出版)
「技術の文化史」下間,緒方,中辻,小沢,塩津著(関西大学出版)
関連科目 トライボロジー,機械設計,材料工学,機械工作法,流体工学,工業熱力学,物理,化学,数学,電気工学
履修上の
注意事項
関連科目:トライボロジー,機械設計,材料工学,機械工作法,流体工学,工業熱力学,物理,化学,数学,電気工学.これらに使われている基礎計算を行う.

【授業計画( 技術史 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 四大文明期の文化(1)メソポタミア(2)エジプト
メソポタミアとエジプト文明の社会的特徴と技術について説明する.
2 四大文明期の文化(3)中国(4)インド
中国とインド文明の社会的特徴と技術について概説する.
3 巨石・巨木文明期から中世にかけての文明(1)世界の巨石文明(2)日本の巨木文明(3)中世
古代から中世にかけての文明における社会的特徴と技術について概説する.
4 近代の萌芽,近代,現代の文明(1)ルネッサンス期(2)18〜20世紀(3)現在
近代から現在にかけての文明における社会的特徴と技術について概説する.
5 原動機の科学・技術的進展
主に車に搭載された原動機の歴史について説明する.
6 導水機械の歴史の説明と計算
古代の水をくみ上げるスクリューポンプ,チェーンポンプの歴史および現在の水道施設のポンプ等の説明,あるいは導水装置としてのサイフォン導水管,水道橋,カナート,運河,各戸配水等について説明し,流体工学的計算をする.
7 工作機械の歴史の説明と計算
古代のドリルや旋盤に始まり,近世以降生まれた様々な工作機械の歴史について説明し,加工に関する簡単な計算をする.
8 トライボロジーの歴史の説明と計算
古代のそり,古代の車等の摩擦,レオナルドの摩擦実験について説明するとともに,現在のトライボロジー技術についても解説し,計算する.
9 歯車の歴史の説明と計算
古代のひっかかり歯車や三角形状歯車から,現在のインボリュート歯車までの変遷の説明と,歯車に関する計算をする.
10 図法の歴史の説明と計算
図法の歴史を通して, 実際に分析図や総合図を作図していただく.
11 潤滑剤の歴史の説明
摩擦を減らす技術としての潤滑剤の歴史を古代から現在まで説明する.化学的理解が必要.
12 舟の科学・技術的進展
古代から現在までの舟の歴史を概説する.ノットや海里を理解する.
13 軸受の科学・技術的進展
古代から現在までの軸受の歴史を概説する.
14 新幹線の科学・技術的進展
超高速を実現した新幹線の苦労した点について, 技術的観点から説明したい.
15 現在のトライボロジーの説明
バイオトライボロジーやナノトライボロジー等,医療面やコンピュータ記憶容量技術面から,最近のトライボロジーについて説明する.


本科目の修得には,30 時間の授業の受講と 60 時間の自己学習が必要である. 中間試験および定期試験は実施しない.主にレポートによって評価する.