【 2012 年度 授業概要】
科   目 化学 ( Chemistry )
担当教員 佐藤 洋俊 准教授 
対象学年等 電子工学科・1年・通年・必修・3単位 ( 学修単位I )
学習・教育
目標
A2(100%)
授業の概要
と方針
専門的な研究において化学的視点は必須であり,日常生活では様々な物質に取り囲まれている.よって,化学物質に関する情報を身につけ,特性を生かして研究に応用し,また危険性を認識して安全に配慮しなければならない.本科目では身近な物質や専門的器具・薬品を使用し,実験題材を数多く利用して学習し,基本的な考え方を養いそれらを応用できるよう学生自ら考える授業を展開していく.



1 【A2】 試薬・溶液の特徴に注意し,器具を適正に使用して,安全に実験を行うことができる.
2 【A2】 実験から得られた結果について考察し,化学反応の量的関係を理解できる.
3 【A2】 化学の基本法則を理解し,化学反応式を元に計算をすることができる.
4 【A2】 化学物質と社会とのつながりを理解できる.
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1 試験・実験レポート・小テストで評価する.
2 試験・実験レポート・小テストで評価する.
3 試験・小テストで評価する.
4 試験・小テストで評価する.
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成績は,試験70% レポート15% 小テスト15% として評価する.試験成績は,中間試験と定期試験の平均点とする.試験以外は,班・個人で提出するレポートや小テストを合わせて30%で評価する.指示に従わず危険な行為を行ったり,実験操作や計算,片づけを行わない者は減点する.100点満点で60点以上を合格とする.
テキスト 「視覚でとらえるフォトサイエンス化学図録」(数研出版)
「ニューグローバル化学I+II」(東京書籍)
参考書 「化学I・IIの新研究」卜部吉庸 著(三省堂)
関連科目 物理,数学
履修上の
注意事項
50分時はHR教室,90分時は化学実験室において行う.化学実験室(一般科棟5階B棟)において行う場合,開始時刻に遅れないこと.

【授業計画( 化学 )】
上段:テーマ/下段:内容(目標、準備など)
1 混合物の分離
混合物は様々な操作によって純物質に分離することができる.
2 物質の構成と混合物の分離
物質には2種類以上の物質からなる混合物と1種類の物質からできている純物質がある.また,実験室の主な実験器具の使用方法について説明する.
3 化合物と単体
蒸留装置の正しい使い方,物理変化と化学変化の違い,元素について学ぶ.
4 原子の構造
原子は,原子核とそれをとりまくいくつかの電子で構成されている.原子の構造における規則性を学ぶ.
5 同位体,電子殻,電子配置
電子は電子殻に存在している.各元素の原子では,電子殻に存在する電子数は一定である.
6 溶液の電導性と電子配置の関係
イオンは電荷をもつ粒子であり,陽イオンと陰イオンに分類される.イオンの生成,元素の周期表について学ぶ.
7 化学結合
イオン結合,共有結合,金属結合などについて学ぶ.
8 中間試験(前期)
教科書,ノートの持ち込みは不可,計算機の持ち込みは事前に指示する.
9 物質量(原子や分子の数え方)
物質量(mol)の考え方を学ぶ.
10 物質量の応用,発生する気体量の予想
化学反応式の係数から,その反応における物質の量的関係を知ることができる.
11 化学反応式と実験への応用
化学反応式のつくり方を実験を通じて学ぶ.
12 化学反応式と量の関係
化学反応式から反応比を考え,必要な物質量を計算する方法を学ぶ.
13 物質の三態とその変化
物質の三態の違い,状態変化の呼び方,状態図について学ぶ.
14 気体の圧力と蒸気圧
気圧の定義,蒸気圧曲線について学ぶ.
15 ボイルの法則
気体の体積と圧力の関係について学ぶ.
16 シャルルの法則
気体の体積と温度の関係について学ぶ
17 ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式
ボイル・シャルルの法則から気体定数を導く方法を学ぶ.
18 気体の状態方程式実験
気体の状態方程式を応用し,実験を通じて分子量を計算する方法を学ぶ.
19 溶解,溶液,溶媒,溶質
溶解の仕組みについて学ぶ.
20 溶解度
ある温度において,一定量の溶媒に溶解しうる溶質の質量を溶解度という.
21 濃度
モル濃度は,溶液1リットル中に溶解している溶質の物質量で表した濃度である.
22 酸と塩基
酸や塩基は,水溶液中で水素イオンや水酸化物イオンを生じる.
23 中間試験(後期)
教科書,ノートの持ち込みは不可,計算機の持ち込みは事前に指示する.
24 酸・塩基と中和反応式
酸と塩基が反応して,互いにその性質を打ち消すことを中和といい,水分子と塩が生成する.
25 中和滴定
濃度既知の塩基(酸)を用いて,濃度未知の酸(塩基)の濃度を求める操作を中和滴定という.計算及び操作方法についても学び,身の回りの実試料分析へ適用する.
26 pHと水素イオン濃度
水溶液の酸性,アルカリ性は,水素イオン指数によって表される.身の回りの溶液についてpHを調べ,水素イオン濃度との関係を学ぶ.
27 中和反応とpH
中和滴定曲線,塩の水溶液の液性について学ぶ.
28 酸化と還元
酸化還元反応は,酸素の授受だけではなく,水素や電子の授受でも説明される.実際の反応を通して,その考え方を学ぶ.
29 金属のイオン化傾向と酸化数
金属の単体には,水溶液中で電子を失って陽イオンになろうとする性質があり,これを金属のイオン化傾向という.
30 酸化・還元とイオン化傾向の応用
イオン化傾向を応用して,日常生活で応用されている化学の原理を学ぶ.


前期,後期ともに中間試験および定期試験を実施する.