【 2012 年度 授業概要】
科   目 応用数学IB ( Applied Mathematics IB )
担当教員 小林 滋 教授
対象学年等 機械工学科・4年D組・後期・必修・1単位 ( 学修単位I )
学習・
教育目標
A1(100%)
JABEE
基準1(1)
(c),(d)1
授業の概要
と方針
科学技術分野で数学を使用する場合に用いる複素関数の展開や留数定理,ならびにラプラス変換の基礎やその応用,またフーリエ級数の基礎を学習する.



1 【A1】 複素関数におけるテイラー展開とローラン展開について理解し,基本的な演算ができる.
2 【A1】 孤立特異点と留数,留数定理について理解し,基本的な演算ができる.
3 【A1】 ラプラス変換の定義やラプラス変換の性質を理解し,基本的な演算ができる.
4 【A1】 基本関数のラプラス変換が理解でき,基本的なラプラス変換の演算ができる.
5 【A1】 合成積についてその基礎を理解すると共に,そのラプラス変換の性質を理解し,その基本演算ができる.
6 【A1】 ラプラス変換と逆ラプラス変換の対応が理解でき,基本的な逆ラプラス変換の演算ができる.
7 【A1】 ラプラス変換を用いて常微分方程式を解く方法を理解すると共に,その基本的な演算ができる.
8 【A1】 ラプラス変換を用いて積分方程式を解く方法を理解すると共に,その基本的な演算ができる.
9 【A1】 フーリエ級数とは何かについてその基礎概念を理解すると共に,周期2πの周期関数や一般的な周期関数についての基本的なフーリエ変換ができる.
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1 複素関数におけるテイラー展開とローラン展開について理解しているか,基本的な演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
2 孤立特異点と留数,留数定理について理解しているか,基本的な演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
3 ラプラス変換の定義やラプラス変換の性質を理解しているか,基本的な演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
4 基本関数のラプラス変換のラプラス変換が理解できているか,また基本的なラプラス変換の演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
5 合成積についてその基礎を理解しているか,またそのラプラス変換の性質を理解し,その基本演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
6 ラプラス変換と逆ラプラス変換の対応が理解できているか,基本的な逆ラプラス変換の演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
7 ラプラス変換を用いて常微分方程式を解く方法を理解できているか,またその基本的な演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
8 ラプラス変換を用いて積分方程式を解く方法を理解できているか,またその基本的な演算ができるかをレポートおよび試験で評価する.
9 フーリエ級数とは何かについてその基礎概念を理解しているか,周期2πの周期関数や一般的な周期関数についての基本的なフーリエ変換ができるかをレポートおよび試験で評価する.
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成績は,試験85% レポート15% として評価する.試験は中間試験と期末試験を平均し,また提出したレポートを評価し,これらを前述の比率で算定して,100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 新訂「応用数学」:高遠 節夫ほか著(大日本図書)
新訂「応用数学問題集」:薄永 久ほか著(大日本図書)
参考書 「基礎解析学(改訂版)」:矢野,石原著(裳華房)
「すぐわかるフーリエ解析」:石村園子著(東京図書)
「物理とフーリエ変換」:今村勤著(岩波書店)
関連科目 3年までの数学関連科目:数学1,数学2,や応数1A,自動制御,振動工学,システム工学等,シミュレーション工学
履修上の
注意事項
本教科は3年生までの数学1,数学2,や4年生の応数1Aを基礎とした発展科目である.また本科の専門教科で受講する自動制御や振動工学,システム工学等や,専攻科1年でのシミュレーション工学等多くの科目で使用する数学の基礎科目である.

【授業計画( 応用数学IB )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 テイラー展開
複素関数について,どの領域においてテイラー展開可能かを判定,またその収束半径を求めると共に,テイラー展開を計算する.
2 ローラン展開
複素関数について,どの領域においてテイラー展開できずローラン展開しなければならないかを判定,またその領域を求めると共に,展開を計算する.
3 孤立特異点と留数
ローラン展開の孤立特異点の係数から発展させ,極の位数の見分け方を学習すると共に,留数の計算を行う.
4 留数定理と実積分
複素積分を留数定理を用いて算出する方法を学習すると共に,発展させて,実数を積分定数とするある種の定積分の値を求めることができることを学習する.
5 ラプラス変換の定義と例
ラプラス変換の基本として,その演算内容と物理的意味について概説すると共に,その定義式からf(t)=1,f(t)=t等についてラプラス変換を算出する.
6 ラプラス変換の性質
ラプラス変換の線形成,相似性,像関数の移動法則,原関数の移動法則,原関数の微分・積分法則,像関数の微分法則等について例を交えながら説明する.
7 基本関数のラプラス変換
前週に引き続き,基本的なラプラス変換を導きだし,一般的な基本関数が変換できるようにする.
8 中間試験
教科のはじめから中間試験までに授業した内容を中心に出題する.
9 たたみこみとそのラプラス変換
合成積についてその定義式や性質,またたたみこみのラプラス変換の性質について学習する.
10 原関数と像関数の対応と逆ラプラス変換
原関数と像関数の1対1になる関係をもちいてラプラス変換と逆ラプラス変換との関係を明らかにすると共に逆ラプラス変換の計算を行う.
11 ラプラス変換の常微分方程式への応用
常微分方程式をラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて解く方法を学習する.初期値や境界条件がいろいろな場合についての解法も学習する.
12 ラプラス変換の積分方程式への応用
積分方程式をラプラス変換と逆ラプラス変換,たたみこみのラプラス変換を用いて解く方法を学習する.
13 フーリエ級数の初歩
周期2πの周期関数をフーリエ級数に変換する方法を学習する.また奇関数や偶関数のフーリエ変換についても学び,基本的な周期関数の級数を算出する.
14 フーリエ級数の収束
連続関数や不連続関数のフーリエ級数がそれぞれどのような値に収束するか学習する.
15 フーリエ級数からフーリエ変換へ
周期2πの周期関数のフーリエ級数から,一般的な周期関数や複素形フーリエ級数へ,また周期性を持たないものへとフーリエ級数を一般化してフーリエ変換へと発展させるか,またラプラス変換との関係を概説する.


後期中間試験および後期定期試験を実施する.